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発達障害、精神障害が背景にある刑事事件での弁護活動②

2026-10-14
弁護士

前回の記事に引き続き今回の記事では発達障害、精神障害が背景にある刑事事件での弁護活動やその後の対応について詳しく解説していきます。

1 障害のある方が刑事事件を起こしたに関わってしまった場合に本人・家族が取るべき行動

① 逮捕・検挙後の初動対応

障害に理解のある弁護士への即時選任

「発達障害・精神障害に理解のある弁護士」に依頼することが第一歩です。障害特性を理解した弁護士でなければ、取り調べへの適切な対応のアドバイス対応指示や情状立証が難しくなります。適切な弁護活動がなされる可能性が高まります。

障害の診断歴・通院歴を弁護士に伝える

診断書・障害者手帳・通院記録・服薬履歴など、手元にある資料や情報をすべて弁護士に提供してください。未診断の場合も、過去の言動・学校・職場での評価を伝えることで弁護士が動けの活動方針が変わる場合があります。

取り調べへの対応を弁護士と確認する

発達障害・知的障害のある方は、取り調べにおいて「迎合的な供述(相手が望む答えを言ってしまう)」をしやすい傾向があるともいわれります。弁護士と事前に供述方針を決め、必要に応じて黙秘権の行使や供述調書への署名・押印を慎重にすることなどを検討します。

福祉専門家との連携を弁護士に依頼する

弁護士が社会福祉士・相談支援専門員・精神保健福祉士といった福祉の専門家と連携し、本人が釈放後に繋がれる支援機関を早期に確保することが重要な場合もあります。

家族によるサポート体制の整備

本人が釈放後に安定した生活を送れる住居・生活環境があることを示すことが、勾留回避や執行猶予を含めた処分獲得・軽減に直結繋がる事情の一つとなりえます。家族が本人の生活を支援できる場合には、その具体的な支援内容を整理し、必要に応じて検察官や裁判官に説明することも有効な場合があります。家族が監督者として関与できる場合は、弁護士を通じて誓約書を用意します。

② 釈放後・判決後の継続的な再犯防止策

  • 精神科・発達障害専門クリニックへの継続通院と服薬管理の徹底
  • 障害者手帳の取得・更新と、それに基づく福祉サービスの利用開始
  • 相談支援専門員によるサービス等利用計画の策定と定期的な見直し
  • 就労継続支援(A型・B型)や就労移行支援を活用した段階的な社会参加
  • グループホームや支援付き住宅への入居による生活環境の安定
  • 保護観察中の特別遵守事項(障害に関する受診義務等)の厳守
  • 家族も含めた定期的なケア会議への参加で支援チームとの関係を維持する

「入口支援」と「出口支援」

刑事司法と福祉の連携には、逮捕・起訴の段階から支援機関に繋ぐ「入口支援」と、釈放・出所後の社会復帰を支える「出口支援」の2つのフェーズがあります。弁護士はこの両方の局面で福祉機関と協働しながら、刑事手続きの各局面で本人が支援の空白期間を生じさせないように、刑事手続きの中や法的な観点から調整・サポートする役割を担います。

2 弁護活動の全体像

弁護士によるサポートの全体像についてまとめます

【捜査段階】障害特性を踏まえた取り調べ対応と早期釈放

発達障害・知的障害のある方は、長時間の取り調べによる精神的疲弊や、捜査官への迎合から事実と異なる供述をしてしまうリスクが高い状態になっている場合があります。弁護士は接見を通じて本人の状態を確認し、供述の撤回・訂正が必要な場合には早期に対処しますし、そのような供述がされたり、その旨の供述調書が作成されたりしないよう早期からアドバイスすることができます。また、障害の特性上、長期勾留が他の人よりも大きな負担となり、長期勾留が精神状態を著しく悪化させる危険があるためことも考えられます。勾留に対する準抗告や勾留取消請求により早期釈放を目指します。

【精神鑑定の活用】責任能力・障害特性の正確な理解立証

事件の背景に精神障害が疑われる場合、弁護士は検察官またはや裁判所に対して精神鑑定の実施を求めることができ考えられます。また、弁護側として独自に精神科医に鑑定を依頼し(私的鑑定)、その意見書等障害と犯行の因果関係・責任能力の程度を示す「私的鑑定書」を証拠として提出することも有効な手段となる場合があります。

【情状弁護】障害・支援計画を一体的に裁判所へ提示

弁護士は裁判において、①障害の診断と特性の説明、②事件との因果関係の説明、③釈放後に利用できる福祉支援の具体的な計画、④支援機関・家族による監督体制の誓約——これらを「更生支援計画書」などの書面にとしてまとめ、執行猶予・量刑軽減を含めた処罰の軽減を裁判所に訴えます。単になる反省していると述べるだけ陳述ではなく、福祉の専門家のの意見書や支援機関からの受入承諾書を添付した具体的な計画などが、本人の社会復帰後の支援体制を具体的に裁判所に伝えることができるため裁判所としても具体的に検討する資料となり得ますし、裁判官の判断に説得力を持たせます。

【医療観察法への対応】重大事件における特別な手続き

精神障害者が殺人・放火・強盗などの重大な他害行為を行い、心神喪失・耗弱が認められた場合など、所定の要件を満たすと、「心神喪失者等医療観察法」に基づいて、検察官が地方裁判所に原則として審判手続きの申し立てを行い、審判手続きに移行します。この手続きでは、精神保健審判員(検察官が地方裁判所に処遇を申し立て、精神科医)と裁判官からなる合議体による審判で「入院処遇」または「通院処遇」等の要否が決定されます。弁護士(付添人)は審判の全過程で本人の権利を守り、処遇の内容が本人の回復に最適なものになるよう関与します。

【福祉機関との橋渡し】「司法と福祉の連携」を実践する

弁護士は法的な弁護活動を行いながら、同時に社会福祉士・精神保健福祉士・相談支援専門員・地域生活定着支援センターのスタッフと連携チームを構成しすることも考えられます。本人が釈放後にどの支援機関と繋がり、どのような生活を送るかを具体的に設計することが、再犯防止において最も重要な弁護活動のひとつです。

●弁護士が連携する専門職

精神科医・心療内科医
社会福祉士・精神保健福祉士
相談支援専門員
保護観察官・保護司
地域生活定着支援センター職員
成年後見人・後見監督人

●弁護士がから繋ぐ支援機関・制度

障害者手帳・精神保健福祉手帳
就労継続支援A型・B型事業所
グループホーム・支援付き住宅
精神科デイケア・訪問支援
更生保護施設・自立準備ホーム
成年後見制度(財産管理支援)

【出所後支援】社会復帰から定着まで継続サポート

実刑判決を受けて服役した場合も、出所後の社会復帰が最大の課題となります。弁護士は、出所前から地域生活定着支援センターや保護観察所と連携し、住居・福祉サービス・就労の受け入れ体制を整えるサポートをすることが考えられます。障害のある方が出所後に「支援の空白」に陥らないよう、釈放日から支援が始まる状態を作ることが目標です。

知っておきたい制度

地域生活定着支援センター

高齢者・障害者など、自立が困難な受刑者・被疑者の出所後の生活を支援するために各都道府県に設置された機関です。保護観察所・福祉機関・弁護士と連携しながら、住居・福祉サービス・就労の調整を出所前から行います。弁護士はこのセンターへの早期紹介を通じて、支援の空白期間をなくすことができます。

地域生活定着促進事業(厚生労働省)▼
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/kyouseishisetsu/index.html

まとめ——障害のある方の更生には「福祉的弁護」という視点が不可欠

発達障害・精神障害を背景とした刑事事件は、通常の刑事弁護に加えて、医療・福祉・生活支援という複数の専門領域を横断するいわば「福祉的弁護」とでもいうべきアプローチが求められます。障害の特性を正確に理解し、責任能力の問題を適切に主張しながら、弁護士が本人の障害特性や生活環境を踏まえた支援体制の構築に関与することは、本人の更生や再犯防止を考える上で重要です。釈放後の生活を具体的に設計できる弁護士の関与が、本人の更生と再犯防止において決定的な差をもたらします。

「うちの子(家族)は障害があるが、事件を起こしてしまった」「取り調べで不利な供述をしてしまったかもしれない」「どの支援機関に繋げばよいかわからない」——そのような不安を抱えた方は、ぜひ早い段階で専門の弁護士にご相談ください。

弁護士あいち刑事事件総合法律事務所は、精神障害が問題になりえる刑事事件の弁護活動はもちろん、更生支援事業部を設けて刑事事件終了後の更生のサポートにも全力で取り組んでいます。環境調整や適切な機関との連携により再犯を防止しながら真の更生に向けてサポートをさせていただきます。

発達障害・精神障害が背景にある刑事事件の更生支援において弁護士が果たす役割

2026-09-30
不安

ASD(自閉スペクトラム症)やADHDなどの発達障害、知的障害、統合失調症などの精神障害——こうした特性や障害を抱えた方が刑事事件に関与してしまった場合に、その方が抱えている特性や障害にも目を向けることが重要です。これらの事件では、通常の刑事弁護に加えて、障害特性の正確な理解・医療との連携・福祉的支援への橋渡しといういわば「福祉的弁護」とでもいうべき視点が不可欠です。本記事では、障害を背景とした刑事事件における弁護士の役割と更生支援の全体像を解説します。

1 なぜ発達障害・精神障害が刑事事件につながるのか

発達障害や精神障害を持つ方が犯罪に関与してしまう背景には、「悪意」や「反社会性」ではなく、特性や障害による生きづらさや周囲との関係、生活上の困難などが一因となっている場合もあります。特性や障害そのものが罪を生むのではなく、そこから生じる困難に加え、孤立・困窮・二次障害などが重なり、結果として犯罪行為に至ってしまうケースもあります。

●発達障害や精神障害の例

ASD(自閉スペクトラム症)

社会的なルールや相手の意図を直感的に理解することに困難がある場合があり、対人関係上のトラブルや、状況に応じた適切な行動を取ることの難しさにつながることがあります。

ADHD(注意欠如・多動症)

衝動性や注意・計画性に関する困難が、金銭管理や対人関係、日常生活上のトラブルにつながることがあります。

知的障害

抽象的な説明を理解したり、行為の結果を具体的に予測したりすることに困難がある場合があります。

統合失調症・双極性障害

病状が悪化した状態での行動が問題となる場合があります。必要な医療につながっていなかったことが背景の一つとなっている場合もあります。

●障害が疑われる場合の弁護活動

見落とされがちな現実:発達障害・精神障害は「見た目にわかりにくい」ため、本人の障害特性が十分に考慮されないまま取調べや公判手続が進み、必要な支援につながらないまま、社会復帰後に再び生活上の困難を抱えるケースもあります。

障害と刑事責任——「責任能力」という法的問題

刑事事件において、精神障害等があるから当然に「責任能力」が否定されるわけではありませんが、障害による行為時の「責任能力」の有無や程度によっては刑事裁判にも影響を及ぼす場合があります。刑法39条は、心神喪失者の行為は罰しないとし、心神耗弱者の行為は刑を減軽すると定めています。

2 まとめ

責任能力の区分意義判決等への影響
心神喪失精神障害等のため、行為の是非を弁識する能力または行動を制御する能力が「完全に」失われている状態無罪(刑法39条1項)。ただし、一定の場合には医療観察法に基づく手続きに移行する場合も。
心神耗弱上記の能力が著しく低下しているが、完全には失われていない状態刑の必要的減軽(刑法39条2項)
完全責任能力障害があっても、行為時に弁識・制御能力が保たれていた場合                通常の刑事処分。ただし、情状として考慮される可能性あり。

起訴するか否かの段階では検察官が、判決の段階では裁判官が、責任能力の有無や程度を判断することになります。ただ、その判断にあたっては、精神科医による鑑定が重要な資料となることがあります。弁護士としても、責任能力が問題となる場合には、適切に鑑定等が行われているか確認したり、捜査機関や裁判所に促したり、必要に応じて診断書等の資料を収集し、精神鑑定の要否を検討したりするなど、本人の障害特性が適切に裁判官や検察官に考慮されるよう対応することが重要です。これが、障害のある方の刑事弁護において弁護士の役割が特に重要となる理由のひとつです。

重要な視点:刑法39条により刑事責任が否定・軽減されるのは、心神喪失や心神耗弱といえるほどの場合に限られます。しかし、心神喪失・心神耗弱に該当しない場合でも、障害の存在は、障害特性が犯行に至った経緯や動機、犯行後の対応、今後の生活環境や支援体制などに関連する場合には、量刑判断において考慮されることがあります。弁護士は責任能力の主張をする場合に限らず、特性や障害と事件の関係を丁寧に裁判所に説明する役割を担います。

次回の記事では実際にどのような点に注意して事件に対応していく必要があるのか、弁護士がとるべき弁護活動にはどのようなものがあるかについて解説します。

執行猶予期間中の注意点 保護観察と見守り弁護士の活動

2026-09-29
弁護士

前回の記事では執行猶予や保護観察の制度について解説していきました。
今回の記事では実際の執行猶予期間や保護観察期間中についてよくお受けするご相談やご質問について弁護士が回答・解説をさせていただきます。

1 よくある疑問——保護観察中の具体的なQ&A

転職・引越しはできる?

転居・転職は可能ですが、いずれも事前に保護観察官に届け出て許可・了解を得る必要があります。

「事後報告でいい」と思い込んで黙って動いてしまうと遵守事項違反になります。特に転居の場合は管轄の保護観察所が変わるため、手続が必要です。

海外旅行・出張はできる?

保護観察中の海外渡航は原則として制限されており、保護観察所長の許可等が必要です。業務上やむを得ない場合でも、事前に相談・申請を行わないと遵守事項違反となります。

保護司との面談はどの程度?

頻度は事件の種類・本人の状況によって異なりますが、一般的には月1〜2回程度が目安です。

正当な理由なく面談を拒否・無断欠席すると違反とみなされます。面談日に都合が悪い場合は必ず事前に連絡して日程変更を依頼してください。

猶予期間中に別件で逮捕されたら?

逮捕されただけでは直ちに執行猶予の取り消しにはなりませんが、有罪判決が確定した時点で取消し手続が進みます。また逮捕される原因となった事件が遵守事項違反になるような場合は、裁判の結果を待たずに執行猶予が取り消される場合もあります。

逮捕直後に弁護士へ連絡し、旧刑の取消しを防ぐための弁護活動を同時並行で進めることが不可欠です。

2 保護観察期間中の注意点について

保護観察期間中にやるべきこと

保護司との面談に必ず出席する
転居・転職は事前に届け出る
旅行・出張前に保護観察官に連絡
特別遵守事項(通院等)を継続する
生活の変化はこまめに報告する
不明点はすぐ弁護士・保護観察官に確認

保護観察中に絶対に避けるべきこと

無断での転居・長期不在
面談の無断欠席・連絡無視
薬物・被害者関係者への接触
新たな犯罪行為(軽微でも起訴リスク)
保護観察官への虚偽報告
特別遵守事項の中断・自己判断での停止

3 執行猶予・保護観察期間中の弁護士によるサポート活動

それではこれまで解説させていただいた執行猶予・保護観察期間中における弁護士によるサポートの全体像を見ていきましょう。

【判決直後】遵守事項の内容を正確に把握・説明する

内容が難しいような遵守事項を自分一人で理解するには限界があるかもしれません。弁護士は判決後に遵守事項の内容を改めて整理し、「何をしてはいけないか」「何を届け出る必要があるか」を本人と家族に具体的に説明します。

スタートラインでの理解不足が、のちの「うっかり違反」の最大の原因になるからです。

【保護観察期間中】問題が起きたときの早期相談窓口

転職・引越し・海外出張の予定が生じたとき、面談に行けない事情が生じたとき、あるいは再び問題行動をしてしまいそうなとき——こうした事態が生じた場合に、保護観察官への対応をどうすべきかを弁護士に相談することで、「黙って動いて違反になる」という最悪のシナリオを回避できます。

【遵守事項違反が発覚した場合】取消し阻止のための緊急対応

保護観察所から「遵守事項違反の可能性あり」として警告・申告がなされた場合、または別件で逮捕されてしまった場合には、執行猶予取消しを阻止するための緊急の弁護活動が必要になります。弁護士は保護観察所との交渉・裁判所への意見提出・新たな事件の弁護を同時並行で行い、旧刑の執行を防ぐために可能な限りの手を尽くします。

【猶予期間満了に向けて】満了後の生活設計のサポート

執行猶予期間を満了すると刑の言渡しの効力が失われ、保護観察も終了します。ただし前科の記録自体は残るため、就職・資格・海外渡航への影響が続く場合があります。弁護士は満了後の生活設計(資格回復・刑の消滅の見通し・前科の影響範囲)についても、正確な情報を提供しサポートします。

4 猶予期間満了後の「刑の消滅」とは

刑法34条の2により、拘禁刑以上の刑の執行猶予が満了した場合、その後一定期間(罰金は5年、拘禁刑は10年)を経過し再犯がなければ「刑の消滅」が認められ、資格制限が解除されます。

ただし前科の記録(犯歴)自体が消えるわけではなく、また資格ごとに回復のタイミングは異なります。詳細は弁護士にご確認ください。

5 記事のまとめに変えて——執行猶予期間は「もう一度やり直すためのチャンス」--

執行猶予は、裁判所が「社会の中で更生できる」と判断したからこそ与えられた機会です。その期間中に遵守事項を守り、保護司・保護観察官との関係を誠実に続けることが、猶予満了という「ゴール」への唯一の道です。

「これくらいは大丈夫だろう」という自己判断が、取消し・実刑という最悪の事態を招きます。迷ったとき・困ったとき・何かが起きそうなときは、早めに弁護士に相談することが、猶予期間を無事に満了するための最善策です。

以上のように執行猶予期間中の生活には思わぬところに落とし穴があります。特に保護観察を受ける場合には生活の中にも執行猶予が取り消されるリスクが多く存在します。そして再犯をせずに執行猶予期間を過ごせるのか心配な当事者の方やご家族の方もいらっしゃると思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、見守り弁護士として執行猶予期間中の生活の不安にお答えしたり、再犯防止に向けた課題を実施したりする弁護活動をご用意しています。

見守り弁護士のご依頼をいただいた方にはその期間中いつでも弁護士が相談や疑問のお答えさせていただきます。事件を起こされた方はもちろん、執行猶予付きの判決をすでに受けている方でも執行猶予期間中の過ごし方や再犯についてご心配がある場合にはぜひ一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にお問い合わせください。
相談については初回無料で対応しています。

服役中でも弁護士に相談できる?受刑中の権利・仮釈放・再審請求を解説

2026-08-05
弁護士

服役中でも弁護士は力になれる——知っておきたい「受刑中の権利」と弁護活動

「刑務所に入ってしまったら、もう弁護士に頼んでも何もできない」
そう思っていませんか?実は、服役中にも弁護士によるサポートは大きな意味を持ちます。受刑者本人にとっても、外で待つご家族にとっても、知っておくべき知識がたくさんあります。

1 受刑中の面会・通信ルールについて

受刑者に会いたい、連絡を取りたいと思っても、刑務所内でのコミュニケーションにはルールがあります。

一般面会(接見)について

一般の面会は、刑務所の定める曜日・時間帯に限られます。また、原則として接触防止のためのアクリル板越しの面会となりますし、職員の立会いもあります。
面会できる人数や回数にも制限があります。
未決拘禁中(判決確定前)とは異なり、毎日の面会は保障されておらず、毎月決められた回数内でしか面会できません。
その一方で、未決拘禁中(判決確定前)には、接見等禁止決定という家族であっても面会できないという特別な決定がされる場合はあります。

弁護士との面会について

弁護士は、刑務所との事前調整を通じて認められれば、一般面会ではない特別な面会が認められる可能性があります。
例えば、職員の立会いがない、月間の回数とは関係なく面会できる、1回あたりの制限時間が一般の方より長いなど、一般面会とは異なる面会が認められる余地があります。
再審請求や仮釈放に向けた相談など、デリケートな話を安心してできるのは弁護士との面会の大きなメリットです。

2 仮釈放とは?弁護士が果たせる役割

仮釈放とは、刑期満了前に一定の条件のもとで釈放される制度です。仮釈放に向けては、まず受刑期間の3分の1(無期は10年)が経過していることが前提となります(ただし、実務上はそれ以上の期間が経過してから審査が開始されることが一般的です)。この期間の経過後、受刑中の様子などを踏まえて仮釈放が検討される可能性があり、その場合には地方更生保護委員会が審査を行います。

仮釈放を検討するうえでは様々なポイントがありますが、その1つは「釈放後の生活環境が整っているか」です。具体的には、以下の要素が考慮されます。

・帰る住居があるか
・監督してくれる家族や支援者がいるか
・就労の見込みがあるか
・再犯防止のための治療・支援体制が整っているか

弁護士は、これらの環境整備を外からサポートすることで、仮釈放の実現に間接的に貢献できます。家族だけでは難しい関係機関との調整も、弁護士が間に入って整理し、窓口となってポイントを押さえて伝えることでスムーズに進むことがあります。また判断する更生保護委員会に申請書を提出し仮釈放が認められるべきであることを適切な資料と共に提出し、早期の仮釈放の実現をサポートさせていただきます。

3 「再審請求」という選択肢

「有罪判決を受けたが、本当は無実だ」「判決の前提となった事実に重大な誤りがある」という場合、再審請求という手続きがあります。再審は非常にハードルが高い手続きですが、服役中から証拠を収集・整理し、弁護士と戦略を練ることで、道が開けることがあります。
服役中の方やそのご家族が「本当は冤罪かもしれない」「判決には重大な誤りがある」と感じている場合、ぜひ一度弁護士に相談してください。

4 家族にできること、弁護士に頼めること

服役中のご家族を持つ方にとって、最大の悩みは「何をしてあげられるかわからない」ことではないでしょうか。
依頼の内容にもよりますが、弁護士に依頼することで、以下のようなサポートが受けられます。

・面会の頻度・環境の整備についての助言
・釈放後の生活設計(住居・就労・経済的支援の準備)のサポート
・刑務所側への適切な対応(刑務所での処遇に関する相談や申入れなど)
・ご本人への法的情報の正確な伝達(仮釈放制度に関する法的情報や再審の可能性など)

「今、本人は何を必要としているのか」「早期の社会復帰に向けて利用できる制度はあるのか」——こうした疑問に、専門家の立場から答えられるのが弁護士です。

5 相談のタイミングは「今」です

服役が始まったからもう遅い、できることはないということはありません。むしろ、服役中から動き出すことが、出所後のスムーズな社会復帰につながる可能性があります。
当事務所では、刑事事件・少年事件の専門チームが全国対応で、ご本人・ご家族どちらからのご相談も承っています。初回相談は無料ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。弁護士が直接、刑務所への接見に伺うことも可能です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、更生支援事業部を設置して、刑事事件で判決を受けた方に対してもその後の更生や仮釈放、社会復帰に向けた支援に力を入れています。
是非一度ご相談ください。

性犯罪事件からの更生と再犯防止弁護士・専門機関が担う支援②

2026-07-08
弁護士

前回の記事では性犯罪をしてしまった方の再犯防止や更生には大きなハードルがあり一人ではなかなか再犯防止が難しいことについて解説させていただきました。
今回の記事では再犯防止のためにどのような行動をとるべきか、どのような専門機関に相談するべきかについてまず解説していきます。

1 本人・家族が取るべき再犯防止の行動

① 逮捕・検挙後の初動対応

弁護士への即時選任
性犯罪事件は被害者との接触を遮断するため長期勾留になりやすく、早急な弁護士選任が不可欠です。

被害者への謝罪・示談交渉の開始
被害者感情に最大限配慮しながら、弁護士を通じて誠実な謝罪と賠償の意思を示します。自らの判断で直接の接触は絶対に避けてください。

性犯罪者処遇プログラムへの参加意思表明
法務省が実施する「性犯罪者処遇プログラム」や民間の認知行動療法プログラムへの参加意思を示すことが、情状酌量に繋がります。

家族への状況説明と支援体制の構築
家族が事実を把握し、本人が治療を続けられる環境を整えるための話し合いが弁護士を交えて行えます。

② 釈放後・執行猶予中の具体的な再犯防止策

・性犯罪・性依存専門のカウンセリング・認知行動療法プログラムへの継続参加
・SAA(セックス・アディクツ・アノニマス)などの自助グループへの参加
・犯行に繋がっていた「トリガー」(時間帯・場所・アルコール等)を自覚し、意識的に避ける習慣づけ
・スマートフォン・PCの使用環境を見直し、再犯につながるコンテンツへのアクセスを物理的に制限する
・保護観察中の「特別遵守事項」(性犯罪者として課される特別条件)を厳守する
・再犯リスクを感じたときに連絡できる支援者(カウンセラー・保護司)との関係を維持する

重要な視点:性犯罪の更生において「被害者への影響を正面から向き合うこと」は必須のプロセスです。自分の行為が被害者に何をもたらしたかを正確に理解することなしに、認知の歪みは修正されません。これは刑事手続とは別に、治療プログラムの中核をなすものです。

2 弁護士によるサポートの全体像

最後にまとめとして、性犯罪事件で捜査が開始されてから将来の再犯防止のためにどのような活動をしていくのかについて全体像を解説させていただきます。

【捜査段階】接見禁止対応と適切な供述方針の決定

性犯罪事件では「被害者への接触・報復・口裁き」を防ぐために接見禁止が付されるケースもあり、家族すら面会できない状況が続く場合もあります。
弁護士は接見禁止の一部解除申立てや、取り調べにおける適切な供述方針(認める場合・争う場合それぞれ)のアドバイスを行います。

【示談交渉】被害者の意思を尊重した誠実な交渉

性犯罪の被害者は、加害者・その家族からの直接連絡を強く拒否することがほとんどです。弁護士が中立的な立場で被害者側弁護士と連絡を取り、被害者の意思を最優先にしながら謝罪・賠償の交渉を進めます。
示談成立は起訴猶予・執行猶予獲得において大きな意味を持ちます。

【治療プログラムとの連携】更生を「見える化」する弁護活動

弁護士は本人が性犯罪者向けの治療プログラム(認知行動療法・グループセラピーなど)に参加している事実を、通院記録・治療報告書などの形で裁判所・検察官に提出します。「治療を受けている」という事実は、単なる反省陳述よりも説得力のある更生の証拠として機能します。

【情状弁護】再犯防止計画の体系的な提示

裁判において弁護士は、①本人が認知の歪みを自覚していること、②専門治療への参加計画、③監督者となる家族の誓約、④職場・住居などの環境整備の状況を、体系的な再犯防止計画書として裁判所に提示します。
これにより、執行猶予や量刑軽減の可能性を最大化します。

【判決後・出所後】社会復帰と長期的な再犯防止の支援

性犯罪で有罪となった場合、刑の執行後も社会的なスティグマ(偏見・差別)によって社会復帰が困難になるケースがあります。
弁護士は出所後の就職・住居問題に関する法的アドバイスを行うとともに、保護観察・更生保護施設・地域の支援機関と本人を繋ぐ橋渡し役も担います。

利用できる専門治療・支援機関

法務省「性犯罪者処遇プログラム」(保護観察所実施)/SAA(セックス・アディクツ・アノニマス)/性依存症専門クリニック・精神科/更生保護施設/地域生活定着支援センター/保護観察所 ——弁護士はこれらの機関への紹介・連絡調整を行います。

まとめ——性犯罪の更生は「認知の変容」と「継続的治療」から

性犯罪からの更生は、「反省しています」という言葉だけでは実現しません。認知の歪みを専門的プログラムで修正し、衝動制御を身につけ、再犯リスクを自己管理できる力を養うことが、真の意味での更生です。

弁護士は刑事手続の中で最大限の弁護を行いながら、本人が治療プログラムと繋がり、社会に戻った後も再犯しない環境を整えるための伴走者として機能します。性犯罪事件でお困りの方・ご家族の方は、一人で抱え込まずに、まず刑事事件に強い弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では刑事事件のご相談、弁護活動はもちろん、更生支援事業部を設けて事件後の再犯防止や真の更生のサポートにも全力で取り組んでいます。
刑事事件でお困りの方も事件で処分が出た後の方もお気軽にご相談ください。初回相談は無料で対応させていただきます。

性犯罪事件からの更生と再犯防止 弁護士・専門機関が担う支援①

2026-06-24
弁護士

今回は性犯罪事件を起こした方に対して更生や再犯防止のために弁護士がどのような活動ができるのか、弁護士の他にどのような専門機関に頼ることができるのかについて詳しく解説していきます。

1 性犯罪事件について

性犯罪は被害者に深刻かつ長期的なトラウマを与える重大事件です。同時に、加害者側にも認知の歪みや衝動制御の問題が背景にある場合が多く、適切な専門的治療なしには再犯を防ぐことは困難です。本記事では、性犯罪事件における再犯防止策と弁護士による更生支援の全体像を解説します。

性犯罪の再犯率と「認知の歪み」という問題

性犯罪の再犯率は全犯罪の中でも特に深刻な部類に入ります。法務省の調査では、性犯罪受刑者の出所後5年以内の再犯率が2割前後に上るとされており、適切な治療的介入なしに社会に戻るだけでは再犯を防ぐことができないことが明確になっています。

性犯罪の背景には、「被害者も望んでいた」「これくらい大した問題ではない」といった認知の歪み(cognitive distortion)が深く根付いているケースが多くあります。
認知の歪みを事件を起こした当事者の方が一人で認識することは難しいです。性犯罪をして事務所に相談に来られる方も多くは、だめだと思いながら誰にも相談できずに警察に捕まるまで再犯を繰り返してしまっている方が少なくありません。
仮に刑事罰を受けても、このゆがみが強制されなければ引き続き再犯をしてしまうリスクが高い状態が続いていると言えます。
この認知の歪みは、通常の反省や謝罪の機会だけでは修正されず、専門的な認知行動療法プログラムによる継続的な治療が必要です。

2 性犯罪に至る原因の例

●認知のゆがみ

認知の歪みとは先ほど説明したように被害者の感情を軽視・誤解する思考パターンのことをいいます。
例えば短いスカートをはいている人は盗撮されたがっているというような誤った考え方が盗撮することにつながることがあります。
専門的な認知行動療法なしには自覚・修正が難しいといえるでしょう。

●衝動制御の困難

性的衝動を適切にコントロールする能力が弱く、ストレス・孤独・飲酒などが引き金になるケースもあります。
車に例えるならばブレーキが請わtれ廷るような状態です。これはしてはいけないこと、したら警察に捕まると思いながらも犯行を思いとどまることができない方がいます。

●秘密・羞恥心による孤立

誰にも相談できず問題を抱え込むことで、ストレスが蓄積し再犯リスクが高まる悪循環が生じる。
これも相談の中でよく聞く話です。性犯罪をしていることを周囲に打ち明けることは難しいでしょうが、誰にも相談できないことで具体的な再犯防止策を立てられず、衝動や欲求に従ってずるずると犯行を続けてしまうことがあります。

●ネット・SNSとの関係

盗撮・のぞき・児童に対する性的アプローチなど、インターネットが犯行を容易にする環境が問題化している。
相談の中でも、「ネットで盗撮をしている動画を見て自分でもできると思った」「児童でも同意をすれば性行為をしていいと思った」などという誤った認識を植え付けることが多くなっています。
また不特定多数の人と容易につながれることが犯罪の機会を増やすことにつながっています。

3 性犯罪の処罰規定について

主な性犯罪と適用される法律・刑罰

罪名根拠法主な法定刑
不同意性交等罪刑法177条5年以上の有期拘禁刑
不同意わいせつ罪刑法176条6月以上10年以下の拘禁刑
盗撮(性的姿態等撮影罪)性的姿態撮影等処罰法3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金
痴漢(迷惑行為防止条例違反)各都道府県条例1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(常習は倍)
児童に対する性犯罪児童買春・ポルノ禁止法ほか罪種により3年〜10年以下の拘禁刑等

近時の処罰規定の改正について

近時の法改正により、不同意性交等罪・不同意わいせつについて成立する範囲の拡張(罪の成立する行為類型の拡大、性交同意年齢要件の引き下げ)がされています。
また性的姿態等撮影罪が制定され盗撮罪についての処罰範囲や、法定刑も厳しくなっています。
このように近時では性犯罪に対してより厳しく処罰するという流れになっています。
ご自身のされた行為について、何罪が成立するのかどのような刑罰が科されるかの見通しに不安な方はすぐに弁護士にご相談ください。

次回は性犯罪事件を起こした場合に具体的にどのように再犯防止を図ればよいのか、弁護士によってどのような支援が受けられるかについて解説していきます。

弁護士は刑事手続の中で最大限の弁護を行いながら、本人が治療プログラムと繋がり、社会に戻った後も再犯しない環境を整えるための伴走者として機能します。性犯罪事件でお困りの方・ご家族の方は、一人で抱え込まずに、まず刑事事件に強い弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では刑事事件のご相談、弁護活動はもちろん、更生支援事業部を設けて事件後の再犯防止や真の更生のサポートにも全力で取り組んでいます。
刑事事件でお困りの方も事件で処分が出た後の方もお気軽にご相談ください。初回相談は無料で対応させていただきます。

少年事件は「早期の更生支援」が人生を変える——弁護士が果たす大きな役割とは

2026-06-10
少年事件

「うちの子が警察に……」——そんな連絡を受けた瞬間、頭が真っ白になる保護者の方は少なくありません。しかし、少年事件において最も大切なことは、パニックになるのではなく、できるだけ早く専門家のサポートを受けることです。
少年事件は、成人の刑事事件とは仕組みも目的も異なります。そして、弁護士(付添人)が果たす役割は、成人事件以上に大きいと言えます。

少年事件の目的は「罰」ではなく「更生」

少年法の根本にある考え方は、「少年を罰する」ことではなく、「少年の健全な育成を図る」ことです。家庭裁判所の少年審判は、少年の要保護性(今後の非行の危険性)を判断し、保護観察・少年院送致などの「保護処分」を決定します。
そのため、少年審判においては、「なぜ非行に至ったのか」「どうすれば再非行を防げるのか」が中心的なテーマとなります。

弁護士(付添人)の具体的な役割

少年事件において、弁護士は「付添人」として少年・家族・家庭裁判所の間に立ち、以下のような活動を行います。

① 少年本人への継続的な働きかけ

接見を重ねながら、少年が自分の行動を内省し、なぜ非行に至ったかを理解できるよう促します。反省や内省の深まりは、審判の結果にも大きく影響します。

② 交友関係の是正・環境整備

少年非行の多くは、不良交友が大きな要因となっています。弁護士は保護者と連携しながら、問題のある交友関係を断ち切り、健全な環境を作るための具体的な方策を一緒に考えます。「友達を変える」という難しい課題に対し、法的・実務的な助言ができるのが弁護士の強みです。

③ 家庭環境・学校環境の調整

少年が非行に走った背景には、家庭内の問題(親との関係、経済的困窮など)や学校での問題(いじめ、不登校など)が絡んでいることがあります。弁護士は必要に応じて関係機関と連携し、根本的な環境改善を図ります。

④ 審判に向けた更生計画の策定

「この少年には、社会内での更生が可能である」と裁判所に示すため、具体的な更生計画を作成し、証拠として提出します。
非行をした少年が社会内でも再非行をせずに更生できることをアピールし保護観察処分・不処分など、より軽い処分の獲得を目指します。

少年院送致を回避できることもある

少年事件では、弁護士の活動次第で少年院送致を回避し、社会内での更生を実現できるケースがあります。

例えば、振り込め詐欺の受け子として関与した少年のケースにおいて、弁護士が被害弁償を実現するとともに審判に向けて少年の反省の深まりや今後の監督体制を丁寧に裁判所へ示すことで、少年院送致ではなく保護観察処分となり、自宅に戻ることができた事例があります。

初動が重要:逮捕直後から動き出す理由

少年事件は、逮捕から少年審判まで、非常に短い期間で進みます。成人事件と同様(もしくは成人事件以上に)初動の対応が後の結果を左右します。

早期に弁護士(付添人)がつくことで、

取調べにおける適切な対応のアドバイス
観護措置(少年鑑別所への収容)の回避に向けた活動
家族への迅速な情報共有と精神的サポート

これらをスピーディーに実現できます。

お子さんの未来はまだ変えられる

少年事件において最も大切なことは、「最後まであきらめないこと」です。
非行を犯したとしても、適切なサポートがあれば、多くの少年は立ち直ることができます。大切なのは、その最初の一歩を踏み出すことです。

当事務所には少年事件・刑事事件の豊富な実績があり、更生支援の専門部が全国対応でサポートします。
「どう動けばいいかわからない」という段階からでも構いません。初回相談は無料です。まずは一度、少年事件に精通した弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士にご相談ください。

公判段階からの弁護士による更生支援活動~更生支援という弁護士の新しい役割~

2026-05-27
経営コンサルタント

「裁判が終わったら弁護士は関係ない」は大きな誤解です――更生支援という弁護士の新しい役割

「弁護士は裁判が終わったら関係ない」――そう思っている方は少なくありません。確かに、刑事事件の弁護活動は、裁判で有利な判決を目指すところに主眼があるといっても過言ではありません。しかし、それだけにとどまらず、当事者がその後の人生を立て直すところまでをトータルに支援するという役割も弁護士が担いうる役割だといえます。
当事務所が力を入れている「更生支援」の取り組みについて、段階ごとにお伝えします。

1 公判中の弁護活動:裁判所に「更生の意欲と環境」を伝える

刑事裁判において、弁護士の仕事は、犯罪事実や証拠の採否を争うことだけではありません。被告人がなぜ事件を起こしてしまったのか、その背景にある事情を深く掘り下げ、更生に向けた具体的な環境が整っていることを裁判官・裁判員に示すことが、判決の結果に影響を及ぼす事情となる場合もあります。

具体的には、以下のような活動を行います。

①更生計画の策定と提示

単に「反省しています」と述べるだけでは不十分です。薬物依存であれば治療機関との連携、経済的な問題が背景にあれば就職先や就労支援機関との調整など、再犯を防ぐための具体的なプランなどを証拠として裁判所に提出します。

② 社会復帰の受け皿づくり

家族による監督体制の整備、職場や住居の確保、地域の支援機関との連携など、本人が社会に戻ったときに孤立しない環境を事前に構築します。保釈中の住居確保もこれと近しい活動だといえますし、社会復帰後に帰住先として機能するかの試金石となる可能性も秘めています。

③ 被告人本人の内省支援

接見を重ねる中で、なぜ事件を起こしてしまったのかを本人自身が理解し、言語化できるよう寄り添います。この作業が、裁判での説得力ある供述につながります。

執行猶予がつくかどうか、その期間がどのくらいかなどといった結果は、裁判の対象となっている事件がどのようなものであったかが中心ではありますが、弁護活動の内容と質、そしてそれを受けた本人の変化などが影響してくる場合もあります。

2 服役中の弁護士サポート:「刑務所に入ったら終わり」ではない

受刑中は弁護士との関わりが途絶えてしまうケースが多いのが現実です。しかし、服役中であっても弁護士によるサポートが重要性をもつ局面もあります。

① 仮釈放に向けた働きかけ

仮釈放は自動的に認められるとは限りません。受刑者の更生状況や釈放後の生活環境が整っているかなどが審査されます。弁護士は家族との連絡調整や釈放後の受け皿づくりを通じて、地方更生保護委員会の審理に資する情報を整理し、円滑な仮釈放の実現を後押しします。

② 受刑中の権利保護

受刑者にも法律上の権利があります。不当な処遇や懲罰に対しては、弁護士が事実確認を行い、審査請求などの法的手段を通じて、適切な処遇を求めていくことも考えられます。

③ 家族への定期的な情報共有と精神的サポート

「面会に行きたいが何を話せばいいかわからない」「釈放後の生活をどう整えればよいか」——服役中のご家族が抱える不安に対しても、弁護士は法律家としての知見に基づき、出所後の生活再建に向けた具体的なアドバイスを行い、ご家族とともに再出発の準備を支えます。

3 服役後の出口支援:社会復帰をゴールにした弁護活動

刑期を終えた後、最も大きな壁となるのが社会復帰です。住居・就労・人間関係、この三つを整えることで、再犯リスクの低減が期待できるといわれています。当事務所の更生支援部門では、釈放後もご本人・ご家族と連携しながら、以下のような出口支援を行っています。

住居確保の支援:家族との橋渡しや、帰るべき場所のない方へ、福祉施設や支援団体との橋渡しを行います。
就労支援:前科があっても就職できる環境を整えるため、理解ある雇用先の紹介に関わる支援機関の利用をサポートします。
専門機関の紹介:事件の原因に依存症などの影響が見られる場合には、適切な専門機関や福祉のサービスを紹介させていただきます。

4  一人で抱え込まないでください

「事件を起こしてしまった」「家族が服役中だ」——その事実は変えられません。しかし、その後の人生は、今からどう動くかで大きく変わる可能性があります。
当事務所では、これまで多くの刑事事件・少年事件を取り扱ってきた経験をもち、更生支援部門に所属する弁護士が、日本全国どこにお住まいの方からでも、オンライン等も含めてご相談をお受けしています。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では初回相談は無料で弁護士が対応させていただきます。
一人で悩まず、まずは弁護士に話してみてください。

ご相談につきましてはこちらからお気軽にお問い合わせください。

出所後の孤立を防ぐ!「自助グループ」と「地域社会」が作る更生支援の「居場所」

2026-05-13
自助グループ

はじめに~「孤立」こそが再犯の最大の敵です~

刑務所を出た人が直面する最大の壁、それは「孤立」です。前科があることで仕事が見つからない、頼れる家族も友人もいない、そして何よりも「自分を受け入れてくれる居場所がない」という状態は、再犯のリスクを高めると言われています。

再犯防止を真剣に考えるとき、単なる就職や住居の確保だけでなく、「心の居場所」を提供することも、重要な更生支援となります。この居場所づくりにおいて、大きな役割を果たすのが「自助グループ」と「地域社会」の連携です。

私たち弁護士は、法的手続きの専門家であると同時に、クライアントが地域社会で再び根を下ろすための更生支援の調整役、サポート役としての役割を担うこともあります。この記事では、再犯の連鎖を断ち切るために不可欠な居場所づくりと、弁護士が提供する具体的なサポートについて解説します。

1 自助グループとは何か?~「同じ悩みを持つ仲間」の力~

自助グループとは、同じ問題を抱える人たちが自発的に集まり、互いの経験や知恵を共有し、支え合う非営利の集まりです。

① 薬物・アルコール依存からの回復(AA・NAなど)

特に薬物依存やアルコール依存が再犯の大きな原因である場合、自助グループ(例:AA(アルコホーリクス・アノニマス)、NA(ナルコティクス・アノニマス))への参加は、更生支援の柱となります。ここでは、前科や依存症というレッテルに関係なく、「自分と同じ苦しみを知っている仲間」と出会うことができます。

最大のメリット:非審判的な環境:保護観察官や家族には言いにくい本音や再発の危機感を、安心して打ち明けられる環境、自分と同じ悩みを抱えている仲間の存在が、再犯防止に向けた大きな歯止めとなることが期待できます。

② クライム・アノニマスやその他のグループ

日本ではまだあまり普及していませんが、犯罪を繰り返してしまう人たちが集まり、再犯につながる思考パターンや行動を互いにチェックし合う自助グループもあります。自分の犯罪傾向と向き合い、克服するための「規律ある生活」を確立する手助けが期待できるでしょう。

2 地域社会の受入れが出所者の居場所を作る

更生は、刑務所や保護観察所だけで完結するものではなく、地域社会で取組みを実践していくことを通じて、初めて実現します。再犯防止は、地域全体の課題ともいえるのです。

① 居場所の提供と連携の重要性

更生保護施設(リスタート支援):出所後すぐに帰る家がない人のための施設です。一時的に生活を共にしながら、就労支援や規則正しい生活を学ぶことができます。

地域活動への参加:地域の清掃活動やボランティア、NPOなどが運営する居場所に参加することで、「社会の一員として役立っている」という自己肯定感を取り戻し、孤立を防ぎます。

協力雇用主:前科があることを承知の上で雇用してくれる企業(協力雇用主)は、生活基盤の確保と同時に、本人に居場所と社会貢献の機会を提供しています。

② 社会の理解を深めるために

再犯防止のためには、地域社会が受刑者・出所者を単に「排除」するのではなく、「受け入れる」姿勢が必要です。私たち弁護士は、法律家として更生支援の重要性を社会に訴え、理解を深めるための啓発活動も重要だと考えています。

3 弁護士が提供する「居場所づくり」の具体的なサポート

弁護士の役割は、法律の専門家として刑事手続きの一翼を担う専門家として、出所者がこれらの自助グループや地域社会にスムーズに接続できるよう、道筋を作ることです。

① 刑務所内での更生計画への組み込み

仮釈放申請の準備段階から、弁護士は、本人の犯罪傾向に基づき、出所後すぐに参加すべき自助グループや、居住地近隣の更生保護サポートセンターなどを特定し、申請の際に示す更生計画に盛り込むことを求めていきます。これにより、出所後の空白期間と孤立のリスクを最小限に抑えることが考えられます。

② 協力雇用主や生活支援施設との連携

住居と仕事の確保は、居場所の土台です。弁護士は、更生支援に理解のある協力雇用主や、更生保護施設などの関係機関と連携を取り、帰住先の確保を目指します。これは、再犯防止に向けた最も実際的なサポートの1つです。

③ 身元引受人・家族との連携強化

ご家族もまた、更生支援における重要な自助グループともいえます。弁護士は、身元引受人となるご家族に対し、再犯防止に必要な知識、依存症への接し方、地域社会との連携方法などを助言し、家族全体が更生のチームとなるよう支援します。

4 弁護士は「地域社会への懸け橋」となる

再犯防止が成功するためには、刑事裁判や刑罰などといった「法律的な手続き」では終わらず、「社会的な支援」を継続的に受けていくことが重要になります。特に「居場所づくり」は、出所後の更生を支える存在であり、この基盤がしっかりしていればいるほど、再犯のリスクは遠ざかると考えられます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、依頼者の更生をサポートし、社会全体に繋ぐ「懸け橋」となることも重要な役割だと考え、犯罪をした方や受刑者の方の更生支援にも力を入れて取り組んでいます。自助グループや地域社会との連携を通じて、孤立を防ぎ、本人が自信を持って生きていける居場所を作る手助けをしていきます。真の更生に向けた扉を開くため、ぜひ専門家にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では初回相談無料で対応しています。刑事事件の当事者となっている方からの相談はもちろんですが、すでに刑事処分を受けている方や服役中の方のご家族の方々からの相談にも対応しています。お気軽にお問い合わせください。

再犯防止に特化した法律事務所の役割 – 「示談」から「身元引受」、そして「生活支援」まで一貫サポート

2026-04-29
経営コンサルタント

はじめに~事件解決はその後の「更生」の始まり~

一般的に、法律事務所は「事件の解決」で役割を終えると思われがちです。
しかし、私たち再犯防止にまで着目した法律事務所にとって、判決や刑務所への収容が決まった後こそが、真の更生支援の始まりだと考えています。なぜなら、再犯の連鎖を断ち切るためには、単に刑罰を軽くするだけでなく、出所後の生活基盤、心の居場所、そして社会的な償いという3つの要素を手厚く整える必要があるからです。

この記事では、当事務所が提供する「示談」から「身元引受」、「生活支援」まで、一貫した更生支援サポート体制について、具体的な役割と再犯防止への貢献度を弁護士の視点から詳しく解説します。

1 弁護士の役割①:最も重要な「償い」の実現(示談交渉)

更生とは、単に刑期を終えることではなく、自分が犯した罪と向き合い、被害者に対する真摯な「償い」を行うことから始まります。

①刑事手続と更生への影響

刑事事件において、被害者との示談交渉は、加害者の反省の気持ちを金銭的な償いと謝罪によって具体化する最も重要な手段です。

示談の成立は早期の仮釈放に繋がります。仮釈放審査において、示談が成立しているかどうかは、更生意欲と償いの意思を示す最も強い証拠となります。条文上も仮釈放の許容性という判断要素が明記されており、被害者が示談に応じ許していることは仮釈放審査においても重要な要素となっています。

②被害者への配慮

弁護士が間に入ることで、被害者の方に直接連絡を取る精神的な負担を避け、最大限の配慮をもって冷静かつ誠実に交渉を進めることができます。

私たち弁護士は、この示談を、単なる「刑を軽くする交渉」ではなく、「真の更生への第一歩」と位置づけ、真摯に取り組んでいます。

2 弁護士の役割②:社会復帰の土台を築く(仮釈放と身元引受のサポート)

刑務所にいる間から、出所後の再犯防止に向けた具体的な「社会復帰計画」を策定することが、私たちの重要な役割です。

仮釈放のための環境整備:仮釈放が許可される可能性を上げるためには、身元引受人の存在、そして帰住場所と就職先が確保されていることが重要です。

①身元引受人の支援強化

ご家族が身元引受人となる場合、弁護士がご家族と連携し、更生保護委員会に対し、責任を持ってサポートする体制(嘆願書、誓約書など)を具体的に示します。

②帰住場所の確保

帰る家がない場合、更生保護施設や地域の支援団体と連携し、一時的な住居を確保する手続きを代行・支援します。

刑務所との連携による更生計画の策定:刑務所内の特別なプログラムへの取り組み状況や、本人の犯罪傾向を把握した上で、出所後の保護観察を最大限に活かせるよう、専門的な更生計画を策定し、保護観察所や刑務所と情報を共有します。

3 弁護士の役割③:再犯の連鎖を断ち切る「生活支援」

出所後が、最も再犯のリスクが高い時期です。だからこそ、私たち法律事務所は、再犯防止の観点から、出所後の生活支援に深く関わります。

①就労支援と協力雇用主との連携

前科がある人の就職は困難な場合があります。弁護士は、更生支援に理解のある協力雇用主ネットワークや地域の就労支援団体と連携し、職業訓練や内定確保をサポートします。これにより、「仕事がない」ことによる再犯のリスクを大幅に軽減します。

②依存症治療・自助グループへの接続

薬物依存やアルコール依存が再犯の原因である場合、出所後すぐに専門病院への通院や、自助グループ(AA、NAなど)への参加を促し、その計画を策定します。弁護士がこの計画に関わることで、本人の取り組みへの真剣度を保護観察所に示すことができます。

4 弁護士の関与による一貫したサポート体制が真の更生を可能にします

再犯防止は、刑事弁護という枠を超えた、示談から身元引受、そして生活支援まで一貫した長期的なサポートがあって初めて実現します。私たち再犯防止に特化した法律事務所は、単なる法的手続きだけでなく、依頼者とそのご家族が、更生という困難な道のりを歩み切るための伴走者でありたいと願っています。

再犯を防ぎ、心から納得のいく社会復帰を目指すために、ぜひ専門的な更生支援を提供する当事務所にご相談ください。私たちは、再犯の連鎖を断ち切り、希望に満ちた新しい人生を歩み始めるあなたの味方です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、更生支援部門を設けて受刑中の方の更生支援をサポートする弁護活動を行っています。初回相談は無料で行っていますので実刑判決を受けた方、受刑中の方のご家族の方はお気軽にご相談ください。

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