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大阪府大阪市北区の大麻所持事件 大麻所持をした者の弁護活動や更生に精通した弁護士
【事例】
大阪府大阪市北区に住む高校生のAさん(17歳)は友人のBさんから大麻の使用を勧められ、Bさんから購入するようになってしまいました。
ある日Aさんは繁華街で歩いていたところを曽根崎警察署の警察官に職務質問され、持っていたバッグの中ら大麻が発見されたことから大麻取締法違反の容疑で現行犯逮捕されました。
Aさんのご家族は、Aさんに大麻との関わりを断つために出来ることは何かと考え、あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士に初回接見を依頼しました。
(事例はフィクションです)
今回の記事では、近年の大麻取締法違反事件の実態や大麻の悪影響、そして大麻に関わってしまった方の更生にはどのようなことが必要なのかにつきあいち刑事事件総合法律事務所の弁護士が解説します。
近年の大麻事件の検挙状況について
近年、大麻に関連して検挙された人数が急増しているようです。大麻による検挙者数は、30歳未満の若年層を中心に平成26年(2014年)以降増加が続き、令和4年(2022年)は、5342人と3年連続で5000人を超えています(警察庁「令和4年における組織犯罪の情勢」を参照)。
資料によれば大麻以外の薬物の検挙者数はほぼ横ばいであるのに比較して異常なことであるといえます。
そして大麻による年代別の検挙者数でもっとも多いのは20歳代であり、次いで20歳未満であるから大麻は若年層を中心に使用者が増えているといえます。
大麻使用のきっかけや動機は「誘われて」、「興味本位で」が最多であるようです。
先述のように若年層を中心に大麻の使用が広がっているは背景にはインターネットなどで
「大麻は他の薬物より安全、害がない」
「大麻は依存性がない、いつでもやめられる」
「海外では大麻が合法化されているから安全」
という誤った情報が広まり軽い気持ちではじめてしまうことや、SNSの普及により大麻の購入のためのやり取りが容易になっていることがあると考えられます。
しかしながら、大麻はそれ自体危険な薬物であるのと同時に、大麻をきっかけに他の薬物に手を出してしまう可能性もあり、軽い気持ちで大麻を始めることは大変危険です。
大麻を使用することによる悪影響
大麻も覚醒剤や麻薬などと同様に法律で規制されていることから分かるように、それ自体非常に危険な薬物です。
大麻に含まれるTHCという成分は、脳などの中枢神経系に作用するため、大麻を使用すると心身に次のような変化が現れます。
知覚の変化・・・時間や空間の感覚がゆがむ
学習能力の低下・・・短期記憶が妨げられる
運動失調・・・瞬時の反応が遅れる
精神障害・・・統合失調症やうつ病を発症しやすくなる
IQ(知能指数)の低下・・・短期・長期記憶や情報処理速度が下がる
加えて、大麻は酩酊感や陶酔感、幻覚をもたらすため、その感覚を味わった人は再び使用を繰り返すことになります。そして繰り返すうちに自分の意思ではやめられない、いわゆる「薬物依存」という状態になります。
そして大麻に依存するようになった人の中には、大麻による効能だけでは満足できなくなり、より効果が強く、依存性、中毒性の強い薬物を求めるようになり、覚醒剤や、コカインなどの麻薬にも手を出すようになってしまいます。
このように、大麻は他の薬物依存の入口にもなることから「ゲートウェイドラッグ」とも言われています。
また大麻を使用することにより人間関係も大きく変化します。大麻の売買には暴力団等の反社会的組織も関わっていることがあり、健全でない人たちと関わってしまうことになります。
その反面幻覚作用がでることで、これまでと同様の人間関係を送ることができなくなり、薬物を使用していない周囲の人間が離れていくことになります。
薬物を使用した人が自身の行動を反省するために記した手記が警察署のホームページなどで公開されています。
その中には薬物を使用していることが引け目になり薬物を使用している人としか関わらなくなってしまったこと、薬物を買うお金欲しさに友人からお金を借りようとして結局友達がいなくなってしまったことを後悔する内容もあります。
また薬物使用者の手記の中には、薬物を使用したことで家族も離れて行ってしまったことを後悔する内容の手記もあります。
大麻は自分自身をおかしくしてしまうだけでなく、使用した人の周囲の人間からの信用も奪ってしまうのです。
以上のように大麻に手を出すことで、健康で健全な生活は一変してしまいます。
とても危険な効果を持つ薬物なので1回だけならなどと軽い気持ちで始めることは決してしてはいけません。
大麻を使用してしまった場合に更生するためには
今回事例に挙げたAさんはこれからどのように更生していくことが必要でしょうか。
Aさんは少年審判を経た上でゆくゆくは社会内に戻ってくるでしょう。少年審判についての解説は当サイトの、少年審判での弁護活動のページもご参照ください。
Aさんが社会内で更生を図るために重要なことは、周囲の環境特に友人関係の整理が必要であるでしょう。
Aさんが大麻を始めてしまったのは友人から誘われたことがきっかけでした。同じように友人や知人から勧められて大麻を初めてしまっということはよく耳にします。
特に若年のうちは友人関係は本人が人生のよりどころにしていることが大きいと思います。その知り合いから勧められればその関係を壊したくなくてつい断れずに応じてしまうということもあります。
しかし一度関わりを持ってしまえば、その関係を断つことは容易ではありません。大麻に関わったことは周囲にも伝わりさらに薬物を進められてしまうリスクが大きいです。
したがって検挙されたことをきっかけに、Bさんをはじめ大麻を進めてきた人間、周囲で違法薬物や犯罪に関わっったことのある人間とはきっぱりと縁を切ることが必要です。
そのためには周囲の協力も必要です。関係が戻らないように監督することももちろんですが、周囲が本人に居場所や打ち込めるものを準備することも重要です。
周囲の人間環境の整理の他にも、本人自身が中毒性などの薬物のおそろしさを理解することや薬物をすることによる人間関係の破壊などの影響が大きいことを理解することも重要です。
また検挙時に薬物を長期間使用しており薬物に「依存」する状態になっていれば依存症外来などの専門機関での治療も検討するべきです。
薬物使用からの更生には、薬物に関わってしまった方の状況や経緯、依存症の進行具合によっても取るべき手段は様々です。
あいち刑事事件総合法律事務所では薬物に関わる犯罪を犯してしまった方の弁護活動、更生支援についての依頼ををこれまで数多くお受けしてきた経験があります。
大麻を含む薬物事件の弁護活動については当サイトの薬物事件のページもご参照ください。
薬物に関わってしまった方やその方のご家族の方は是非一度ご相談ください。
埼玉県さいたま市の詐欺事件 特殊詐欺事件の受け子の更生支援に精通した弁護士
【事例】
Aさんは埼玉県さいたま市に住んでいましたが、ギャンブル依存から消費者金融からの借金を繰り返していました。
利息の支払いにも窮したAさんは周囲にも相談できずに、借金が膨らんでいくことに焦りを感じていました。
そしてAさんはSNSで「高額バイト」や「短期バイト」といったワードで仕事を探していると、Bを名乗る人物からDMが届きました。
そこからテレグラムというアプリでの連絡に誘導されたAさんは、「おばあさんに対して還付金がもらえると言って、おばあさんからお金を受け取るだけの簡単な仕事だ」と紹介されて、被害者からお金を騙し取る特殊詐欺の受け子をしてしまいました。
Aさんはその後通報を受けた大宮警察署の警察官に詐欺の容疑で逮捕されました。
(事例はフィクションです)
今回の記事では事例に基づいて特殊詐欺の実態や、特殊詐欺に加担してしまった方の更生に向けて必要なことについてあいち刑事事件総合法律事務所の弁護士が解説します。
特殊詐欺事件の実態
特殊詐欺とは犯人が電話やハガキ(封書)等で親族や公共機関の職員等を名乗って被害者を信じ込ませ、現金やキャッシュカードをだまし取ったり、医療費の還付金が受け取れる等と言ってATMを操作させ、犯人の口座に送金させる犯罪(現金等を脅し取る恐喝や隙を見てキャッシュカード等をすり替えて盗み取る詐欺盗(窃盗)を含む。)のことです(大阪府警のホームページより引用)。
特殊詐欺の代表的なものとしては、社会問題にもなっている振り込め詐欺や事例で挙げたような還付金詐欺があります。
このような事件類型で現金やキャッシュカード等を被害者から受け取る役のことを「受け子」、ATM等で振り込まれた現金を引き出す役のことを「出し子」と呼ぶことが多いです。
特殊詐欺は犯罪組織によって大規模かつ計画的に行われるものですが、実際に受け子や出し子などの犯罪の実行を担当するのは本件事例のようにSNSなどで募集された者であることが多いです。
なぜならば実行役は逮捕のリスクが高いので、計画を立てる者はそのようなリスクを負いたくないからです。
特殊詐欺に加担すると人生が一変します
特殊詐欺の受け子や出し子はSNS等で募集されることが多く、1回あたり数万円程度の報酬で出し子や受け子をすることを提案されます。
しかしながら実際に行われる犯行は、その何十倍もの被害が発生する事件であり、数百万円から1000万円を超える被害額の事件もあります。
そのような事件に加担してしまえば、前科のない方であっても、裁判で執行猶予がつかずすぐに服役しなければならない実刑判決を受ける可能性が非常に高いです。
このように特殊詐欺は、事例のように軽い気持ちで初めてしまう方が多い一方で被害の大きさや社会的影響の大きさから厳罰を科す傾向になり、加担してしまった方の人生も一変させてしまいます(被害に遭った方の人生を一変させてしまうことはいうまでもありません)。
特殊詐欺事件での弁護活動については当サイトの特殊詐欺事件のページも参照してください。
特殊詐欺は計画する者によっては、犯罪であることを隠してやり取りを始め、合法な仕事と信じ込ませて犯行に加担させる場合もあります。
弊所で実際に相談を受けた方の中にも最初は合法の仕事だと思って応募して、個人情報を伝えたところ、突然怪しい仕事を依頼して、参加を拒んだところ個人情報をネタに脅されて無理やり犯行に加担させられた方もいました。
仕事の内容をぼかしてくる、本事例のようにテレグラムなどの履歴が残らない連絡手段を使用しているような場合には、犯罪に参加させられているリスクが高いでしょう。
世の中に簡単に金が稼げるといううまい話はなかなかありません(裏がないのであればそのような話を簡単に人には勧めないはずです)。SNSなどにある高額バイトなどの甘い誘いには何か裏があるのではないかと注意して、簡単に連絡を取ってしまわないことが重要です。
特殊詐欺事件の受け子をしてしまった方の更生支援
では今回の事例で特殊詐欺の受け子をしてしまったAさんの更生のためにはどのようなことが必要でしょうか。
まずAさんに必要なのは周囲の支援と、Aさん自身が周囲に相談できるようにすることかと思います。
事例のAさんは借金をしてしまった後ろめたさからか、周囲に相談することができませんでした。もしも周囲に相談して借金について解決の道筋を見つけることができていれば、今回のように犯行に加担してしまったことはなかったでしょう。
またSNSでのやり取りについても、周囲に相談できていれば、怪しい誘いであることや犯行に加担した場合のリスクを説明し止める事ができたかもしれません。
金銭的に窮すると、人は精神的余裕までなくなってしまいます。そのような状況では冷静な判断ができなくなってしまいます。
再犯の防止と更生のためにもまずは周囲の頼れる人に自分の行動などを監督してもらい(特にSNS等のやり取りについて注意が必要です)、常に相談できる状況を作っておくことが重要です。
次にAさんに必要なのはギャンブル依存の治療です。
依存症からの脱却については当サイトの詐欺事件のページにも解説していますのでそのページも参照してください。
事例でAさんが特殊詐欺に手を出してしまったのはギャンブル依存から借金を重ねてしまったことにあります。
ギャンブル依存もAさんのように自分の支払える金額を超えて、借金までしているような状況となればもはや病気と言っても過言ではありません。
ギャンブルなどに対する依存症は、脳の指示系統にも関係があるので自分の意思だけではどうにもならないことがあります。
是非一度専門機関を受診して、専門的な治療を受けることをご検討ください。
あいち刑事事件総合法律事務所では、事件を起こされた方に依存症が疑われる場合、豊富な経験に照らしてその方に合った専門機関を紹介させていただくことができる場合があります。
特殊詐欺をしてしまった方の中でも、その背景や更生への道筋は人それぞれ様々です。
特殊詐欺事件の弁護活動に加えて、そこからの更生への支援をご希望の方は特殊詐欺事件の弁護活動と更生支援いずれにも精通したあいち刑事事件総合法律事務所に是非一度ご相談ください。
北海道札幌市の盗撮事件 認知行動療法や更生支援について盗撮事件の弁護に精通した弁護士が解説します
【事例】
北海道札幌市に住むAさんは電車内でVさんのスカート内を盗撮したとして性的姿態等撮影処罰法(略称)違反で逮捕されました。
Aさんは釈放後に家族と一緒にあいち刑事事件総合法律事務所の無料法律相談を利用して、逮捕された盗撮事件について相談しました。
相談の中でAさんは盗撮について、自分はストレス発散のために盗撮をしていたが、盗撮をされる被害者側にも落ち度があるという趣旨の発言があったので、担当した弁護士からAさんらに対して認知に歪みがあるので専門機関で認知行動療法を受けたらどうかというアドバイスをしました。
(事例はフィクションです)
今回の記事では上記の事例を基に、認知行動療法や盗撮事件を起こした方の更生支援について、あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士が解説します。
認知の歪みと認知行動療法
この事例のAさんは、一方的に盗撮事件を起こした加害者であるにもかかわらず、被害者の側にも落ち度があるという一般的には誤った考え方をしていました。
実際に盗撮事件を起こした方の相談を担当していますと、
「被害者が短いスカートを履いているのは盗撮されてもいいと思っているからだ」
「被害者が気付かないのであれば盗撮は悪いことではない」
などといったことを話される相談者の方は一定数いらっしゃいます。
この事例のAさんのように一般的に見て誤った考え方、捉え方をしていることを認知に歪みがあるという場合があります。
「認知」とはものの受け取り方や考え方という意味です。
認知が歪んだままであれば再犯のリスクは高いので、再犯防止や更生の観点からこの認知の歪みを改善することは非常に重要になります。
そして認知の歪みの改善には、まず認知の歪みがあることや、そのような歪んだ嗜好をしてしまった原因を事件の被疑者自身が認識しそれを改めようとする気持ちを持つことが重要になります。
日々の生活で行っている「行動」や上記の「認知のゆがみ」などを取り扱いながら、ストレスと上手に付き合いながら生活することを目指す心理療法の1つに「認知行動療法」があります。
認知行動療法(Cognitive Behavior Therapy)はCBTとも呼ばれ、ストレスなどで固まって狭くなってしまった考えや行動を、ご自身の力で柔らかくときほぐし、自由に考えたり行動したりするのを助ける心理療法です。
認知行動療法は実際に性犯罪の再犯防止を専門に扱う機関や心療内科でも実施されているところがあります。
盗撮事件を起こして法律相談を利用された方で、盗撮事件の再犯防止で認知行動療法などの専門的療法を希望される方には、お近くの専門機関をご案内させていただくこともあります。
今回の事例でもカウンセラーや心理士の方による認知行動療法を受けて、認知の歪みの改善やストレスへの対処法をアドバイス頂くことが再犯防止に重要な意味を持つと思います。
盗撮事件を起こした方の更生支援
現代はスマートフォンの普及や小型カメラの性能向上などにより、その気になってしまえば簡単に盗撮を行うことができてしまう時代になっています。
その一方で、今回の事例で問題になる性的姿態等撮影処罰法(略称)の制定により盗撮行為に対する法定刑が厳しくなるなど厳罰化の流れとなっています。
そのような環境で盗撮事件を起こした方の再犯防止や更生には、自身の行動の変化や周囲の監督体制の強化に加えて、盗撮の原因となった考え方の改善やストレスの除去も重要になります。
今回の事例はあくまで一例ですので、盗撮事件を起こしてしまう方の原因や背景は実に様々です。
盗撮するに至った原因やそれに対する対処を見誤ってしまえば、再犯のリスクが高い状態が続いてしまうかもしれません。再犯をしてしまえばより厳しい刑事罰を科されるリスクや、生活状況が一変してしまうおそれもあります。
あいち刑事事件総合法律事務所では、盗撮事件を起こしてしまった方の弁護やご相談を数多くお受けしてきました。
盗撮事件を起こした方の弁護活動については痴漢、盗撮事件のページもご参照ください。
経験豊富な弁護士が相談や受任後の面談を担当することでご自身では気付かなかった原因や、再犯防止のためにどのような対応をとることが適切かについて丁寧にアドバイスさせていただきます。
必要があれば今回の事例のように専門機関での治療をおすすめすることもあります。
事件を起こされた方や、再犯防止や更生に不安を抱えるご家族の方などは、まずは是非あいち刑事事件総合法律事務所の無料相談や初回接見サービスをご利用ください。
兵庫県神戸市の恐喝事件 家庭裁判所における調査官調査の対応に精通した弁護士
【事案】
兵庫県神戸市中央区に住む高校生のAさん(17歳)は友人ら3名と一緒に、同級生のVさんを呼び出して、「10万円を払うか4人でボコボコにされるか選べ」と言って10万円を払わせたという恐喝の容疑で生田警察署に逮捕されました。
Aさんは警察署に10日間勾留された後、観護措置決定がされて少年鑑別所に移送され神戸家庭裁判所の調査官による調査官調査が開始されることになりました。
Aさんの家族がAさんに面会したところによれば、Aさんは今回の犯行について友人から誘われ断ったら自分が被害に遭うかもという考えから仕方なく参加してしまったのだと涙ながらに話していたとのことでした
(事例はフィクションです)
今回の記事では少年事件における家庭裁判所の調査官調査や、家庭裁判所の調査官調査に対してどのような対応をしていく必要があるかについて事例を基にあいち刑事事件総合法律事務所の弁護士が解説します。
調査官調査とは
まずは少年事件で行われる調査官調査について解説します。
少年事件のより詳しい流れについては当サイトの少年事件の流れのページも参照してください。
調査官調査とは一言でいえば、家庭裁判所の調査官によって、事件を起こした少年に対して行われる調査のことをいいます。
調査官調査では、事件を起こした少年の方の成育歴や、事件に対する内省の深まり、今後の更生の意欲や可能性などが調べられます。
今回の事例では少年に対し少年鑑別所での観護措置決定がされていますので、少年鑑別所での少年への面接や、少年の両親に対する面接が調査官調査の主な内容になります。
調査が行われる時期については事件の内容や担当する調査官の方針にもよりますが、本件のように少年鑑別所に少年がいる場合には移送されてから1週間から10日ほどたった時期にで第1回の調査官調査が行われることが多いように思います。
このように、本件のように身体拘束が継続したまま家庭裁判所での手続きが始まった場合には、調査官調査は逮捕されてから比較的早い時期に行われることになります。
調査官調査の持つ意味
調査官は調査において主に判断されるのは事件を起こした少年の要保護性の有無やその程度です。
要保護性という言葉は聞きなれない言葉かと思いますが、一言で言ってしまえば事件を起こした少年が今後更生していくためにはどのような保護処分ないしは手続きが必要かという判断がされます。
調査官調査が行われる場合には調査票という記録が作成されます。調査票の中では、少年に対してどのような保護処分が適当かどうか(ないしは大人と同じような手続きで判断されるべきかどうか)という意見とその理由が付されます。
調査官調査の結果が審判の結果に与える影響は非常に大きいです。なぜならば裁判官は審判の場で初めて少年に会うのに対し、調査官は児童心理などを専門に学ぶなど専門的知見を有しており、何度も少年に会って調査を行っているので処分結果を決める裁判官も調査官の判断を信頼し尊重する傾向にあるからです。
ですから少年院送致などの厳しい処分を避けるためには、調査官調査において少年の要保護性が高くないことや、事件を起こした後に要保護性が低下していることをしっかりと伝えていくことが必要になります。
勘違いしないでいただきたいのは、調査官はあくまで少年が今後の更生のために何が必要かを考えてくれる人であり、自分に対し厳しい罰を与えようとする人ではないということです。調査では特に隠しごとなどをせずに積極的に事件や今後についての自分の考えを述べることが大事になります。
ただしあくまで調査官の方は裁判所という中立的な立場で調査官調査にあたるため、次で述べるように少年事件では本人の側に付く付添人が非常に重要になってきます。
調査官調査に向けた弁護士の役割
調査官調査は早期に行われることは述べましたが、回数も限られています。そのなかで自分の起こした事件への反省や、今後の改善点を自分の言葉で述べて調査官の方に分かってもらうことは容易ではありません。
しかし調査官調査は何回でも行ってくれるものではなく、多くても2,3回程度です。限られた回数の中でうまく伝えられないと調査官の印象や要保護性の判断も厳しいものになってしまいます。
そうならないように、逮捕された直後から要保護性の改善に向けた働きかけを少年に対して行っていくことが重要になります。
まずは早期に弁護士が少年への面会を行い、少年が犯行に至った原因や動機、被害者がどのような気持ちになっているか、同じことをしないようにするためには何が必要かなどを考えてもらうことが必要です。
また同時に社会内での更生ができることを調査官に説明するためには環境調整も重要になります。
環境調整とは一言でいえば、少年が社会に戻った際に再犯をするリスクが低い状態であることを調査官に訴えていくことになります。
例えば本件の事案でいえば、Aさんが友人から言われて犯行に加担してしまった理由、どのようにすれば今後同じ誘いを受けた際にどのように断るのか、今回犯行に加担した友人たちとの関係をどうするのかといったことが、調査官調査で問題になることが予想されます。
早期から、問題になる点について弁護士から説明し少年によく考えてもらうことが、事件後の更生を考える上でも非常に重要になります。
調査官調査に安心して対応できるようにしておくことは、ひいては今後の更生につながることでもあるので、事件を起こした少年の真の更生のためにも早期から弁護人がついて、少年に働きかけをしていくことは重要になります。
少年事件に対する弁護士の役割については当サイトの少年審判での弁護活動というページもご参照ください。
福岡県の強制わいせつ事件 知的障害の疑いがある方の弁護活動に精通した弁護士
【事例】
福岡県博多市在住のAさん(20歳男性)は、路上でいきなり女性の背後から抱き着いたとして強制わいせつの容疑で福岡県警博多警察署の警察官に通常逮捕されました。
Aさんの家族は、Aさんが逮捕されたとの知らせを受けて、すぐにあいち刑事事件総合法律事務所の弁護士に初回接見の依頼をしました。
初回接見でAさんに面会をした弁護士は、Aさんとのやり取りにおいて、犯行の動機や経緯について話が噛み合わないことがあり何らかの知的障害の疑いがあるのではないかと考えました。
弁護士は接見後に、接見時の状況を説明し、Aさんの家族に対して専門家に更生支援計画の策定をお願いしてはどうかとアドバイスをしました。
(事例はフィクションです)
この事例を用いてあいち刑事事件総合法律事務所の弁護士が知的障害が疑われる方の刑事弁護活動や更生支援計画について解説します。
初回接見の重要性
刑事事件で逮捕されると、原則として勾留が決定するまでの間(法律上勾留決定までの時間制限は72時間とされています)、弁護士以外と接見することができません。
しかしながら刑事事件の捜査はその間にも進められ、多くの事件で逮捕直後から本人の供述調書の作成は進められます。
法律上取調べの際には黙秘権の告知などが警察官には義務付けられていますが、当然ながら被疑者とされた人の有利になるように取調べや調書の作成をしてくれるわけではありません。
そこで、早期に弁護士が初回接見し、本人から逮捕されることになった経緯を詳しく聴き取って、取調べへの方針などを本人にアドバイスるすることが重要になるのです。
そして今回の事例においてはもう一つ初回接見に重要な意味がありました。
それは本人の異変や障害について早期に気付くということです。
警察などの捜査機関は基本的に、被疑者から話を聞く際に被疑者が事件の事実を認めているかどうか、事件の内容が証拠によって証明できるかに関心を持ちます。したがって犯行の真の動機や原因は見落とされてしまうこともあります。
もし違和感などに気付いたとしても、本件のように動機と犯行内容のつじつまが合わない場合には、調書にはその違和感を敢えて記載せず、本人の話した内容とは異なるもっともらしい動機を調書には記載してしまうケースも実際にありました。
逮捕により動揺している被疑者が調書の内容の訂正を求めることは容易ではありません。知的障害がある被疑者の方、発達に遅れのある被疑者の方であればなおさらです。
もし、誤った動機が調書に記載され、弁護士や周囲の人間もその違和感に気付かないままであれば、その誤った動機を前提にして裁判が行われてしまうかもしれません。
そうなれば、事件を起こした本人さえも事件を起こした原因や動機に気付くことなく、再度犯行に及んでしまうおそれも高くなってしまうといえます。
刑事事件に精通した弁護士は多くの事件を経験して、様々な特性を持った被疑者の方と接しています。そのような弁護士だからこそ早期に、個々の被疑者が抱える特性や知的障害について気付く事ができる場合もあるのです。
このような「気付き」は可能な限り早期に出来るに越したことはありません。後述する更生支援計画の策定や、本人に合った専門機関を探すためにも時間が必要だからです。
家族が刑事事件を起こして逮捕された場合には、出来る限り早期に刑事事件に精通した弁護士に初回接見を依頼することをおすすめします。
更生支援計画とは
次に事例において弁護士がAさんの家族に案内した更生支援計画とはどのようなものなのかについて解説します。
更生支援計画とは福祉的な支援が必要な方のため、その方の障害特性や病状を踏まえて、同じ行為を繰り返さないために必要な支援について記載された計画書になります。
そして更生支援計画は、社会福祉士や精神保健福祉士などの福祉専門職の方に作成を依頼して策定されるものです。
事例のように逮捕されている方の更生支援計画の作成をお願いする場合には、まず弁護士と専門職の方が事件内容を打ち合わせるなどして事情を共有し、その後本人への面会や家族から聞き取りを経て計画書の作成をしてもらうことになります。
計画の中では本人の特性に合った専門機関との連携や、どのような福祉サービスを受けるべきかについても盛り込まれることが多いです。
当事者が身体拘束されている場合ですと、警察署での専門職の方との面会時間は限られることになりますので、なるべく早期に依頼をすることが重要になります。
更生支援計画については、当サイトの精神障害がある方の弁護活動のページにも詳しい解説がありますので参考にしてください。
更生支援計画と刑事裁判
最後に更生支援計画を策定した場合の、刑事裁判における弁護活動について解説します。
更生支援計画を裁判までに策定した場合、その計画書を証拠申請して取調べを行うことを求めることが通常です。
場合によっては、計画の策定を行った社会福祉士などの専門職の方に法廷に出廷いただき計画を策定した経緯や、本人の更生に資するものである根拠について話していただく場合もあります。
刑事裁判の量刑については、事件を起こした本人が再度犯行をする危険性がどれほどあるかという、「再犯可能性」も重要な考慮要素になります。
更生支援計画の存在は、本人が再犯をしないために適切な支援を受けることを示すものであり、専門家が作成したという信用性もあるので、本人の再犯可能性が低いと判断される方向の事情になります。
仮に初犯の場合など執行猶予が見込まれる事件であっても、再犯可能性の程度によって執行猶予の期間や保護観察が付されるか否かも変わってきます。
更生支援計画を策定した場合は、その内容を基に裁判官に対して本人の再犯可能性が低いことを弁護側で立証していくことが重要になります。
刑事事件の量刑については、当サイトの刑の種類と量刑のページも参照してください。
仮釈放と仮釈放に向けた弁護活動② 仮釈放支援に精通した弁護士
【事例】
Aさんは強盗致傷罪で懲役3年6か月の判決を受け服役しています。Aさんは現在服役し始めてから2年半を経過しているところです。
Aさんは最近刑務所で知り合った人が仮釈放が認められて、釈放されたことを聞いて、自分も仮釈放を認めてもらうために何か出来ることはないか家族に相談しました。
家族は仮釈放を認めてもらい早期の社会復帰や更生ができないものかと、仮釈放支援に詳しいあいち刑事事件総合法律事務所の無料相談を利用しました。
(事例はフィクションです)
前回の記事で紹介した事例を基に、今回の記事では仮釈放に向けた具体的な弁護活動について紹介させていただきます。
仮釈放に向けて弁護士ができること
前回の記事で紹介したように、仮釈放が認められるためには地方更生保護委員会に対して申し出が行われる必要がありますが、その権限を有するのは刑務所長であるということです。
受刑者本人や受刑者の家族は申し出の権限がないのと同様に、受刑者から委任を受けた弁護士であっても地方更生保護委員会への申し出を直接行うことはできません。
しかし申し出の権限が弁護士にないからといって、早期に仮釈放を認めてもらうことを目指した活動が一切ないわけではありません。
弁護士を通じて書面を提出するなどして、刑務所長に働きかけを行うことで地方更生保護委員会に対して仮釈放に向けた申し出をするように促すことはできます。
また地方更生保護委員会に対して書面を提出するなどして、仮釈放の許否に関する判断をするように働きかけを行うことも可能です。
もちろん、弁護士が書面を提出して要求して申し出を行うことなどを促しても、申し出をする強制力があるわけではないので、必ず仮釈放が認められるわけではありません。
しかしながら、弁護士が仮釈放に向けて必要な活動を受刑者の方本人に代わって行うこと、申し出を行う権限のある刑務所長にその活動の結果等を報告することで仮釈放が認められやすくなる場合もあります。
仮釈放に向けた具体的な活動
前回の記事で仮釈放の要件について説明させていただきました。また仮釈放の要件については当サイトの仮釈放が認められる場合のページにも詳しく解説しています。
そして前回の記事では仮釈放が認められるためには「改悛の情」が認められることが必要であると説明させていただきました。
では「改悛の情」が認められると刑務所長や地方更生保護委員会に判断してもらうためには具体的にどのような活動が考えられるでしょうか。
改悛の情をどのように判断するかについては、「犯罪をした者及び非行のある少年に対する社会内における処遇に関する規則」の28条に規定があります。
条文は省略しますが、改悛の情が認められるためには大まかに言って
①受刑者に悔悟の情があること
②受刑者に改善更生の意欲があること
③受刑者が再び犯罪をするおそれがないこと
④保護観察に付することが改善更生のために相当であると認められること
⑤社会の感情が仮釈放を是認すること
という要件を満たす必要があると定めています。要件の詳しい内容については当サイトの仮釈放が認められる場合のページもご確認ください。
弁護活動としては、条文の要件を満たすように弁護士が活動を行い、これらの要件を満たしていることを刑務所長などに上申書等の資料を提出するなどして主張していくことを行っていきます。
本事例における仮釈放に向けた活動
では本事例においては、改悛の情が認められることを示すためにどのような弁護活動を行い、どのような書類を提出する必要があるでしょうか。
まず上記①、②の要件を満たすために受刑者本人の方の内省の深まりを示すことが必要です。
刑務所においても具体的な再犯防止プログラムは行われますので、まずはこれに真面目に取り組むことが必要になります。取り組み状況によっては、弁護士が面会や手紙のやり取りを通じて取り組み状況を聞いて、受刑者本人にアドバイスをすることも考えられます。
加えて事件のことを反省していることを示すために、強盗致傷事件の被害者の方への謝罪文を書く、自分のした犯罪により被害者や社会にどのような影響があるかを課題を準備して、作成した課題を刑務所長に提出する上申書に添付することも考えられます。
③、④の要件を満たすためには上記の反省に加えて、身元引受人などの更生環境が整っていることも示す必要があります。
具体的には帰住先などがあることを示すために家族などの身元引受書を添付して提出することが考えられます。
そして単に身元引受人がいるというだけではなく、帰住先での生活で更生できることを具体的に示すことができると、より改悛の情があると判断されやすくなります。
例えば強盗致傷を起こした原因が生活苦であれば、仮釈放中の勤務先があることや家族の経済的援助を受けられる状況があることなど生計を立てられる状況があることを示すことなどが考えられます。
⑤の要件では実刑判決を受けることになった事件の被害者への対応が重要になります。
仮に判決時に示談や被害弁償が未了であれば、これを行うことで改悛の情が認められるかどうかの判断において有利な事情として考慮されます。
以上のように、たとえ仮釈放を認めさせる権限はなくとも、弁護士がついて仮釈放が早期に認められるように働きかけるためには様々な活動が考えられます。
今回の事例は一例ですが、具体的な事案や受刑者の方が置かれている状況において、仮釈放に向けて必要な活動は様々です。
まずは弁護士に相談して、具体的な事例の検討や状況の把握を通じて最善の活動を検討していくことが必要になります。
仮釈放に関して悩まれている方は是非一度、仮釈放に向けた活動に精通しているあいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
仮釈放と仮釈放に向けた弁護活動① 仮釈放支援に精通した弁護士
【事例】
Aさんは強盗致傷罪で懲役3年6か月の判決を受け服役しています。Aさんは現在服役し始めてから2年半を経過しているところです。
Aさんは最近刑務所で知り合った人が仮釈放が認められて、釈放されたことを聞いて、自分も仮釈放を認めてもらうために何か出来ることはないか家族に相談しました。
家族は仮釈放を認めてもらい早期の社会復帰や更生ができないものかと、仮釈放支援に詳しいあいち刑事事件総合法律事務所の無料相談を利用しました。
(事例はフィクションです)
この事例を基に、仮釈放の制度と仮釈放を認めてもらうための弁護活動についてあいち刑事事件総合法律事務所の弁護士が解説します。
仮釈放とは
仮釈放とは、受刑者に「改悛の状」があることを前提に、収容期間(実刑期間)満了前に受刑者を仮に釈放して更生の機会を与え、その円滑な社会復帰を図ることを目的とした制度のことです。
したがって、仮釈放が認められれば受刑者が受けた懲役刑や禁錮刑の期間よりも短い期間で出所することが可能になります。
仮釈放が認められることで早期の再就職ができる、家族の支援の下で更生を図れるなど事件を起こされた方の更生に向けて前向きな一歩を早期に歩みだすことができると思います。
ただし仮釈放はあくまで「仮の」釈放であることには注意が必要です。
仮釈放が認められた場合には、刑期の満期まで保護観察に付されることになります。保護観察の際には社会生活を送る上で守らなければならない遵守事項が定められ。遵守事項に違反したり、素行不良が明らかになったりした場合には仮釈放が取り消される場合もあることに注意が必要です。
仮釈放については、本サイトの仮釈放のページにも詳しい解説がありますのでそちらも参照してください。
仮釈放が認められる要件とは
では次に仮釈放が認められるための要件について説明します。
仮釈放が認められるための要件には、一定期間の経過という形式的な要件と「改悛の情」が認められるという実質的な要件があります。
形式的な要件については、「有期刑についてはその刑期の3分の1を、無期刑については10年を経過」することが必要になってきます(刑法第28条)。
今回のケースのAさんであれば、3年6か月の懲役刑を受けていますので、少なくとも1年2か月の刑期が経過しなければ、そもそも仮釈放の形式的な要件も満たさず、仮釈放が認められる余地はありません。
Aさんの場合、現時点で2年6か月服役していることになりますので、この形式的要件については問題なく満たします。
したがって、Aさんに「改悛の情」が認められれば、仮釈放が認められるための要件を満たすことになります。
改悛の情がどのような場合に認められるかは、当サイトの仮釈放が認められる場合のページに詳細な説明がありますし、次回の記事で取り上げる仮釈放に向けた弁護活動のところで詳しく解説させていただきます。
仮釈放が認められるまでの流れ
先程仮釈放が認められる要件について説明をしましたが、仮釈放の要件を満たして初めて仮釈放が認められるためのスタートラインに立ったといえます。
次に、仮釈放が認められるまでの流れについて説明します。仮釈放が認められるまでの流れの詳しい説明については当サイトの仮釈放手続きの流れのページも参照してください
実際に仮釈放が認められるためには、刑務所長が当事者につき仮釈放の要件を満たしていると判断して、地方更生保護委員会に対して、仮釈放許可の申出をすることが必要になります(更生保護法34条1項)。
そして、地方更生保護委員会で協議がなされ、その上で地方更生保護委員会において調査や聴き取りが行われ、仮釈放を許可する旨の決定が出て初めて仮釈放が認められることになります。
ここで注意しておきたいのは、地方更生保護委員会に対して仮釈放の申し出を行う権限があるのは刑務所長であり、受刑者本人には申し出の権限がないということです。
では、仮釈放が認められる方向に導くためにはどのような弁護活動が考えられるのでしょうか。
次回の記事では、本事例における仮釈放に向けた活動の例もあげながら、仮釈放に向けた弁護活動について解説します。
東京都新宿区のDV事件 家庭内暴力の弁護活動、更生支援に精通した弁護士
【事例】
Aさんは東京都新宿区に妻と長男であるV(10歳)と一緒に暮らしていました。
ある日の夜11時頃にAさんが酒に酔って帰宅したところ、Aさんの妻が宿題をしないVを叱っていました。Vはこれまでも度々宿題をしていなかったこと、Aが酒に酔っていたこともあり、激高してしまい、Vの顔面を平手で複数回殴ってしまいました。
Aさんの妻はAの様子を見て怖くなり新宿警察署に通報をしました。Aさんは臨場した警察官に暴行罪の現行犯人として逮捕されました。
(事例はフィクションです)
この事案を基にしてあいち刑事事件総合法律事務所の弁護士が解説します。
DV事件での弁護活動
近年DV、特に子供への暴行行為から悲惨な結果となる事件も多数起きているので、警察のDV事件に対する対応も厳しくなっている印象を受けます。
具体的には一度警察に通報して、家族が逮捕されると聞いて怖くなり、被害届は提出しないと言っても、警察が受け入れずそのまま身体拘束を受けるケースも多いようです。
身体拘束からの解放についてはこちらにも詳しく解説があります。
一般的な暴行事件や傷害事件では、被害者との示談が処分を決める上で重要になります。
しかしながら、自分の子どもや配偶者などに暴力をふるうDV事件においては、家庭内のことなので示談よりも今後の再犯防止、家庭環境の改善が重要になります。
財布を共有する家族内で示談金を払っても意味がないことからも、ご理解いただけると思います。
特に事件後も家族関係を継続する場合には、再犯防止と家庭環境の改善が最終的な刑事処分の判断においても重視される傾向にあるといえます。
再犯防止等に向けて家庭内で話し合いの場を持つためには、早期に釈放を目指すことが重要になります。
留置環境下では面会時間も限られ、警察官の監視の目もあるので今後の家庭環境について十分な話し合いを持つことは困難でしょう。
逮捕後に弁護活動を依頼された場合には、まず検察官や裁判官と交渉して勾留されないように働きかけていきます。
またお子さんが児童相談所等に保護されている場合には、家庭内の環境を整えた上で交渉を行い、保護の期間が不必要に長くならないように働きかけをしていきます。
DV事件での更生支援活動
そして、DV事件を起こした方の更生に向けて最も重要なのは、家族に手を挙げてしまった原因をしっかりと理解し、その原因を取り除くことになります。
飲酒が原因であれば、家庭内で飲酒しないこと、アルコール依存症の治療を受けることなどが再発防止策として考えられます。
指導として子どもに暴力をふるうことが常態化しているのであれば、適切な指導の仕方や家族との関わり方について学ぶことが再発防止策として考えられます。
弊所で担当した事件でも弁護士からの働きかけや、弁護士も交えた家族との話し合いの場を設けることで家庭内で暴力をふるうことがなくなったという事案があります。
刑事事件として早期の釈放に動いてほしい場合ももちろん、その後の家庭環境の改善を含めた更生に向けても弊所の弁護士は全力でサポートいたします。
DV事件で家族が逮捕されてしまった方は、是非一度あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
愛知県の窃盗事件 窃盗罪の再犯事件に強い弁護士②
【前回の事例】
愛知県名古屋市中区在住の70代女性Aさんは、スーパーに買い物に行った際に万引きをしていたところをスーパーの警備員に発見され、現行犯逮捕されました。
Aさんは後日釈放されますが、検察官から起訴することを告げられて弁護士を探すように言われました。
Aさんは5年前にも同様に万引き事件を起こして懲役1年執行猶予3年の判決を受けたことがありました。
(事例はフィクションです)
今回はこの事例を基に、窃盗罪の再犯事件での実際の弁護活動についてあいち刑事事件総合法律事務所の弁護士が解説します。
再犯防止策の策定
万引き事件に限らず、再犯防止策を策定していくにあたって一番重要なことは、事件を起こした理由や原因、背景が何かを考えることです。
今回のケースであればAさんは高齢なので認知症の影響があったのかもしれません。またお金に困って節約をしようと万引きが癖付いたのかもしれません。その他にも最近よく言われているクレプトマニアの影響があったのかもしれません。
事件の原因が何かによって、再犯を防ぐための具体的な方策は変わってきます。病気が原因であれば投薬などの治療が必要かもしれませんし、原因によっては第三者と一緒に生活するなどしなければ再犯を防ぐことが難しい場合もあります
そして万引きをしてしまう原因や背景を当事者だけで考えていくのは非常に難しいです。
窃盗罪の再犯事件に精通した弁護士は多くの事件を経験しているので、万引きを繰り返してしまうのが精神的な原因によるものなのか、病気が原因なのか、環境に問題があるのかなど具体的なケースに応じて一緒に考えていくことが可能になります。
そうして原因や背景がある程度わかって初めて、具体的な再犯防止策の策定に入ることができます。
環境の要因に対しては、ネットスーパー等を利用して1人では買い物に行かない、同居する家族が家にあるものとレシートなどを照らし合わせるなどの対策が考えられます。
また認知症やクレプトマニアなどが疑われる場合には、それぞれの症状に合わせた専門機関を受診し、治療や再犯防止プログラムを受ける必要があります。
どのような専門機関の受診が必要かについても、是非刑事事件に精通した弁護士にご相談ください。
裁判所における弁護活動
裁判所における弁護活動では、事例のAさんが万引きをしてしまった原因や背景を裁判官に理解してもらった上で、策定した再犯防止策が効果を上げていること、今後の対策によって再犯の危険がないこと、刑事施設で刑罰を受けることより社会内で更生することがより再犯防止に資することなどを理解してもらう必要があります。
特に一度執行猶予判決を受けているにもかかわらず再犯をして起訴されている場合には、特に上記の点についてしっかり主張することが必要です。
裁判所で話すことは緊張すると思いますが、事前にこちらから話す内容や、検察官や裁判官から聞かれることが予想される内容についてもしっかりと答えられるように、綿密に準備をして臨むことが大事になります。
認知症やクレプトマニアの影響があることを主張する場合には、専門家の方に証人として出廷してもらう必要がある場合も考えられます。
あいち刑事事件総合法律事務所では、過去に執行猶予判決を受けた経験がある事件での執行猶予獲得、執行猶予中の再犯の場合の再度の執行猶予獲得の実績があります。
万引き事件での更生と弁護士
これは私の考えですが、再犯防止策は裁判のために行う付け焼刃のもの、今後継続不可能なものではあってはならないと思っています。
たとえ万引き事件を再び起こしてしまったとして、裁判が終わった後も、その方や周囲の方の人生は続いていきます。
裁判で有利な判決を得るためにという目的では、裁判でたとえ有利な結果を得たとしても、対策が続かずまた再犯に及んでしまうかもしれません。
そうならないためには、ご本人様はもちろんご家族を始め本人の周囲の人間も一緒になって、今後再犯をしないために何が必要か、どのような生活を送っていけばいいかについて真剣に考える必要があると思います。
私たちあいち刑事事件総合法律事務所は万引き事件についても豊富な相談実績や弁護活動の経験があり、1件1件の相談や事件に対し二度と万引き事件を起こさないためにはどのようにすればよいのか、当事者の方の話に耳を傾け一緒になって真剣に考えてまいりました。
刑事罰を受けながら万引きを繰り返してしまっている方、万引きをしたのは初めてであるが今後の再犯が怖い方など、是非万引き事件に豊富な経験を持つあいち刑事事件総合法律事務所の弁護士に是非一度ご相談ください。
愛知県の万引き事件 窃盗罪の再犯事件に強い弁護士①
【事例】
愛知県名古屋市中区在住の70代女性Aさんは、スーパーに買い物に行った際に万引きをしていたところをスーパーの警備員に発見され、現行犯逮捕されました。
Aさんは後日釈放されますが、検察官から起訴することを告げられて弁護士を探すように言われました。
Aさんは5年前にも同様に万引き事件を起こして懲役1年執行猶予3年の判決を受けたことがあり、今回の裁判で執行猶予を獲得できるのか、見通しが心配になりあいち刑事事件総合法律事務所の弁護士に相談しました。
(事例はフィクションです)
この事例を基に、万引き事件の再犯事件についてあいち刑事事件総合法律事務所の弁護士が解説します。
万引きの再犯と量刑
万引き事件は全国で検挙される刑事事件の中でも、非常にその割合が多い事件になります。
そして万引き事件は再犯、すなわち一度事件を起こした方が再度事件を起こしてしまうケースが多いことや万引き事件を起こす方のうち高齢者の方の割合が多いことも特徴の一つです。
万引きの被害に遭ったお店は、商品がなくなるなった損害だけではなく、警備体制の見直しをしたり犯人確保のために人員を割いたりと、経営にも関わる重大な影響を受けます。
そのため万引き事件、特に再犯をした者に対しては、初犯の場合と比較して厳しい刑事罰が見込まれます。
具体的には、万引き事件のうち、初犯であり、被害金額が小さく被害弁償が完了しているケースでは不起訴となり刑事罰を受けないこともありますが、再犯した場合や被害額が大きい場合、転売目的など目的が悪質な場合には罰金刑や懲役刑などの刑事罰が科される可能性が高くなります。
執行猶予と実刑
裁判を受け懲役刑を受ける場合、執行猶予が付されるかどうかが大きな問題になります。
執行猶予とは、簡単に言えば懲役刑などの有罪判決を受けた際に、すぐに刑務所に行かずに社会内で一定期間犯罪をせずに生活を送れば、刑務所に行かなくてもよいという制度になります。
反対に、執行猶予がつかずにすぐに刑務所に行かなければならない場合を実刑といいます。
執行猶予を付けられる場合については刑法25条以下に規定がありますが、この記事では詳細は割愛します。
万引き事件では初めて裁判を受ける場合には執行猶予付きの判決が出る可能性が高いですが、1度執行猶予付きの判決を受けている場合に、再度万引き事件を起こして起訴された場合には実刑判決を受けるリスクがかなり高くなります。
これは一度社会内で更生する機会を与えているにもかかわらず再度犯行を繰り返していることから、再犯をせずに社会内で更生すすることが困難であると裁判所が判断するためだと推測されます。
執行猶予獲得のための弁護活動
今回の事例のAさんも過去に執行猶予付きの判決を受けているため、執行猶予期間が明けているとはいえ、裁判において執行猶予を獲得することは容易ではないと思われます。
このようなケースでは被害者への被害弁償と、今後の再犯防止策を策定することが重要になります。
次回の記事では、万引き事件での再犯防止策と、それをどのように裁判で訴えて行けばよいかについて解説させていただきます。
