推しへの投げ銭がきっかけとなった特殊詐欺の事例における弁護士の更生支援について

1 投げ銭について

皆様は、「投げ銭」というものをご存知でしょうか。
元々の発祥は、大道芸人などに観客がお金を払う行為が元となっているようですが、最近は、インターネット上で、いわゆる「推し」に電子マネーやポイントをプレゼントするような活動としての使い方の方が多いように思われます。
このブログを作成している現時点では、特に若い方の間で行われる行為なので、そういった人たちの親世代には、何がしたくてそんなことをしているのか解らないかもしれません。
しかし、好きなアイドルを応援するために、ライブへ足繁く通い、グッズもたくさん買って、そのアイドルのためにお金を使うという行為は、親世代にもよくみられたことと思います。そうした活動がインターネットで簡単にできるようになったバージョンとでも考えると、多少は解りやすくなるかもしれません。

さて、このインターネットの投げ銭は、アイドルを応援しているものくらいの感覚で放っておいて良いのでしょうか。
もちろん穏便な趣味として行なっている分には誰も口を挟むべきではないのでしょうが、度が過ぎてしまった場合にはこの投げ銭がきっかけで犯罪行為に至ってしまう例もあります。
なお消費者庁のHPでも近年のいわゆる「推し活」や「投げ銭」に関する注意喚起がありますのでこの記事をきっかけに心配になった方や興味を持たれた方は、こちらの消費者庁のHPもご覧ください。

2 投げ銭がきっかけとなって起こしてしまった特殊詐欺事件

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の扱った事件として、次のようなものがあります。
なお、個人情報保護の観点から事例の内容などについて一部改編を加えています。

事件を起こすことになる少年Aさんはかねてからいわゆる「推し」、応援している人に投げ銭をしているうちに親のクレジットカードを使って合計で給料数ヶ月分の投げ銭をしてしまいました。
そのことが親に発覚し、怒られてクレジットカードの使用を禁止されてしまいました。
Aさんはそれでも推しを応援するための金銭を得るためにいわゆる「闇バイト」、特殊詐欺に関与してしまったという事例です。
特殊詐欺については、こちらの記事でも解説していますが、少年院に送致されるリスクが非常に高い事案になります。

弊所では、このような事案においても実刑回避・少年院回避といった結果を実現してしました。
弁護士は、事件を起こしてしまった方としっかり会話をして、更生のためには何が必要か、一緒に考えるようにしています。
今回のような浪費から事件を起こしてしまった方には、浪費を始めてしまったきっかけは何か、浪費を防ぐにはどうすればよいかなどについてとことん話をするようにします。
更生に向けた対話をを進めていく上では、少年の話にもしっかりと耳を傾けて浪費や事件の関与に至ってしまった背景についてしっかりと聴き取りを行います。
このように投げ銭などの浪費がきっかけとなった事件においては、例えばお金の出入りをまとめてみることです。まずは簡単な「お小遣い帳」から始めてみるので構いません。お小遣いが月3万円だとして、食費、友達と遊ぶお金、推しを応援するためのお金、どれだけの出費が必要か考える、これだけでもこれまでのお金の使い方について反省する大きな第一歩になります。
このような考え方は、犯罪を起こすきっかけにギャンブルでの浪費や買い物での浪費がある方にも必要な考え方かと思います。

3 事件後の更生支援について

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、近年の若い人が投げ銭の末に起こしてしまう刑事事件も豊富に扱っております。
「子供が特殊詐欺をしてしまった、なぜそこまでしてお金が欲しいのか解らない」「子供が万引きをした、節約したかったというけど他に削れる出費があるはずなのに、どうして」とお悩みの方は、ぜひ弊所までご連絡ください。
特殊詐欺であっても、万引きであっても、他の犯罪であっても、充実した刑事弁護を行うとともに、一緒に更生のために必要なことを考えていくことができます。

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