
はじめに~出所の形は一つではありません~
ご家族が刑務所での刑期を終え、社会に戻ってくる際、出所の形態には大きく分けて「満期出所」と「仮釈放」の2種類があります。
どちらも社会復帰を意味しますが、その後の生活や再犯防止への取り組みにおいて、両者には大きな違いがあります。特に、仮釈放後に課される「保護観察」は、更生支援のための重要な制度である一方で、本人の自由を一部制限する側面もあります。
以下ではは刑事事件の当事者の方々がよりスムーズに社会復帰できるよう、それぞれの制度のメリットとデメリット、そして更生支援との関わりについて詳しく解説します。
1.満期出所と仮釈放の基本的な違い
「満期出所」とは、判決で言い渡された期間の全てを刑務所等で過ごしてから釈放されることです。文字通り「刑務所のお勤めが満了した」状態であり、出所と同時に完全に自由な立場に戻ります。
【デメリット】:最大のデメリットは、公的な更生支援や再犯防止のためのサポート体制がゼロになることです。仕事や住居が確保できていない場合、孤立しやすく、再犯のリスクが高まるという深刻な問題があります。
「仮釈放」は、刑期の途中で更生保護委員会の審査を経て許可されるもので、残りの刑期を「保護観察」のもとで社会生活を送る制度です。
【メリット】:最大のメリットは、更生支援の手厚さにあります。保護観察官や保護司と呼ばれる専門家が、仕事探しや生活環境の調整、再犯につながる問題の解決をサポートします。これは、再犯防止に非常に有効なシステムです。
2.仮釈放後の「保護観察」が果たす役割と遵守事項
保護観察こそが、仮釈放の核となる部分であり、再犯防止のための最も重要な公的な更生支援です。具体的には次のようなものです。
(1)生活環境の調整
住居や仕事がない場合、保護観察所が関係機関と連携し、就労支援や住居の確保をサポートします
(2)専門的な指導
薬物依存やギャンブル依存など、再犯につながりやすい問題がある場合、その特性に応じた専門的なプログラムや面接指導を受けられます。
(3)精神的な支え
定期的な面接を通じて、生活上の悩みや困難を相談できる相手(保護観察官・保護司)がいることは、出所後の孤立を防ぐ上で非常に大きな力になります。
このように保護観察のメリットがある一方、守らないといけないルールがあります。
保護観察中は、社会の秩序を守るために「遵守事項」が課せられます。これは、更生を確実にするための重要なルールです。遵守事項は2種類あります。
(1)特別遵守事項
事件の内容や本人の特性に応じて、個別具体的に課せられるルールです。(例:特定の人物との接触禁止、薬物依存治療プログラムへの参加、飲酒の禁止など)
(2)一般遵守事項
すべての人に共通で課せられるルールです。(例:住居を変えるときは事前に許可を得る、面接の呼び出しに応じる、犯罪をしないなど)
これらの遵守事項を破ったり、再び犯罪を犯したりした場合、仮釈放が取り消され、残りの刑期を刑務所で過ごす「再収容」となるリスクがあります。
3.弁護士による更生支援
再犯防止のためのサポートについて、満期出所であろうと仮釈放であろうと、出所後の生活設計と再犯防止への取り組みは不可欠です。私たち弁護士は、刑務所入所中から出所後を見据えた更生支援を多角的に行っています。
①仮釈放に向けた環境調整の徹底
仮釈放の許可を得るため、弁護士は身元引受人との調整、就職先の確保など、保護観察をスムーズに開始するための環境整備を、刑務所と保護観察所の双方に明確に示します。
②出所後の更生計画策定支援
再犯防止は、精神論ではなく具体的な計画が必要です。弁護士は、本人の犯罪傾向を分析し、保護観察官や保護司と連携しながら、「いつまでに」「何をするか」を明確にしたロードマップ(例:職業訓練の受講、依存症治療への参加、借金返済計画など)の策定を支援します。
③保護観察期間中のトラブル対応
万が一、保護観察の遵守事項に違反してしまい、再収容の危機に瀕した場合、弁護士は本人の状況を更生保護委員会に説明し、再収容を避けるための弁護活動を行います。更生意欲があるにもかかわらず、やむを得ない事情で違反してしまったケースなどで、生活の立て直しをサポートします。
結びに変えて~重要なのはどちらを選ぶかではなく、どう更生するか~
「満期出所」は自由ですが、孤立のリスクがあります。
それに対して「仮釈放」は保護観察という制限がありますが、更生支援というセーフティネットがあります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士による更生支援は、依頼者の方の状況に応じて、仮釈放を目指すための最善のサポートを行い、仮釈放が難しい場合でも、満期出所後の再犯防止のための計画づくりを支援します。
更生とは、罪を償い、社会の中で生きる力を再び獲得することです。その道筋を、弁護士という専門家と一緒に歩むことが、確実な社会復帰への最短ルートとなります。
再犯の連鎖を断ち切り、新しい人生を踏み出したいと願う皆様とご家族を、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所はは全力でサポートいたします。
そのために服役中のサポートや早期の仮釈放に向けたサポートを行う更生支援に関する顧問弁護士活動を行っています。また初回相談は無料にて実施しています。是非一度お問い合わせください。
