詐欺事件

詐欺事件の背景

詐欺事件はお金や財物を人から騙し取る犯罪です。

したがって犯行の背景にある事情として多く挙げられるのは財産的な理由です。

そして詐欺事件の特徴としてはその被害額の大きさにあります。

このように多額のお金を人から騙し取ろうとする詐欺事件に至ってしまう背景としては、ギャンブル依存症や買い物依存症などが原因で借金を抱えているという事情があることが多いように思います。

一度人からお金を騙し取ることに成功してしまうと、お金を得られた快感を忘れられずに再犯に及んでしまうリスクが高いといえます。

再犯をしてしまえばせっかく家族が協力して被害者の方に多額の賠償をするなどして刑務所に行くことを避けられたとしても、その努力が水の泡となってしまいます。

したがって詐欺事件を起こした方に対しては単に示談交渉をして有利な判決に導くのみではなく、事件の背景を理解した上で再犯防止策を立てることが非常に重要になります。

以下ではギャンブル依存症や買い物依存症への治療、そしてどのように再犯防止につなげていくかについて解説します。

依存症のメカニズムとその治療

ギャンブル依存症とはその人の人生に大きな損害が生じるにも関わらず、ギャンブルを続けたいという衝動が抑えられない病態をいいます。

買い物依存症は正式な診断名ではありませんが、買い物をすると気分が高揚し、一時的に嫌なことが忘れられるので、繰り返し買い物をしているうちに欲しい物を買うのが目的でなく、買い物自体が目的になり、コントロールができなくなる状態のことをいいます。

いずれの症状の方もご自身でギャンブルや買い物をしたいという欲求を理性的に抑えられなくなってしまうので、そのうちにお金が無くなり、借金苦に陥り、最終的にはお金を得ようと詐欺に手を染めてしまう方もいます。

いずれの症状の原因については神経伝達物質のドーパミンが関係していると言われています。

ドーパミンは快感を覚えた際に分泌されるのですが有限なものです。

ドーパミンが枯渇してしまえばそれまでギャンブルや買い物によって得られていた快感が得られなくなり、欲求が満たされず、それまで快感を得られていたギャンブルや買い物への依存がエスカレートしてしまいます。

これがギャンブル依存症や買い物依存症に陥る原因であると言われています。特に生活を顧みなくなる場合、借金をしてでも欲求を満たそうとしている場合、さらには犯罪にまで手を染めてしまっている場合などはこの依存症の症状が重くなっている状態といえるでしょう。

そこまで重い症状となっている場合には専門機関での治療が不可欠といえます。

専門機関では集団精神療法や薬物療法などの専門的治療が実施されています。これらの依存症が疑われる場合には早期に専門機関を受診して、治療を開始することが依存症の完治のために必要になってきます。

生活状況の改善

依存症が犯行に至る原因として考えられる場合治療を早期に始めることが重要であると述べました。

詐欺事件はこれらの依存症に加えて借金などで生活が苦しくなったことが引き金になっていることが多いように思います。そこで再犯防止のためには事件を起こした本人の生活状況の立て直しも必要になってきます。

まず借金については返済が可能であれば返済を検討すべきですが、返済が困難であると考えられる場合には、弁護士に依頼して自己破産や個人整理も検討すべきです。

また更生には周囲の人の協力も不可欠になります。現代ではスマートフォンを利用してギャンブルやネットショッピングを簡単にすることが可能です。

そのためスマートフォンを管理するなどして再びギャンブルや買い物依存に陥らないために監督することが必要です。

依存症に悩む方は自助グループなどに参加して同じ症状に悩む周囲の人と一緒に再犯防止に努めることも有用です。

あいち刑事事件総合法律事務所ではこれまで、ギャンブル依存症や買い物依存症から詐欺事件に手を染めてしまった方の弁護活動の経験も多数あります。

まずはご本人から事情や事件への背景を詳しく聴き取り、必要な専門機関を紹介するなどして、ご本人様やご家族と一緒になって再犯防止や更生に向けた弁護活動をさせていただきます。

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