刑務所内の貸与、自弁物品

刑務所内では自由に私物を使うことはできません。

しかし、最低限の生活のために必要な日用品や、ある程度の嗜好品の使用は認められています。

刑務所内で使用可能な物品や、購入可能な嗜好品については、全て法務省の訓令や通達によって定められています。

日用品について

刑務所内で、貸与、支給が認められている日用品や嗜好品には、次のようなものがあります。

  • 生花・花瓶
  • 観葉植物
  • 写真立て
  • 書画
  • 額縁
  • 置時計
  • 置き鑑
  • 手提げバッグ
  • 学習用の教材
  • CD/DVDプレイヤー(CD、DVDも含む)
  • 菓子
  • あめ
  • 氷物
  • 果物
  • お茶
  • コーヒー
  • 紅茶
  • ココア
  • 果物飲料
  • 清涼飲料その他嗜好飲料(ジュース類)

下線がついているものは、いわゆる模範囚と言われる、刑務所内での生活態度や作業成績が良い場合(第1類に該当する場合)にのみ貸与、支給が認められています。

また、どの受刑者に対しても一律に支給・貸与される日用品は次のようなものになります。

  • ちりがみ
  • 歯ブラシ
  • 歯磨き
  • つまようじ
  • 石鹸
  • シャンプー(女子に限る)
  • タオル
  • くし・ヘアピン・髪留めのゴム・クリーム類・生理用品(女子に限る)
  • かみそり
  • お茶碗
  • 汁椀
  • スプーン
  • コップ
  • 座布団
  • サンダル
  • 運動靴
  • 鉛筆
  • 消しゴム
  • ボールペン

これに加えて、自弁(刑務所内で指定されたもののについて、自分で費用を出して購入すること)できる日用品としては、次のようなものがあります。

  • 万年筆
  • 蛍光ペン
  • ノート
  • 色紙
  • カーボン紙
  • 原稿用紙
  • 付箋
  • ファイル
  • 電卓
  • 電子辞書
  • 学習用のためのCD・CDプレイヤー
  • 絵画用具
  • 学習用の製図用具
  • 数珠
  • ロザリオ
  • 軍手
  • 使い捨てのカイロ

日用品の自弁の場合には、各受刑者の状況に応じた各刑務所の判断によって、自弁できる場合と認められない場合とがあります。

また、メガネやコンタクトレンズについては、原則として自弁の物のみを使うこととされています。

衣服について

衣服や寝具については、基本的に一年を通して、刑務所内で貸与されることになります。刑務所には、身一つで入るという人もいますから、衣類について受刑者の負担とさせることができないからです。

貸与されるもの以外にも自弁(刑務所内で指定されたもののについて、自分で費用を出して購入すること)できるものがあります。衣類である性質上、男女によって使用できるものが変わります。

共通:
ズボン下(冬物のみ)、靴下(女子受刑者はタイツを含む)、パジャマ(第1類に該当する場合のみ)

男性の場合:
ランニングシャツ、半そでシャツ、長袖シャツ、パンツ

女性の場合:
タンクトップシャツ、半そでシャツ、長袖シャツ、七分袖シャツ、ショーツ、生理用ショーツ、キャミソール、ブラジャー

衣類について、トランスジェンダーの人や性同一性障害とされている方の場合には、個別に対応することとされています。これらの衣類については、適宜、刑務所内での洗濯となります。

自弁について

自弁物品については、刑務所内でいつでも購入できるというものではありません。基本的に、毎月〇日までに自弁の希望物品を申し出る、というように、月に一度の購入です。

「類」という受刑中の優遇措置のうち、優秀と認められると(いわゆる、模範囚のような扱い)、月に2回の自弁が認められるということもあります。

自弁物品を購入するときには、入所時の所持金や差入金、作業報奨金から代金が支払われることになります。自弁物品の購入先は、刑務所ごとに業者が決められており、その業者が販売している物、価格で購入することになります。

自弁物品の内、特別な規定が置かれているものとしては「書籍」があります。

刑務所内での書籍(新聞や雑誌を含む)は、最初に刑務官が検閲をすることになっており、検閲の結果、刑務所内で読むのが適切ではないとされるような部分(例えば、他の刑務所内で暴動が起きたというものや、刑務所や拘置所からの脱走事故に関するもの、暴力的な内容や性犯罪を助長するような内容など)は、黒塗りされます。

また、書籍の購入については月に2回の購入の機会があります。書籍の購入の場合にも、所持金や差入金、作業報奨金からの支払いとなります。

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