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再犯をしないための弁護活動
このページからは事件の類型ごとに更生に向けた弁護活動を説明していきます。
当然被害が発生している事件では弁護士を通じて被害者の方と示談を締結することが重要になります。
しかしながら、仮に被害について示談をしてその件について軽い刑事処分を獲得できたとしても、再度犯行をしてしまっては元も子もありません。
そこで本サイトでは、事件を起こされた方が、今後再犯をせず、更生に向かっていくための弁護活動について詳しく説明させていただきます。
窃盗事件での公判弁護
(1)再犯防止のために
窃盗事件は一般的に再犯率が高い犯罪であるといわれています。
そこで窃盗罪における公判弁護活動では、裁判官にいかに有効な再犯防止策を策定していることを示していくことが重要になります。
そして有効な再犯防止策を策定するためには、窃盗事件を起こした方から丁寧に話を聞いて、事件に至った背景や原因を明らかにすることが重要です。まさに事件のことを振り返り原因や動機を理解することが再犯防止の第一歩になるのです。
窃盗事件というとお金に困った人がする犯罪という印象をお持ちかもしれませんが、お金に困っていないのにレジに並んで買うのが煩わしくて万引きしてしまう高齢者の方、摂食障害から食品を大量に盗んでしまう若年の方、友達から誘われて、ストレス発散目的で人のバイクなどを盗んでしまう学生の方など事件によってその背景や原因は様々です。
その原因や背景に合わせた再犯防止策をとっていく必要があります。
(2)生活状況の改善
生活困窮や交友関係が事件の背景や原因にある場合には、その状況を改善していくことが必要になってきます。
生活困窮から窃盗事件を起こした場合には、生活を立て直すことが必要になってきます。もし頼れるご家族の方やお知り合いの方がいた場合には、生活の援助をしてもらう、就労先を紹介してもらうなどすることが考えられます。
もしそのように頼れる方がいない場合にもあきらめる必要はありません。
都道府県では生活困窮者支援事業が行われており、地域生活定着センターなど適切な福祉機関につなぐことで生活を立て直し再犯のリスクを減らしていくことも可能です。
再犯防止のために被疑者の方と適切な福祉機関とをつなぐことも弁護士の重要な責務の一つです。
交友関係が関係している場合には、その交友関係を清算していく必要があります。
交友関係の清算は事件を起こした方一人では難しい場合もあります。その時には家族など周囲の人の協力を得て、長い目で監督を続けていく必要があります。
(3)疾患の治療
疾患が影響して窃盗に至るケースとしては、アルコール依存症、認知症、摂食障害などがあります。
なお窃盗症、クレプトマニアが影響しての犯行が代表的ではありますが、窃盗症が影響しての窃盗事件に関しては次のページで詳しく解説します。
アルコール依存症や摂食障害など治療が可能な疾病については専門的治療を受けられる施設での治療を早期に開始する必要が重要になります。
仮に事件を起こした方が捜査機関で身体拘束を受けている場合には、治療の必要性を裁判所に訴えるなどして、釈放を認めてもらうことが重要になります。
また診断名が出ない場合にもストレスなど精神的に不安定な状態になり犯行に至った場合にはストレス状態を軽減するためにカウンセリングに通うことも有用になります。
カウンセリングは短期的に受けるのみではなく長期的に通うことが再犯防止に必要な場合もあります。
どのような治療が有効か、どのような機関に相談するのが良いのかについては迷われる方がほとんどかと思います。
当事務所では多数の窃盗事件の公判弁護を担当してきており、1件1件の事件を再犯防止に導くことを目指して弁護活動を行ってきました。
まずは経験豊富な弊所の弁護士に一度ご相談してみてはいかがでしょうか。