【事例】
Aさんは東京都新宿区に妻と長男であるV(10歳)と一緒に暮らしていました。
ある日の夜11時頃にAさんが酒に酔って帰宅したところ、Aさんの妻が宿題をしないVを叱っていました。Vはこれまでも度々宿題をしていなかったこと、Aが酒に酔っていたこともあり、激高してしまい、Vの顔面を平手で複数回殴ってしまいました。
Aさんの妻はAの様子を見て怖くなり新宿警察署に通報をしました。Aさんは臨場した警察官に暴行罪の現行犯人として逮捕されました。
(事例はフィクションです)
この事案を基にしてあいち刑事事件総合法律事務所の弁護士が解説します。
DV事件での弁護活動
近年DV、特に子供への暴行行為から悲惨な結果となる事件も多数起きているので、警察のDV事件に対する対応も厳しくなっている印象を受けます。
具体的には一度警察に通報して、家族が逮捕されると聞いて怖くなり、被害届は提出しないと言っても、警察が受け入れずそのまま身体拘束を受けるケースも多いようです。
身体拘束からの解放についてはこちらにも詳しく解説があります。
一般的な暴行事件や傷害事件では、被害者との示談が処分を決める上で重要になります。
しかしながら、自分の子どもや配偶者などに暴力をふるうDV事件においては、家庭内のことなので示談よりも今後の再犯防止、家庭環境の改善が重要になります。
財布を共有する家族内で示談金を払っても意味がないことからも、ご理解いただけると思います。
特に事件後も家族関係を継続する場合には、再犯防止と家庭環境の改善が最終的な刑事処分の判断においても重視される傾向にあるといえます。
再犯防止等に向けて家庭内で話し合いの場を持つためには、早期に釈放を目指すことが重要になります。
留置環境下では面会時間も限られ、警察官の監視の目もあるので今後の家庭環境について十分な話し合いを持つことは困難でしょう。
逮捕後に弁護活動を依頼された場合には、まず検察官や裁判官と交渉して勾留されないように働きかけていきます。
またお子さんが児童相談所等に保護されている場合には、家庭内の環境を整えた上で交渉を行い、保護の期間が不必要に長くならないように働きかけをしていきます。
DV事件での更生支援活動
そして、DV事件を起こした方の更生に向けて最も重要なのは、家族に手を挙げてしまった原因をしっかりと理解し、その原因を取り除くことになります。
飲酒が原因であれば、家庭内で飲酒しないこと、アルコール依存症の治療を受けることなどが再発防止策として考えられます。
指導として子どもに暴力をふるうことが常態化しているのであれば、適切な指導の仕方や家族との関わり方について学ぶことが再発防止策として考えられます。
弊所で担当した事件でも弁護士からの働きかけや、弁護士も交えた家族との話し合いの場を設けることで家庭内で暴力をふるうことがなくなったという事案があります。
刑事事件として早期の釈放に動いてほしい場合ももちろん、その後の家庭環境の改善を含めた更生に向けても弊所の弁護士は全力でサポートいたします。
DV事件で家族が逮捕されてしまった方は、是非一度あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。