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執行猶予の制度と執行猶予の取消しについて刑事事件少年事件に精通した弁護士が解説します③

【事例】
Aさんは、大阪府岸和田市に住む30代の女性です。
Aさんは、20代の頃から仕事でストレスを感じると万引きを繰り返してしまっており、何度か警察に捕まって罰金刑を受けたこともありました。
それにもかかわらず、Aさんは万引きを繰り返してしまい、今回、大阪地方裁判所岸和田支部で刑事裁判を受け、執行猶予付きの判決を言い渡されることになってしまいました。
裁判官から判決を言い渡される際にも、次に犯罪をしたら長期間刑務所に行くことになる可能性が高いという趣旨の話をされています。
その一方で、インターネットで調べると、再度の執行猶予という制度があることも知りました。
Aさんは、二度と犯罪はしないと思っていますので、執行猶予が取り消されるかもしれないという心配はする必要がないと思っています。
ただ、どのような場合に執行猶予の判決が取り消されるのかは気になってしまいました。
その一方で、Aさんの両親は、Aさんが現に繰り返してきていますから、このままではまた繰り返してしまうのではないかと心配しています。
そこで、万が一にも執行猶予が取り消されるようなことがないように、Aさんのためにできることはしておきたいと考えています。
Aさんと両親は、更生支援にも取り組んでいるということをインターネットで知り、あいち刑事事件総合法律事務所に相談に行くことにしました。
(事例はフィクションです)
1 はじめに
前回の記事では、Aさんや両親の疑問について解説していく前提として、執行猶予とできる条件は何かを解説してきました。
今回の記事では、その続きと、執行猶予の期間や執行猶予のバリエーションとして保護観察について解説していきます。
2 執行猶予とできる条件:「情状により」
前回の記事では、一度、拘禁刑の執行猶予の判決を受けた人であっても、取り消されることなく執行猶予の期間を満了すれば、仮にまた犯罪行為をしてしまったとしても、執行猶予となる可能性がある点を解説しました。
ただ、この場合に執行猶予となるハードルは低いものではありません。
執行猶予には、前回までに解説した条件のほかにも「情状により」執行猶予にできるのだという条件もあります。
例えば、Aさんが、1年の拘禁刑、3年間その執行を猶予するという判決を受けていたとします。
Aさんが3年間の執行猶予期間経過後に、何か新たに犯罪をしてしまったとしても、今一度執行猶予となる可能性はあります。
しかし、その新たにした犯罪がなにか、どのような理由でしてしまったのかなどといった「情状」の面で、執行猶予とはしないと判断されるかもしれないのです。
特に新たな犯罪がこれまでと同じ万引きであれば、執行猶予となるハードルはより一層高いものになるでしょう。
3 執行猶予の期間
執行猶予の期間としては、「裁判が確定した日から一年以上五年以下の期間」と定められています(刑法25条1項本文)。
この期間の中で、裁判官が妥当だと思う期間を設定することになります。
ただ、何年何か月などとは定めずに、年単位で設定することがほとんどです。
4 保護観察
また、執行猶予の期間中に「保護観察に付する」という決定をすることもできます(刑法25条の2第1項)。
保護観察に付されると、保護観察所のもと、様々な条件を守りながら生活する必要があります(更生保護法50条、51条等)。
保護観察に付された場合にはその条件に違反することで執行猶予が取り消されてしまう可能性があります。
次回の記事では、執行猶予の取消しについて解説していきます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事裁判での弁護活動や警察の捜査を受けている段階での弁護活動はもとより、刑事事件・少年事件に関わってきた経験を活かし、事件後の再犯防止に向けたサポートにも力を入れています。
具体的には、事件を起こしてしまった方の刑事手続きが終了した後、判決を受けた後についても顧問弁護士として事件を起こされた方の更生やご家族の不安に寄り添いながらサポートさせていただきます。
今後の再犯防止に不安のある方や実刑判決を受けてしまい仮釈放やその後の社会復帰に不安を抱えた方は是非一度相談してみてください。更生支援に豊富な経験を持つ弁護士が初回無料で相談対応をさせていただきます。
再犯防止や真の更生に向けた弁護士のサポートにご興味のある方は、一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
