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逮捕
逮捕には、大きく分けて
- 通常逮捕(逮捕状を示して逮捕する場合)
- 緊急逮捕(重大犯罪かつ緊急を要する場合に逮捕状なしに逮捕する)
- 現行犯逮捕(現に犯罪が行われたこと及び犯人が明らかな場合にその場で逮捕する)
の3種類あります。
どの種類の逮捕の場合でも、逮捕してから48時間以内に、釈放するか検察官に送致するか決めなければなりません。
被疑者勾留
事件が警察から検察に送致されると、検察官が事件を受け取った時から24時間以内に、検察官は勾留請求するか釈放するか決めることになります。なお、逮捕から勾留請求までの時間は合わせて72時間を超えることができません。
勾留請求をした場合、裁判官から被疑者に対して事件の認否等について質問する機会が設けられます。
これが勾留質問です。
現状として、検察官が勾留請求をした場合、ほぼ勾留が認められています。特に、証拠の隠滅が容易であったり、組織的な犯罪の疑いがあったりする事件では、勾留が認められやすく、また勾留延長も含めて、期間が長くなる傾向にあります。勾留は延長も含めると最大20日間に及びます。
起訴前の勾留のことを被疑者勾留といいます。
検察官の終局処分
勾留期間中に捜査した証拠に基づいて、検察官は起訴又は不起訴あるいは処分保留で釈放するかを決定します。起訴不起訴を決定することを検察官の終局処分といいます。
起訴は正式には「公訴提起」といい、我が国では国家訴追主義が採られているため、公訴提起できるのは原則として検察官のみです(刑事訴訟法247条)。
起訴には公判請求と略式請求の2種類があります。罰金刑が定められている犯罪で、事実を認めていて軽微な事件である場合には、罰金刑を求刑する略式請求が行われる可能性が高いです。一方、懲役刑を求刑する場合には、公判請求が行われます。
不起訴にはいろいろな種類があります。例えば、犯罪の証明は出来ているが示談などの事情から被疑者を起訴することが相当でないと検察官が判断した場合には「起訴猶予」という理由で不起訴となる可能性が高いです。
被告人勾留
事件が起訴されると、被疑者から被告人と呼び方が変わるため、被疑者勾留も被告人勾留と名を変えます。被告人勾留は、被疑者勾留と違い、起訴されてから2か月間勾留され、さらに1か月単位で更新ができます。起訴された後には、保釈の請求をすることができます。
保釈とは、保釈保証金を担保にして身柄拘束を解くことのできる制度です。
保釈には権利保釈と裁量保釈、職権保釈の3種類があります。
公判
刑事裁判は公開の法廷で行われます。
裁判官が1人の単独体、3人の合議体、裁判員の参加する裁判員裁判があります。
被告人本人かどうか確認するための人定質問から始まり、起訴状朗読、罪状認否、冒頭陳述、証拠調請求、証拠調べ(証人尋問や被告人質問など)、論告求刑、最終弁論、被告人の意見陳述という流れが一般的です。
公判期日は通常事件では起訴されてから1か月半くらい後に第1回が開かれますが、即決裁判手続の申し立てが起訴と同時になされた場合には、起訴から2週間以内に指定されます。
判決
有罪もしくは無罪の言渡しがあります。
有罪の判決には、一定期間刑の執行を猶予し、その期間中に新たに罪を犯さなければ、刑の言渡しの効力が失われることになる、「執行猶予」が付される場合もあります。
一般的に直前の公判期日から約2週間後に判決期日が指定される場合が多いです。
まとめ
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