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愛知県の窃盗事件 窃盗罪の再犯事件に強い弁護士②
【前回の事例】
愛知県名古屋市中区在住の70代女性Aさんは、スーパーに買い物に行った際に万引きをしていたところをスーパーの警備員に発見され、現行犯逮捕されました。
Aさんは後日釈放されますが、検察官から起訴することを告げられて弁護士を探すように言われました。
Aさんは5年前にも同様に万引き事件を起こして懲役1年執行猶予3年の判決を受けたことがありました。
(事例はフィクションです)
今回はこの事例を基に、窃盗罪の再犯事件での実際の弁護活動についてあいち刑事事件総合法律事務所の弁護士が解説します。
再犯防止策の策定
万引き事件に限らず、再犯防止策を策定していくにあたって一番重要なことは、事件を起こした理由や原因、背景が何かを考えることです。
今回のケースであればAさんは高齢なので認知症の影響があったのかもしれません。またお金に困って節約をしようと万引きが癖付いたのかもしれません。その他にも最近よく言われているクレプトマニアの影響があったのかもしれません。
事件の原因が何かによって、再犯を防ぐための具体的な方策は変わってきます。病気が原因であれば投薬などの治療が必要かもしれませんし、原因によっては第三者と一緒に生活するなどしなければ再犯を防ぐことが難しい場合もあります
そして万引きをしてしまう原因や背景を当事者だけで考えていくのは非常に難しいです。
窃盗罪の再犯事件に精通した弁護士は多くの事件を経験しているので、万引きを繰り返してしまうのが精神的な原因によるものなのか、病気が原因なのか、環境に問題があるのかなど具体的なケースに応じて一緒に考えていくことが可能になります。
そうして原因や背景がある程度わかって初めて、具体的な再犯防止策の策定に入ることができます。
環境の要因に対しては、ネットスーパー等を利用して1人では買い物に行かない、同居する家族が家にあるものとレシートなどを照らし合わせるなどの対策が考えられます。
また認知症やクレプトマニアなどが疑われる場合には、それぞれの症状に合わせた専門機関を受診し、治療や再犯防止プログラムを受ける必要があります。
どのような専門機関の受診が必要かについても、是非刑事事件に精通した弁護士にご相談ください。
裁判所における弁護活動
裁判所における弁護活動では、事例のAさんが万引きをしてしまった原因や背景を裁判官に理解してもらった上で、策定した再犯防止策が効果を上げていること、今後の対策によって再犯の危険がないこと、刑事施設で刑罰を受けることより社会内で更生することがより再犯防止に資することなどを理解してもらう必要があります。
特に一度執行猶予判決を受けているにもかかわらず再犯をして起訴されている場合には、特に上記の点についてしっかり主張することが必要です。
裁判所で話すことは緊張すると思いますが、事前にこちらから話す内容や、検察官や裁判官から聞かれることが予想される内容についてもしっかりと答えられるように、綿密に準備をして臨むことが大事になります。
認知症やクレプトマニアの影響があることを主張する場合には、専門家の方に証人として出廷してもらう必要がある場合も考えられます。
あいち刑事事件総合法律事務所では、過去に執行猶予判決を受けた経験がある事件での執行猶予獲得、執行猶予中の再犯の場合の再度の執行猶予獲得の実績があります。
万引き事件での更生と弁護士
これは私の考えですが、再犯防止策は裁判のために行う付け焼刃のもの、今後継続不可能なものではあってはならないと思っています。
たとえ万引き事件を再び起こしてしまったとして、裁判が終わった後も、その方や周囲の方の人生は続いていきます。
裁判で有利な判決を得るためにという目的では、裁判でたとえ有利な結果を得たとしても、対策が続かずまた再犯に及んでしまうかもしれません。
そうならないためには、ご本人様はもちろんご家族を始め本人の周囲の人間も一緒になって、今後再犯をしないために何が必要か、どのような生活を送っていけばいいかについて真剣に考える必要があると思います。
私たちあいち刑事事件総合法律事務所は万引き事件についても豊富な相談実績や弁護活動の経験があり、1件1件の相談や事件に対し二度と万引き事件を起こさないためにはどのようにすればよいのか、当事者の方の話に耳を傾け一緒になって真剣に考えてまいりました。
刑事罰を受けながら万引きを繰り返してしまっている方、万引きをしたのは初めてであるが今後の再犯が怖い方など、是非万引き事件に豊富な経験を持つあいち刑事事件総合法律事務所の弁護士に是非一度ご相談ください。
愛知県の万引き事件 窃盗罪の再犯事件に強い弁護士①
【事例】
愛知県名古屋市中区在住の70代女性Aさんは、スーパーに買い物に行った際に万引きをしていたところをスーパーの警備員に発見され、現行犯逮捕されました。
Aさんは後日釈放されますが、検察官から起訴することを告げられて弁護士を探すように言われました。
Aさんは5年前にも同様に万引き事件を起こして懲役1年執行猶予3年の判決を受けたことがあり、今回の裁判で執行猶予を獲得できるのか、見通しが心配になりあいち刑事事件総合法律事務所の弁護士に相談しました。
(事例はフィクションです)
この事例を基に、万引き事件の再犯事件についてあいち刑事事件総合法律事務所の弁護士が解説します。
万引きの再犯と量刑
万引き事件は全国で検挙される刑事事件の中でも、非常にその割合が多い事件になります。
そして万引き事件は再犯、すなわち一度事件を起こした方が再度事件を起こしてしまうケースが多いことや万引き事件を起こす方のうち高齢者の方の割合が多いことも特徴の一つです。
万引きの被害に遭ったお店は、商品がなくなるなった損害だけではなく、警備体制の見直しをしたり犯人確保のために人員を割いたりと、経営にも関わる重大な影響を受けます。
そのため万引き事件、特に再犯をした者に対しては、初犯の場合と比較して厳しい刑事罰が見込まれます。
具体的には、万引き事件のうち、初犯であり、被害金額が小さく被害弁償が完了しているケースでは不起訴となり刑事罰を受けないこともありますが、再犯した場合や被害額が大きい場合、転売目的など目的が悪質な場合には罰金刑や懲役刑などの刑事罰が科される可能性が高くなります。
執行猶予と実刑
裁判を受け懲役刑を受ける場合、執行猶予が付されるかどうかが大きな問題になります。
執行猶予とは、簡単に言えば懲役刑などの有罪判決を受けた際に、すぐに刑務所に行かずに社会内で一定期間犯罪をせずに生活を送れば、刑務所に行かなくてもよいという制度になります。
反対に、執行猶予がつかずにすぐに刑務所に行かなければならない場合を実刑といいます。
執行猶予を付けられる場合については刑法25条以下に規定がありますが、この記事では詳細は割愛します。
万引き事件では初めて裁判を受ける場合には執行猶予付きの判決が出る可能性が高いですが、1度執行猶予付きの判決を受けている場合に、再度万引き事件を起こして起訴された場合には実刑判決を受けるリスクがかなり高くなります。
これは一度社会内で更生する機会を与えているにもかかわらず再度犯行を繰り返していることから、再犯をせずに社会内で更生すすることが困難であると裁判所が判断するためだと推測されます。
執行猶予獲得のための弁護活動
今回の事例のAさんも過去に執行猶予付きの判決を受けているため、執行猶予期間が明けているとはいえ、裁判において執行猶予を獲得することは容易ではないと思われます。
このようなケースでは被害者への被害弁償と、今後の再犯防止策を策定することが重要になります。
次回の記事では、万引き事件での再犯防止策と、それをどのように裁判で訴えて行けばよいかについて解説させていただきます。