執行猶予中の再度の万引き事案 裁判後に再犯しないように弁護士がサポートをさせていただきます

【事例】
Aさんは、現在75歳ですが、スーパーで食料品や衣料品を万引きしたことが発覚し、窃盗罪で逮捕されてしていました。
Aさんの万引きは今回が初めてではなく、5回目で、今回の件の5カ月前に執行猶予付きの判決が下されていました。
Aさんは、前回の裁判で執行猶予の判決を受けた際、裁判官から「次同じようなことがあった場合、あなたは刑務所に行くことになります。十分に気を付けて生活をしてください」と言われて、「もう絶対にやりません。」と答えていました。
しかしAさんは、裁判後に単独行動をした際、万引きの衝動をどうしても抑えることができず、今回の万引きを行っていました。
Aさんは、10日間の勾留後、無事に保釈されましたが、今後の裁判や服役後の生活をどうすればよいか心配になり、裁判を担当してくれる弁護士に相談することとしました。
(事例はフィクションです)

この事例をもとに、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所であれば、どのようなサポートをAさんにして差し上げられるか、解説します。

再度の執行猶予について

まず事例のAさんが再度猶予判決を受けることは可能でしょうか。
執行猶予中に再犯をした場合に再度執行猶予付きの判決を得るためには、再度の執行猶予(刑法25条2項)の要件を満たす必要があります。
現状の刑法においては再度の執行猶予の要件は以下の通りです。

①前の刑について執行猶予期間中の者で、保護観察に付せられていない者
②今回、言い渡される刑が「1年以下の懲役又は禁錮」である
③情状に特に酌量することがある

ただし刑法改正により今後②の要件が「1年以下の懲役又は禁錮」から「2年以下の拘禁刑」と緩和されるようになります。
拘禁刑と懲役刑・禁錮刑の違いについては別の記事で解説させていただきますが、再度の執行猶予の要件は一部緩和されています。

しかし、いずれにせよ再度の執行猶予を得られるかどうかについて最も重要なのは③の情状に特に酌量するべき点があるといえるかどうかです。
万引き事件において再度の執行猶予を獲得している例を見ると次のような要素が、「特に酌量すべき事情」として考慮されてているようです。

・摂食障害の影響が認められ、専門的な治療を開始している
・被害者との間で示談が成立している
・今後の更生支援計画が策定され、裁判後の社会内での再犯可能性が低くなっている

もちろんこれらの事情が全てある場合でも、必ず再度の執行猶予判決が得られるわけではありません。
ですが、重要なのは再度万引きをしないようにするためにはどうすればよいのかを真剣に考え、上記の事情など有利な事情を積み上げて、それを適切に裁判所に伝えることです。
そのためには専門機関との協力が必要な場合、お店への対応が必要な場合、ご家族の協力が必要な場合と事件によって、当事者の方の特性によっても様々です。
再度の執行猶予に関しては弊所の窃盗事件専門サイトにも詳しく解説をしていますので、より詳しい解説を読みたい方はこちらも参考にしてください。

あいち刑事事件総合法律事務所では、今後の再犯防止と真の更生のために必要な対策を実施し、そのためには社会内での更生が相当であることを裁判所に訴えていきます。
場合によっては、後述するように判決後に再犯を防止するための弁護士による支援計画や更生計画について作成し、それを公判で証拠として提出させていただくことも可能です。
それらの弁護活動の結果として、あいち刑事事件総合法律事務所では執行猶予中に万引きの再犯をしてしまったケースでの再度の執行猶予判決や、1度執行猶予を受けている方について2度目の執行猶予判決を得た多数の実績があります。
また、窃盗症・クレプトマニアが疑われる方の詳しい弁護活動の内容についてはこちらのページも参考にしてください。

判決後の再犯防止のサポートについて

万引きを繰り返し裁判にまでなってしまった場合、裁判の場では、ほとんどすべての方が「もう二度とやりません。」と証言します。そして、多くの人は、その場では本当にもう万引きをやりたくないと思っているところでしょう。
しかし、執行猶予判決が出ているにもかかわらず、万引きの衝動や欲求を抑えることができず、万引きを繰り返してしまう方がいます。盗んだ物を捨ててしまったり、人にあげたり、クローゼットに隠すなど、盗んだ物を使わない方も多いです。そのような方は、物が欲しくて万引きするのではなく「万引き」という行為自体に依存してしまっています。その衝動は、もしかしたらクレプトマニア(窃盗症)よるものかもしれません。
クレプトマニアは精神疾患の一種と位置付けられています。
このようなクレプトマニアの疑いがある場合には専門のクリニックで診察を受けることが重要ですが、少しでも再犯の可能性を下げるため、家族や専門家といった誰かのサポートが必要となってきます。
今回のAさんの場合、執行猶予判決後5カ月で万引きを行ったことになるので、万引き行為に対する依存性が心配されます。そこでクレプトマニアを専門にする精神科などの病院に通院することが考えられます。
しかし、万引きは、ふとした瞬間に起こしてしまう犯罪であり、四六時中Aさんの監督をすることを専門医に期待することは現実的ではありません。
より再犯のリスクを下げるためにはAさんを支えることができる人物が多いに越したことはありません。

あいち刑事事件総合法律事務所の更生支援に向けた顧問契約

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、今回のAさんのように、再犯することなく窃盗症を克服する必要のある方のために、更生支援を目的とする顧問契約を用意しています。
この顧問契約は、顧問の期間中に、何か困ったことや不安があった場合に、いつでも弁護士に相談して、アドバイスを受けることができるというものです。
またご希望される方に対しては担当中に聴き取った万引きをしてしまう原因等に応じて、再犯を起こさないための計画を一緒に立てさせていただきます。
その際に顧問契約の期間中に実施する課題についても、担当弁護士が事件を起こされた方に合わせてオーダーメイドで作成させていただきます。

万引きをした方の裁判を数多く担当した弁護士が専門的な立場からアドバイスや定期的な監督をすることで、再犯をすることなく窃盗症克服や真の更生に向けて精一杯サポートをいたします。ご関心があれば、いつでもお問い合わせください。

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