夏休み期間に刑事事件の当事者にならないようにするために① 闇バイト編(前編)

1 夏休みに犯罪の当事者にならないように

当サイトでは主に事件を起こしてしまった方の弁護活動や更生支援に関して記事で取り上げてきました。
しかし、当事務所一番の願いとしては犯罪に関わる方が一人でも少なくなることです。
刑事事件に関わってしまう方の中には十分な知識や正しい倫理観が足りなかったことで、刑事事件の加害者になってしまい予想外に(あくまで本人様の基準ですが)重い刑事罰を受けることが少なくありません。特に高校生や大学生などの若い方に多いです。
これから高校や大学の夏休みが始まる方も多いかと思いますが、夏休み期間はいつもは関わらない人と関わったりや一人で過ごす時間が長くなったりと犯罪に関わってしまうリスクが大きくなる時期とも言えます。
そこで、今回から当事務所に実際に相談があったケースの中で、特に軽い気持ちで関わってしまったにも拘らず重い刑事処分が見込まれるケースを例に犯罪に関わらないないためにどのような点に留意していただきたいかについて解説させていただきます。

2 闇バイトの恐ろしさ

【事例】
Aさんは高校3年生でしたが夏休み遊ぶ金お欲しさにSNSで「バイト 簡単に稼げる」と検索しました。
Aさんはそこで知り合ったBさんから、家を訪問して荷物を受け取るだけの簡単な仕事で1回あたり3万円稼げると言われ、軽い気持ちで個人情報を送りバイトに応募しました。
実際にBさんから指示された仕事は高齢者からキャッシュカードを騙し取ると聞かされ怖くなりましたが、Bさんから仕事できないのなら損害を賠償してもらう、それが出来なければ家族がどうなってもいいのかと脅されて実行してしまいました。
それからAさんはBさんから言われるまま特殊詐欺を実行してしまい、最初にばれずにお金をもらえたことから、調子に乗って合計で5回も詐欺行為に参加してしまいました。
最終的にAさんは通報を受けた警察官に逮捕されて、最終的に少年院に行くことになってしましました。
(事例はフィクションです)

このようにSNSで知り合った人や友人からの誘いで特殊詐欺などの犯罪の実行をする闇バイトに参加してしまう方は少なくありません。
その大部分が事例のAさんのように、「楽にお金が稼げれば」といった安易な動機によるもので、特に重大な犯罪に関わろうとまではしていない人がほとんどです。
しかしながら事例で挙げた特殊詐欺は被害額が100万円を超えることが珍しくなく、非常に重い犯罪になります。
その一方で報酬は被害額からして非常に小さい額なので、重大な犯罪をしているという感覚がない方も少なくありません。
当然そのような認識に関わらず重大な犯罪に関わっていることになるので、犯罪に関わるのが初めての方でも未成年であれば少年院送致、成人していれば実刑判決を受けるケースが非常に多いです。
特殊詐欺事件で少年院送致を回避するための弁護活動についてはこちらの記事も参考にしてください。

このように闇バイトに軽い気持ちで参加してしまえば、その内容によってはいきなり少年院や刑務所に行くことになり人生が一変してしまうおそれがあるのです。軽い気持ちだったのに、そんなに重い犯罪になるとは思っていなかったのにと後から後悔してもしきれない方を問う事務所でもたくさん見てきました。
闇バイトに関してはこちらの警察庁のページでも注意喚起がされています。

次回の記事では実際に募集されている闇バイトの内容やそれに成立する犯罪、闇バイトを通じた犯罪に関わらないための方策について解説させていただきます。

あいち刑事事件総合法律事務所では出張授業についても行っています。
この記事の内容のように、犯罪防止のために講演や出張授業を希望される方、興味がある方は是非お気軽にこちらのページからお問い合わせください。

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