性犯罪事件からの更生と再犯防止弁護士・専門機関が担う支援②

弁護士

前回の記事では性犯罪をしてしまった方の再犯防止や更生には大きなハードルがあり一人ではなかなか再犯防止が難しいことについて解説させていただきました。
今回の記事では再犯防止のためにどのような行動をとるべきかどのような専門機関に相談するべきかについてまず解説していきます。

1 本人・家族が取るべき再犯防止の行動

① 逮捕・検挙後の初動対応

弁護士への即時選任
性犯罪事件は被害者との接触を遮断するため長期勾留になりやすく、早急な弁護士選任が不可欠です。

被害者への謝罪・示談交渉の開始
被害者感情に最大限配慮しながら、弁護士を通じて誠実な謝罪と賠償の意思を示します。自らの判断で直接の接触は絶対に避けてください。

性犯罪者処遇プログラムへの参加意思表明
法務省が実施する「性犯罪者処遇プログラム」や民間の認知行動療法プログラムへの参加意思を示すことが、情状酌量に繋がります。

家族への状況説明と支援体制の構築
家族が事実を把握し、本人が治療を続けられる環境を整えるための話し合いが弁護士を交えて行えます。

② 釈放後・執行猶予中の具体的な再犯防止策

・性犯罪・性依存専門のカウンセリング・認知行動療法プログラムへの継続参加
・SAA(セックス・アディクツ・アノニマス)などの自助グループへの参加
・犯行に繋がっていた「トリガー」(時間帯・場所・アルコール等)を自覚し、意識的に避ける習慣づけ
・スマートフォン・PCの使用環境を見直し、再犯につながるコンテンツへのアクセスを物理的に制限する
・保護観察中の「特別遵守事項」(性犯罪者として課される特別条件)を厳守する
・再犯リスクを感じたときに連絡できる支援者(カウンセラー・保護司)との関係を維持する

重要な視点:性犯罪の更生において「被害者への影響を正面から向き合うこと」は必須のプロセスです。自分の行為が被害者に何をもたらしたかを正確に理解することなしに、認知の歪みは修正されません。これは刑事手続とは別に、治療プログラムの中核をなすものです。

2 弁護士によるサポートの全体像

最後にまとめとして、性犯罪事件で捜査が開始されてから将来の再犯防止のためにどのような活動をしていくのかについて全体像を解説させていただきます。

【捜査段階】接見禁止対応と適切な供述方針の決定

性犯罪事件では「被害者への接触・報復・口裁き」を防ぐために接見禁止が付されるケースもあり、家族すら面会できない状況が続く場合もあります。
弁護士は接見禁止の一部解除申立てや、取り調べにおける適切な供述方針(認める場合・争う場合それぞれ)のアドバイスを行います。

【示談交渉】被害者の意思を尊重した誠実な交渉

性犯罪の被害者は、加害者・その家族からの直接連絡を強く拒否することがほとんどです。弁護士が中立的な立場で被害者側弁護士と連絡を取り、被害者の意思を最優先にしながら謝罪・賠償の交渉を進めます。
示談成立は起訴猶予・執行猶予獲得において大きな意味を持ちます。

【治療プログラムとの連携】更生を「見える化」する弁護活動

弁護士は本人が性犯罪者向けの治療プログラム(認知行動療法・グループセラピーなど)に参加している事実を、通院記録・治療報告書などの形で裁判所・検察官に提出します。「治療を受けている」という事実は、単なる反省陳述よりも説得力のある更生の証拠として機能します。

【情状弁護】再犯防止計画の体系的な提示

裁判において弁護士は、①本人が認知の歪みを自覚していること、②専門治療への参加計画、③監督者となる家族の誓約、④職場・住居などの環境整備の状況を、体系的な再犯防止計画書として裁判所に提示します。
これにより、執行猶予や量刑軽減の可能性を最大化します。

【判決後・出所後】社会復帰と長期的な再犯防止の支援

性犯罪で有罪となった場合、刑の執行後も社会的なスティグマ(偏見・差別)によって社会復帰が困難になるケースがあります。
弁護士は出所後の就職・住居問題に関する法的アドバイスを行うとともに、保護観察・更生保護施設・地域の支援機関と本人を繋ぐ橋渡し役も担います。

利用できる専門治療・支援機関

法務省「性犯罪者処遇プログラム」(保護観察所実施)/SAA(セックス・アディクツ・アノニマス)/性依存症専門クリニック・精神科/更生保護施設/地域生活定着支援センター/保護観察所 ——弁護士はこれらの機関への紹介・連絡調整を行います。

まとめ——性犯罪の更生は「認知の変容」と「継続的治療」から

性犯罪からの更生は、「反省しています」という言葉だけでは実現しません。認知の歪みを専門的プログラムで修正し、衝動制御を身につけ、再犯リスクを自己管理できる力を養うことが、真の意味での更生です。

弁護士は刑事手続の中で最大限の弁護を行いながら、本人が治療プログラムと繋がり、社会に戻った後も再犯しない環境を整えるための伴走者として機能します。性犯罪事件でお困りの方・ご家族の方は、一人で抱え込まずに、まず刑事事件に強い弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では刑事事件のご相談、弁護活動はもちろん、更生支援事業部を設けて事件後の再犯防止や真の更生のサポートにも全力で取り組んでいます。
刑事事件でお困りの方も事件で処分が出た後の方もお気軽にご相談ください。初回相談は無料で対応させていただきます。

keyboard_arrow_up

0120631881 問い合わせバナー LINE予約はこちら