服役中の面会、手紙

服役期間中は、刑務所という閉ざされた空間・人間関係の中で刑に服することになります。

テレビやインターネットを通して情報を得るということはできず、社会からも隔離されたような心情になりがちです。

そういった環境にあるからこそ、面会や手紙での交流と言うのは、「人」とのかかわりが保たれているという点で、受刑者の方にとっては大きな心の支えとなります。

服役期間中の面会や手紙の回数や制限について解説をします。

面会・手紙の回数は、刑務所内での優秀さで変わる?

刑務所で服役中の面会や手紙については、刑務所内での「類」という等級によって、毎月あたりの回数が変わります。

「類」というのは、第1類から第5類までがあり、類に応じて刑務所内での優遇措置が変わります。

もちろん、「優遇」と言っても、接待を受けるというわけではなく、あくまで、受刑者という立場の中では行動の制限が緩められたり、自弁物品の購入の幅が広がったりするというものです。

類は1~5までがあり、第1類は「受刑態度が特に良好である」とされ、逆に第5類は「受刑態度が不良である」とされています。

一か月あたりの面会/手紙の発信の回数は

  面会の回数 手紙の発信回数
第1類 7回 10通
第2類 5回 7通
第3類 3回 5通
第4類 2回 5通
第5類 2回 4通
※受刑地が移送になる場合には、上記の手紙の回数制限を超えても1通だけ、家族に手紙を出すことができます。

とされています。

いかに受刑中の態度が不良であるとされていても、「懲罰」となっていない限りは面会、手紙の発信ができることになっています。

なお、手紙を受け取る回数については制限がありませんので、外部から送られてくる手紙は何通でも読むことができます。

面会をするための手続

刑務所での面会については、警察署や拘置所での面会と少し異なります。

受刑者となる前は、原則としてだれでも面会できる扱いとなっていますが、受刑者となってからは、面会できる人が限られます。

刑務所で受刑者と面会ができるのは、次のような人に限られます。

  • 親族(内縁関係を含む)
  • 受刑者の身分、法律、業務関係について相談するために面会を行う必要がある人
    ※公的機関の職員との面会もここに含まれます
  • 受刑者の更生保護に関係する人、受刑者が出所後に雇用しようとしている人
  • その他、面会をする必要があって施設が面会を認めた人

※例えば旧知の知人や学校の先生、会社の同僚や上司などの関係にあった事が確認できた人であれば、面会が認められることがあります。

刑務所内での面会の場合、受刑者になるまでの間に何らかの関係がなければ面会が認められないことがあります。

刑務所によっては、刑の執行の際に受刑者に「面会者リスト(住所、氏名などの連絡先を含む)」を作らせて、そのリストに書いてある人との面会は認める、という形をとっているところもあります。

実際に面会に行くときには、事前の予約などは必要ありません。

各刑務所の面会受付まで行き、所定の用紙に記入をして面会の申請をします。この時、ほとんどの刑務所では身分証明書の提示を求められるので、必ず持参する必要があります。

一回当たりの面会時間については、最大30分までとされていますが、刑務所によって若干異なります。

東京拘置所の場合、その日ごとの面会時間が受付に掲示されています。

また、面会の受付は、基本的に平日の9時から12時まで、13時から16時頃までとされており、面会は17時まで、となっていることが多いです。

刑務所内では刑務作業を受けるほかに、健康診断を受けていたり、更生プログラムを受けていたりする場合もあるため、日時によっては面会ができないということがあります。

また、刑務所内で「懲罰」の処分として閉居の処分を受けている場合、錯乱してしまって保護室にいれられてる場合には、たとえそれまでの受刑態度が良好だったとしても、面会ができません。

手紙を送るための手続

受刑者との手紙のやりとりの場合、相手に制限はなく、基本的には誰に対しても手紙を出すことができます。

ただし、反社会的な勢力との関係がある人や、施設側で服役に支障が出ると判断された相手との手紙については止められてしまう場合があります。

また、面会の場合と異なり、手紙の場合には、発信する手紙/受信する手紙のいずれも、刑務所の職員がいったん中身を検閲します。

その内容によっては、手紙の発受信を取りやめたり、一部を黒塗りにして送ったりすることがあります。受刑者に対して送る手紙は、刑務所の職員がチェックをしてから本人に渡されることになるため、通常の手紙よりも、本人に届くまでに日数がかかります。

手紙を出してから、1週間から10日前後かかってしまう場合もあります。手紙の相手についても、面会の場合と同様に、刑の執行の際に、受刑者に対して手紙の相手のリストを作らせるという場合があります。

受刑者が事前に申し出ていた相手であれば、手紙が本人の元へ届きやすくなるという場合もあるようです。

一通あたりの手紙の枚数の制限はありません。

便箋に1枚書いた場合でも、10枚書いた場合でも、1回の発信としてカウントされます。

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