東京都武蔵野市の殺人未遂事件 裁判員裁判対象事件における事件後の更生に向けた弁護活動の紹介

【事例】
東京都内で両親と同居していたAさん(30代男性)は,職場の人間関係から心身の健康を損ねてうつ病になり退職し,家族に対してもイライラしてしまうことが増えて暴力的な行動が増えてしまいました。
ある時,些細な口論から父親に刃物をもって掴みかかり,父親に全治2か月の大怪我を負わせてしまいました。この事件によってAさんは武蔵野警察署に逮捕され,東京地方裁判所立川支部で殺人未遂罪として裁判を受けることになってしまいました。
Aさんの両親はAさんには刑務所に入ってほしくないものの,なんとか更生してもらうために,専門家へ相談をしたいようです。
(事例はフィクションです)

今回の記事では事例のような殺人未遂事件を題材に重大事件を起こしてしまった方の今後の更生に向けて弁護士がサポートできることについて解説させていただきます。

殺人未遂の罪は裁判員対象事件です

殺人罪,殺人未遂罪の事例には,Aさんの事例のように家庭内の暴力が原因となっているものが多くあります。
法務省が行っている研究では,殺人事件の約半数が親族間で起きているとされています。https://www.moj.go.jp/content/000098462.pdf
親族であるが故に,Aさんの事例のように,被害者である家族も「本人を刑務所には入れてほしくない」という心理があることも当然でしょう。
一方,殺人罪,殺人未遂罪には,死刑,無期懲役,または6年以上の懲役と,極めて重い刑罰が定められています。
たとえ、未遂に終わった事件であったとしても,実刑判決となる事案は多数あります。また,裁判員裁判という,市民が参加する重大な事案として扱われます。
市民感覚として,「家族を殺そうとしたなんてとんでもない事案だ」,「うつは犯罪の理由にならない」と判断されれば,たとえ被害者が許しを求めていたとしても実刑判決が言い渡される可能性が十分にあるということです。
家族内の事件であっても,殺人罪,殺人未遂罪のような重大事案や裁判員裁判となるようなものは,刑事事件に強い弁護士に早急に相談するべきです。

あいち刑事事件総合法律事務所では逮捕されている方へ24時間以内に接見を行う初回接見サービスを提供しています。
またあいち刑事事件総合法律事務所では、多数の裁判員裁判で弁護活動を行った豊富な経験があり、執行猶予判決を獲得した多数の実績もあります。

更生のための支援(更生支援計画)について

家族内での重大な事案に対して,どのように対処したらよいのでしょうか。
ほとんどの方が,Aさんの家族のように,刑務所には入らず何とか社会の中で更生してほしい,ただ,その為にどうしたら良いかは分からない,と思われるのではないでしょうか。

1つ有用な手段としてあるのが,福祉との連携です。
家庭内の事件だと,「被害者-加害者」の関係が裁判が終わると「監督者-被監督者」へと変わることになります。うつ病や統合失調症のような精神疾患を抱えている方であれば,なおのこと,家族からの支援は重要です。しかし,暴力を受けた被害者が,加害者を監督して十分に再犯防止をできるかと言われると,やや疑問が残ります。そこで,家族以外の第三者に協力を求め,本人の立ち直りに伴走してもらうのです。
このような福祉との連携や更生に向けた道筋をたて,それをきちんとした証拠としてまとめる際に,「更生支援計画」というものを作成することがあります。
更生支援計画とは,障害や高齢などの様々な理由から福祉的な支援を必要とする人が,再犯をしない,あるいは犯罪に巻き込まれないように生活づくり,またその支援方法を決めるものです。
福祉の専門職の立場から,医療面や経済面,住居・生活面,就労面といった複数の場面で,その人にとって必要な支援や適切な支援機関をまとめ,生活の指針を作り上げます。
更生支援計画の策定についてはこちらの記事でも取り上げていますので、参照してください。

「このような計画作りに意味があるのか?」と思われる方がいるかもしれませんが,実際の裁判員裁判(家族内での殺人未遂事案)でも,裁判所に積極的に取り上げられています。
例えば,令和5年1月30日に東京地方裁判所立川支部で判決が言い渡された事案では,
『被告人の障害特性を踏まえた更生支援計画が策定され、社会内での支援体制が整えられている』
として執行猶予判決が言い渡されています(検察官の求刑は実刑6年)。

家族内での暴力事件,重大事件の場合,「被害者になった家族が今後もきちんと再犯防止のために監督できるのか?」「また同じことになるのではないか?」という疑問が裁判所からも呈されます。この疑問に対して誠実に,かつ説得的に答えることがより良い判決を得ることと密接に関係しています。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,刑事事件に精通した弁護士が,裁判後の更生を見据えた弁護活動を行います。
裁判後においても、当事者の方の更生をサポートする顧問契約を用意しており、公判においても今後の支援体制や監督体制を証拠として提出し、主張させていただくことも可能です。
事案によって,医療の専門家や福祉の専門家とも提携して最善の弁護をします。
家族内での暴力事案や殺人未遂殺人罪のような裁判員裁判の対象となるような重大な事案についてお困りの方,お困りのご家族は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。

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