執行猶予の制度と執行猶予の取消しについて刑事事件少年事件に精通した弁護士が解説します①

執行猶予の制度と執行猶予の取消しについて刑事事件少年事件に精通した弁護士が解説します①

ガベル

【事例】

Aさんは、大阪府岸和田市に住む30代の女性です。

Aさんは、20代の頃から仕事でストレスを感じると万引きを繰り返してしまっており、何度か警察に捕まって罰金刑を受けたこともありました。

それにもかかわらず、Aさんは万引きを繰り返してしまい、今回、大阪地方裁判所岸和田支部で刑事裁判を受け、執行猶予付きの判決を言い渡されることになってしまいました。
裁判官から判決を言い渡される際にも、次に犯罪をしたら長期間刑務所に行くことになる可能性が高いという趣旨の話をされています。

その一方で、インターネットで調べると、再度の執行猶予という制度があることも知りました。

Aさんは、二度と犯罪はしないと思っていますので、執行猶予が取り消されるかもしれないという心配はする必要がないと思っています。
ただ、どのような場合に執行猶予の判決が取り消されるのかは気になってしまいました。

その一方で、Aさんの両親は、Aさんが現に繰り返してきていますから、このままではまた繰り返してしまうのではないかと心配しています。
そこで、万が一にも執行猶予が取り消されるようなことがないように、Aさんのためにできることはしておきたいと考えています。

Aさんと両親は、更生支援にも取り組んでいるということをインターネットで知り、あいち刑事事件総合法律事務所に相談に行くことにしました。
(事例はフィクションです)

1 はじめに

Aさんや両親の疑問について解説していく前提として、まず今回の記事では、Aさんが言い渡されたような執行猶予とはそもそも何かについて解説していきます。

2 執行猶予とは

一般的に、単に執行猶予というときには、刑法25条1項に定められている制度のことを指すことが多いです。
この執行猶予というのは、刑の言渡しはするけれども、その刑の執行は一定期間猶予し、その猶予する期間を刑事裁判を受けることなく経過したときには、刑罰権を消滅させることとする制度をいうとされています。

ここでいう「刑の執行」というのは、刑を言い渡した判決が確定したときに、その判決の内容を実現させることをいいます。
つまり、拘禁刑を例にいえば、拘禁刑の執行とは実際に刑事施設に収容することとなります。

今回、Aさんが1年の拘禁刑で、その執行を3年間猶予するという判決を受けていたとします。
その場合、1年の拘禁刑だという刑の言渡しはするが、この1年の拘禁刑という刑を執行して、実際に刑事施設に収容することは、3年間という一定期間猶予し、この3年間を無事に経過すれば、この1年の拘禁刑を受けさせるという刑罰権は消滅するという意味だということになります。

3 執行猶予とできる条件

執行猶予がどのようなものか見てきましたが、どのような場合に執行猶予とできるでしょうか。

刑法25条1項の本文を見ると、まず、「三年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金の言渡しを受けたとき」と書かれています。
つまり、拘禁刑については3年、罰金刑については50万円と、執行猶予とすることができる上限が定められているのです。

また、拘禁刑だけではなく、罰金刑についても執行猶予とすることができるというのも、あまり知られていないのではないでしょうか。
もっとも、実際には罰金刑に執行猶予が付されることはほとんどないように思われます。

次回の記事では、この続きから解説していきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事裁判での弁護活動や警察の捜査を受けている段階での弁護活動はもとより、刑事事件・少年事件に関わってきた経験を活かし、事件後の再犯防止に向けたサポートにも力を入れています。
具体的には更生支援に向けた見守り弁護士活動、顧問弁護士活動を行っています。不良交友関係からの脱却や再犯防止に向けた課題の実施やアドバイスなど更生に向けた積極的な弁護活動を行っています。
再犯防止に向けた弁護士のサポートにご興味のある方は、一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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