
万引きは「軽い犯罪」と思われがちですが、再犯率が非常に高いといわれていて、放置すると逮捕・起訴・前科という深刻な事態に発展する場合もあります。本記事では、万引き再犯事件を例に、本人・家族が取るべき行動と弁護士によるサポートの全体像をわかりやすく解説します。
1 万引き再犯の現実――なぜ繰り返してしまうのか
万引きは刑法上、窃盗罪(刑法235条)に該当し、10年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科される立派な犯罪です。
しかし、初犯であれば多くの場合は示談交渉や被害弁償によって、微罪処分や不起訴処分、罰金刑で終了することも多いため、「今回だけは許してもらえた」という安堵感が生まれやすい側面があるのかもしれません。
問題は、その後です。警察庁の統計によれば、窃盗犯の再犯率は全刑法犯の中でも特に高くなっています。万引きを繰り返す背景には複合的な要因が絡み合っていると考えられます。
以下に万引きを繰り返してしまうケースでよくみられる原因について類型ごとに解説させていただきます。
●依存・衝動制御の問題
クレプトマニア(窃盗症)と呼ばれる精神疾患が背景にある場合があります。意志の力だけでは止められないケースも。
●経済的・生活上の困窮
生活費の不足、孤立、住居不安定などの環境要因が犯行の引き金となっていることがあります。
●家族・社会的サポートの不足
孤独感や家庭内のコミュニケーション不全が、問題行動に拍車をかけるケースも少なくありません。
●前回の反省が形骸化
「謝れば終わり」「お金を払えば終わり」という経験が根付き、再発防止に向けた具体的な行動変容が伴わなかった場合に再犯しやすくなります。
通常、再犯になると初犯と比べて処分が重くなります。2度目の犯罪となれば、不起訴処分や略式起訴での罰金刑では済まずに正式起訴されて執行猶予付きの有罪判決を受ける可能性が高まるなど、就職・資格取得・海外渡航など生活面への影響が長期にわたる可能性も高まります。早期に弁護士へ相談することが重要です。
2 再犯防止のために本人・家族が今すぐできること
① 事件直後に取るべき行動
万引きで再び逮捕・検挙された場合、初犯のときよりも迅速かつ的確な対応が必要です。警察から連絡を受けた段階で、まず以下の行動を優先してください。
・弁護士への即時連絡
——逮捕後72時間以内に弁護士を選任することで、取調べへの適切な対応や身体拘束の解放(釈放)に向けた活動を早期に始められます。
・被害店舗・被害者への速やかな謝罪と弁償
——再犯であっても、被害者との示談成立は検察官や裁判官の判断に大きく影響しえます。弁護士を通じた誠実な被害弁償が重要です。
*謝罪が重要である反面、加害者側から被害者側への連絡は罪証隠滅と疑われる恐れもありますので弁護士や捜査機関に連絡の可否を確認してから対応されることをお勧めします。
・家族による身元保証の準備
——本人が社会に戻れる環境があることを示すため、家族が監督を約束し、検察・裁判所に誓約する体制を整えます。
・再犯原因の正直な検討
——なぜまた繰り返してしまったのかを本人と家族が率直に向き合う機会を設けます。精神的な問題が疑われる場合は専門医への受診を検討します。
② 釈放後・執行猶予中に取り組む再犯防止策
逮捕・処分という危機をどうにか乗り越えた後が、実は最も重要な局面です。「二度とやらない」という決意を具体的な行動計画に落とし込まなければ、再び同じ過ちを繰り返すリスクは消えません。再犯防止策の具体異例としては以下の通りです。
・クレプトマニア(窃盗症)の可能性がある場合は、精神科・心療内科への通院治療を開始する
・自助グループ(万引き依存症の回復グループ)や専門カウンセラーによる継続的な支援を受ける
・家族・保護者が定期的に生活状況を確認し、孤立させない環境を作る
・経済的困窮が背景にある場合は、生活保護・就労支援・社会福祉制度を活用する
・執行猶予期間中、特に保護観察が付された場合、その遵守事項を厳守し、保護観察官との面談に誠実に応じる
・次回万引きした際のリスク(実刑・刑期の長期化)を常に意識し、日常生活の「危険ゾーン」を避ける習慣をつける
ポイント:再犯防止は「気持ちの問題」だけでは不十分です。環境を変える・専門家に繋がる・支援制度を活用するという三つの柱を同時に進めることが、持続的な更生への近道です。
次回の記事では具体的な事例における弁護士による更生に向けた支援について事件の流れに沿って詳しく解説させていただきます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件を起こした方の真の更生を目指して、再犯防止、社会復帰、更生に向けた支援活動を刑事事件が終了して処分や判決を受けた方に対しても行っています。
顧問契約という形で再犯防止策の策定や継続、早期仮釈放に向けた内省を深めるための課題の実施や社会復帰に向けた環境の整備をお手伝いさせていただきます。
窃盗事件を繰り返してしまいお困りの方や今後の更生に不安を抱えておられる方は是非一度更生支援に力を入れている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
初回相談無料で対応させていただきます。
