【事例紹介】大麻所持の少年事件で、少年に対する働きかけが奏功し不処分を獲得した事例①

【事例】
17歳のAさんは、同級生の友人と一緒に大麻を使用していました。
ある日、その友人と一緒に遊んでいた際に警察官から職務質問を受けて、Aさんは、友人と一緒に大麻を所持していることが発覚して逮捕されてしまいました。
その後Aさんはあいち刑事事件総合法律事務所に弁護を依頼し、最終的には家庭裁判所で開かれた少年審判において「不処分」の判断を得る事ができました。
(プライバシー保護のため事案を簡略化しています)

以上の事例は、実際に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所で担当した事件をもとにした成功事例の一つです。
今回の記事では少年事件と成人している者の刑事事件では最終的な処分の内容にどのような違いがあるのか、今回の事例において当事者の少年に処分によってどのような不利益があるのか解説させていただきます。

少年事件での処分について

まずAさんは、20歳未満です。通常、犯罪行為をした場合には罰金を支払ったり刑務所に入ったりと刑罰を受けることになりますが、Aさんのような未成年者の場合、刑罰とは違った処分が見込まれます。
20歳以上の大人に対しては、自分がした犯罪行為に対して刑罰という報いを受けさせることになるのですが、20歳未満で犯罪をしてしまった人(刑事手続では少年と言います。)に対しては刑罰ではなく保護処分という教育的アプローチをとることになります。
もっとも教育的アプローチといっても、例えば少年院など少年自身を社会から隔離するなど、厳しい処分になることもありますので、刑罰でないから安心とはいえません。

保護処分には先ほど説明した少年院に収容する処分の他に、これまで通りの社会生活を送りながら定期的に保護司という方の下に通い、更生をサポートしてもらう保護観察という処分もあります。
そして審判を開いた結果、これらの保護処分を科さないという決定をすることを「不処分」といいます。
少年事件で受ける処分や少年事件の流れについてのより詳しい説明についてはこちらのページを参考にしてください。

保護処分によるAさんへの不利益について

Aさんは、今後、留学をする予定だったのですが、少年審判で不利益な処分を下されると、留学に支障が出かねません。
特に少年院に収容するという処分が決定されればその期間に留学をすることは不可能になります。
また保護観察処分となった場合でも定期的に保護司との面談が必要なので、保護司の方との話し合いにはなりますが保護観察中の留学が制限されてしまう可能性もあります。
特に大麻に関わった少年の場合、大麻との隔離が求められますので、例えば大麻の使用が合法な国への留学は更生を阻害するとして認められ辛いかもしれません。
保護司との間で決められた約束(これを「遵守事項」といいます。)を破ると保護観察が取り消されて少年院に収容されるおそれもあります。
一度保護観察で決められた遵守事項はこのように厳格に扱われます。
そこで、Aさんは、何も処分を受けない「不処分」という結果を目指していくことになりました。

では、Aさんの事例では少年審判での不処分獲得に向けてどのような弁護活動を行ったのでしょうか。弁護活動の内容については次回の記事で詳しく解説させていただきます。
事例とは別の少年事件での弁護活動に関してはこちらの記事でも紹介していますので、興味のある方はご覧になってください。

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