Archive for the ‘性犯罪事件’ Category

あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士が扱った再犯事件の弁護活動について解説します②~盗撮を繰り返してしまった事案~

2025-02-13

【事例】
Aさんは、以前にも駅構内で盗撮行為をして、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に依頼をしました。
その際は、被害者と示談が成立して、不起訴となり、職場にも知られることなく終わりました。
しかし、依頼者は、その後も盗撮をやめることができず、駅構内で盗撮を繰り返していたところ、被害者にばれてしまって、警察に通報されてしまいました。
依頼者が逮捕されることはなかったですが、職場の方が身元引受人となったため、職場には事件のことが発覚してしまいました。
Aさんは前回依頼した際の弁護活動に大変満足していたので、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が再度、今回の事件について依頼を受けました。
(プライバシー保護のため一部事案を改変しています)

1 事例の事件での示談交渉

当職は、まず示談交渉を始め、見事示談を成功させることができました。
しかし、この示談は難航しました。というのも警察が依頼者の携帯電話機の中身を確認している様子を被害者も見ていたため、依頼者がたくさん盗撮行為をしていることに気づいたのです。
そのような被害者の方からは、「自分が示談に応じて事件がなくなると依頼者は反省しないのではないか」ということでした。
しかし弁護士から粘り強く示談のお願いをすると共に、依頼者が再犯防止のためにカウンセリングを受けていることや謝罪文を書いて謝罪の気持ちを表明していることをお伝えすることで、再犯防止に一定の理解を示していただき難しいながらも事案を実現することができました。

本来、警察は、いかに罪を犯した人であるとしてもその人のプライバシーは守らないといけませんから、被害者が簡単に犯人の携帯電話機の中身を見ることができるような状態にしてはならないです。
しかし、今回は、被害者に依頼者の余罪が発覚してしまったため、示談が難航することとなりました。
このような状況において依頼者の利益のために粘り強く最善を尽くした結果、示談を実現できた点で、担当弁護士としては大変達成感を覚えました。

2 再犯防止に向けた取り組みについて

今回ご紹介した事例で、無事に示談成立に至ったことには弁護士の粘り強い交渉の結果、被害者の方にAさんが今度は再犯しないということを信頼していただいたことが大きかったです。
あいち刑事事件総合法律事務所では事件を起こした方に合った専門機関を紹介することはもちろん、弁護士自ら事件後の再犯防止活動に力を入れています。

当サイトで掲げている更生支援活動はその再犯防止に向けた取り組みも大きな柱としています。
具体的には事件を起こした原因を振り返るために、弁護士は当事者の方から詳しくお話を聞いて、考えが甘いところについては課題を作成し実施していただきます。
そうすることで犯行に至ってしまった原因や、事件当時に欠けていた被害者の立場に立った見方をしっかりと振り返っていただきます。
事件後にこのような再犯防止活動を行う「見守り弁護士(ホームロイヤー)」の活動も行っています。

こうした再犯防止に向けた取組みを行っていることは被害者の側の方からも、ご信頼を頂く一因となっており、ご紹介した事例のように今後再犯しないことを信用頂いて示談につながったケースもございます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、多くの刑事事件の対応を踏まえて、依頼者のために全力を尽くしております。
初犯でも再犯でも、刑事事件でお困りのことがございましたら、お気軽にお問い合わせください。

少年事件と児童相談所の関係について少年事件に精通した弁護士が解説します③

2025-01-23

【事例】
Aさんは、福岡県新宮市に住む14歳の男子中学生です。
半年前、Aさんは、通学中に見かけた小学生の女の子の身体を触るという事件を起こしてしまいました。
女の子が泣き出したので、Aさんはその場から走って逃げました。
しかし、数日後、警察官がAさんのところに来てこの事件について話を聞きたいと言ってきました。
この事件当時、Aさんは誕生日を迎える前でしたので、まだ13歳でした。
その後、Aさんは警察で話を聞かれたり、児童相談所で保護されたり、少年鑑別所で収容されて調査を受けたりしました。
このような手続きを経て、福岡家庭裁判所は、Aさんの少年審判を開き、Aさんを児童相談所長に送致するという決定をしました。

AさんやAさんの家族は、児童相談所長に送致するという処分がどのような処分なのか、Aさんは自宅に帰ることができるのかなどを改めて説明してもらいたいと思い、それまでもAさんの付添人であった弁護士に改めて相談することにしました。
(事例はフィクションです。)

1 はじめに

前回の記事では、家庭裁判所が定める決定の中に、児童相談所長に送致するという決定があることを解説してきました。
今回の記事では、この児童相談所長に送致するという決定やそこで行われる児童福祉法上の措置の内容についてさらに解説していきます。

2 児童福祉法上の措置

家庭裁判所からの決定で、児童相談所長に送致するという決定がされるのは、調査の結果、少年に「児童福祉法の規定による措置を相当と認める」場合です(少年法18条1項)。
この措置のことを児童福祉法上の措置と呼ぶこともあります。

具体的には、児童福祉法26条1項1号、27条1項に定められています。
ここには次のとおり定められています。
⑴ 児童又はその保護者に訓戒を加え、又は誓約書を提出させること(児童福祉法26条1項1号、27条1項1号)
⑵ 児童又はその保護者を、児童福祉司や都道府県の設置する児童家庭支援センターの職員等に指導させること(同2号)
⑶ 児童を里親などに委託したり、児童養護施設や児童自立支援施設などに入所させたりすること(同3号)
⑷ 家庭裁判所の審判に付することが適当であると認める児童は、これを家庭裁判所に送致すること(同4号)

このうち、⑷の家庭裁判所に送致するという措置については、別の規定で児童相談所長のもとに送致された場合の措置です。
そのため、家庭裁判所の決定によって送致されてきた場合には除外されます。

また、⑴の訓戒や誓約書の提出という措置についても、家庭裁判所の決定によって送致された場合には相当でないとされています。
その理由は、このような訓戒や誓約書の提出といった措置であれば、家庭裁判所も自らの措置としてさせることができるからです。
それにもかかわらず、家庭裁判所が児童相談所長に送致している以上は、訓戒や誓約書の提出といった措置で終わらせるのは不相当だということでしょう。

そのため、実際にとられる可能性のある措置は、⑵の児童福祉司などに指導させるという措置か、⑶の児童養護施設や児童自立支援施設等に入所させるなどという措置だということになります。
Aさんの場合にも、このいずれかの措置がとられる可能性が高いでしょう。

今回の記事では、児童福祉法上の措置について解説してきました。
次回の記事では、この児童福祉法上の措置のうち、児童養護施設や児童自立支援施設などに入所させるという措置についてさらに解説していきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件・少年事件に関わってきた経験を活かし、少年審判後の再犯防止に向けたサポートにも力を入れています。
見守り弁護士(ホームロイヤー)という、定期的に事件を起こされた少年の方に弁護士が面談し再犯防止や不良交友の解消に向けてサポートさせていただく契約もご用意しています。詳しくはこちらをご覧ください
再犯防止に向けた弁護士のサポートにご興味のある方は、一度、あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

少年事件と児童相談所の関係について少年事件に精通した弁護士が解説します②

2025-01-16

【事例】
Aさんは、福岡県新宮市に住む14歳の男子中学生です。
半年前、Aさんは、通学中に見かけた小学生の女の子の身体を触るという事件を起こしてしまいました。
女の子が泣き出したので、Aさんはその場から走って逃げました。
しかし、数日後、警察官がAさんのところに来てこの事件について話を聞きたいと言ってきました。
この事件当時、Aさんは誕生日を迎える前でしたので、まだ13歳でした。
その後、Aさんは警察で話を聞かれたり、児童相談所で保護されたり、少年鑑別所で収容されて調査を受けたりしました。
このような手続きを経て、福岡家庭裁判所は、Aさんの少年審判を開き、Aさんを児童相談所長に送致するという決定をしました。

AさんやAさんの家族は、児童相談所長に送致するという処分がどのような処分なのか、Aさんは自宅に帰ることができるのかなどを改めて説明してもらいたいと思い、それまでもAさんの付添人であった弁護士に改めて相談することにしました。
(事例はフィクションです。)

1 はじめに

前回の記事では、児童相談所とはどのような目的を持っている機関なのか、どのような役割を担っている機関なのかという点について解説してきました。
今回の記事では、少年事件との関係で児童相談所が果たす役割について解説していきます。

2 家庭裁判所の処分等

家庭裁判所は、事件を起こしてしまうなどした少年について、調査をしたうえで、審判を開いて処分などを決定することになります。
この家庭裁判所がする決定にはいくつかバリエーションがあります。

中心となるのは保護処分と呼ばれる処分で、少年法24条に定められています。
具体的には、保護観察所の保護観察に付すという処分(少年法24条1項1号)、児童自立支援施設や児童養護施設に送致するという処分(同2号)、少年院に送致するという処分(同3号)が挙げられます。
他には、刑事処分、つまり大人と同じように前科となる処罰を受けさせるのが相当だと考える場合などには、検察官に送致する(「逆送」と呼ばれます。)という決定もあります(少年法20条)。
その一方で、事件を起こした証拠がないなど「保護処分に付することができ」ない場合や深い反省がされているなど「保護処分に付する必要がない」場合などには、処分をしないという決定をすることもあります(少年法23条2項)。

このような決定のバリエーションの1つとして、都道府県知事や児童相談所長に送致するという決定があります(少年法18条1項)。
この決定では、都道府県知事や児童相談所長に、児童福祉法で定められた措置を行わせるという決定になります。
法律上は送致する相手は都道府県知事か児童相談所長とされていますが、実際上は都道府県知事に送致するという決定がされることはなく、児童相談所長に送致するという決定しかされないとされています。
これは、児童福祉法上、家庭裁判所からの送致を受ける権限が、都道府県知事には定められておらず、児童相談所長にしか定められていないためです(児童福祉法26条)。

今回の記事では、家庭裁判所が定める決定の中に、児童相談所長に送致するという決定があることを解説してきました。
次回の記事では、この児童相談所長に送致するという決定やそこで行われる児童福祉法上の措置の内容についてさらに解説していきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件・少年事件に関わってきた経験を活かし、少年審判後の再犯防止に向けたサポートにも力を入れています。
特に再犯が心配な方に向けては更生支援の顧問弁護士や見守り弁護士という関わり方を準備させていただいております。ご興味ののある方はこちらのページも参考にしてください。
再犯防止に向けた弁護士のサポートにご興味のある方は、一度、あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

少年事件と児童相談所の関係について少年事件に精通した弁護士が解説します①

2025-01-09

【事例】
Aさんは、福岡県新宮市に住む14歳の男子中学生です。
半年前、Aさんは、通学中に見かけた小学生の女の子の身体を触るという事件を起こしてしまいました。
女の子が泣き出したので、Aさんはその場から走って逃げました。
しかし、数日後、警察官がAさんのところに来てこの事件について話を聞きたいと言ってきました。
この事件当時、Aさんは誕生日を迎える前でしたので、まだ13歳でした。
その後、Aさんは警察で話を聞かれたり、児童相談所で保護されたり、少年鑑別所で収容されて調査を受けたりしました。
このような手続きを経て、福岡家庭裁判所は、Aさんの少年審判を開き、Aさんを児童相談所長に送致するという決定をしました。

AさんやAさんの家族は、児童相談所長に送致するという処分がどのような処分なのか、Aさんは自宅に帰ることができるのかなどを改めて説明してもらいたいと思い、それまでもAさんの付添人であった弁護士に改めて相談することにしました。
(事例はフィクションです。)

1 児童相談所とは

それでは、まずは児童相談所とはどのような場所なのかというところから解説していきます。
児童相談所とは、児童福祉法に基づいて設置される行政機関で、都道府県や指定都市(地方自治法252条の19第1項)には少なくとも1つ設置されています。
そして、厚生労働省のホームページによれば、児童相談所は、「市町村と適切な役割分担・連携を図りつつ、子どもに関する家庭その他からの相談に応じ、子どもが有する問題又は子どもの真のニ-ズ、子どもの置かれた環境の状況等を的確に捉え、個々の子どもや家庭に最も効果的な援助を行い、もって子どもの福祉を図るとともに、その権利を擁護すること」を主たる目的としていると説明されています(https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/dv11/01-01.html)。

2 児童相談所の役割

先ほど説明したような目的で設置された児童相談所には、次のような役割が定められています。

⑴ 市町村を援助する役割
市町村が児童家庭相談に対応するにあたって、市町村同士の連絡や調整を行ったり、市町村に情報を提供したりなどといった必要な援助を行うという役割です(児童福祉法12条3項、11条1項1号)。

⑵ 相談に対応する役割
児童相談所は、児童福祉に関する高い専門性を有する機関です。
そのため、子どもに関する家庭その他からの相談のうち、「専門的な知識及び技術を必要とするものに応」じたり(児童福祉法12条3項、11条2項ロ)、「必要な調査並びに医学的、心理学的、教育学的、社会学的及び精神保健上の判定を行」ったりしたうえで(同ハ)、「心理又は児童の健康及び心身の発達に関する専門的な知識及び技術を必要とする指導その他必要な指導」(同二)をしたりといった援助を行う役割です。

⑶ 一時保護をする役割
必要に応じて子どもを家庭から話して一時的に保護する役割も担っています(児童福祉法12条3項、11条2項ホ、12条の4、33条)。

⑷ 措置に関する役割
また、子どもやその保護者を児童福祉士等に指導させたり、子どもを児童福祉施設などに入所させたり、里親に委託したりといった役割もあります(児童福祉法27条など)。

⑸ 親権者や未成年後見人に関する役割
さらに、親権者の親権喪失宣告の請求(児童福祉法33条の7)、未成年後見人の選任や解任に関する請求(児童福祉法33条の8、33条の9)を家庭裁判所に行うという役割もあります。

このように児童相談所は、子どもや家庭に対して幅広く、そして場合によっては強い役割を担っていることがお分かりいただけると思います。
この役割の一環として、少年事件についても児童相談所が役割を担う場面があります。

次回の記事では、少年事件で児童相談所が果たす役割についてさらに解説していきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件・少年事件に関わってきた経験を活かし、少年審判後の再犯防止に向けたサポートにも力を入れています。
具体的には更生支援に向けた顧問契約や見守り弁護士弁護士の活動をさせていただきます。詳しい弁護活動の内容についてはこちらのページも参考にして下さい。
再犯防止に向けた弁護士のサポートにご興味のある方は、一度、あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

京都府山科区の不同意わいせつ事件 再犯防止と職業の関係③~協力雇用主の制度について解説します~

2024-05-23

【事例】
Aさんは、滋賀県高島市で両親と一緒に生活をしている26歳の男性です。
Aさんは大学を卒業後、京都市山科区にある会社に就職しました。
ある日、Aさんは会社近くの路上で、女性の臀部を触るという不同意わいせつ事件を何件も起こしてしまい、後日、警察に逮捕されてしまいました。
Aさんが不同意わいせつ事件で逮捕されたというニュースは、京都府内の新聞に記事が載ってしまい、ほどなく会社の知るところとなってしまいました。
警察署で拘束されているAさんのもとに会社の人がきて話し合った結果、Aさんは会社を退職することになりました。
その後、Aさんは刑事裁判を受けることになりましたが、裁判が進行している間に被害者の方との示談が成立したこともあり、Aさんは保護観察付の執行猶予判決を受けることができました。

Aさん家族はその後のAさんの生活について話合いをしましたが、意見が割れてしまいました。
Aさんと母は、一日も早く、再就職先を見つけて働いた方がいいと考えています。
しかし、Aさんの父は、保護観察中、執行猶予中という身で就職活動をすると、その就職活動の中で前科があることが会社に発覚し、そのまま世間にも知られてしまうのではないかということを心配し、再就職先を探すことに反対しています。

そこで、Aさんと両親は、今から再就職先を探していいものなのか、あいち刑事事件総合法律事務所に相談することにしました。
(事例はフィクションです。)

1 はじめに

前回までの記事では、法務省のホームページ(https://www.moj.go.jp/hisho/seisakuhyouka/hisho04_00040.html)を参考にしつつ、公表されている統計の数値をもとに、職業を有しているかどうか、適当な行き場があるかどうかという点と再犯率の関係についてみてきました。
今回は、そのような問題に対する対策について解説していきます。
具体的には、就労の支援について協力雇用主の制度について解説させていただきます。

2 協力雇用主について

前回の記事のとおり、仕事がある人と仕事がない人の再犯率を比べると、仕事がない人の方が約4倍も再犯率が高いということがわかりました。

そこで、保護観察所は、協力雇用主となってくれる雇用主を増やすことに力を入れています。
協力雇用主というのは、保護観察の対象者となっている人を、前科などがあるという事情を理解したうえで雇用してくれる民間の事業主です。
全国に約1万4000もの事業主の方がいるようです。
業種としても、建設業が48パーセント、サービス業が15パーセント、製造業が13パーセントと公表されています(平成27年4月1日時点。法務省保護局資料)。
もちろん、どのような仕事が合っているのかは人それぞれですから、保護観察所としても幅広い業種の事業主を求めていて、少しでも合った仕事と出会えるようにと努めているようです。

また、協力雇用主が安心して雇用できるようにと、支援制度も用意されています。
試行的に雇用した場合の支援もあれば、継続的に雇用した場合の奨励金を支払うという仕組みもあります。
さらに最長で1年間、雇用された人の身元を保証して、雇用主に損害を被らせた場合に、雇用主に見舞金を支払う制度も用意されています。

以上は法務省及び厚生労働省が出しているパンフレット(https://www.moj.go.jp/content/001378346.pdf)を参考にしています。

このように協力雇用主が増えていけばいくほど、前科などがある人を雇うことへの社会全体の漠然とした抵抗感も薄れていくかもしれません。

3 Aさんの場合

これまで解説してきたとおり、Aさんの再犯防止ということを考えれば、定職に就くというのは非常に大事だということがわかります。
そして、Aさんは執行猶予に保護観察が付されていますから、担当の保護観察官に相談をして、Aさんを雇ってくれる協力雇用主を探すという方法も考えられます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件・少年事件に関わってきた経験を活かし、裁判後の再犯防止に向けたサポートにも力を入れています。
刑事事件が終了したものの、その後の再犯防止や更生に向けて不安がある方については弁護士が相談に乗らせていただきます。
さらに継続的に弁護士に相談をしたり、再犯防止に受けた計画を立てて課題に取り組んでいったりすることを希望される方には顧問契約という形で継続的にサポートをさせていただきます。
顧問契約の費用や内容につきましてはこちらのページも参考にしてください。
再犯防止に向けた弁護士のサポートにご興味のある方は、一度、あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

京都市山科区の不同意わいせつ事件 再犯防止と職業との関係②~再犯率と帰住先の有無は関係あるのか?

2024-04-18

【事例】
Aさんは、滋賀県高島市で両親と一緒に生活をしている26歳の男性です。
Aさんは大学を卒業後、京都市山科区にある会社に就職しました。
ある日、Aさんは会社近くの路上で、女性の臀部を触るという不同意わいせつ事件を何件も起こしてしまい、後日、警察に逮捕されてしまいました。
Aさんが不同意わいせつ事件で逮捕されたというニュースは、京都府内の新聞に記事が載ってしまい、ほどなく会社の知るところとなってしまいました。
警察署で拘束されているAさんのもとに会社の人がきて話し合った結果、Aさんは会社を退職することになりました。
その後、Aさんは刑事裁判を受けることになりましたが、裁判が進行している間に被害者の方との示談が成立したこともあり、Aさんは保護観察付の執行猶予判決を受けることができました。

Aさん家族はその後のAさんの生活について話合いをしましたが、意見が割れてしまいました。
Aさんと母は、一日も早く、再就職先を見つけて働いた方がいいと考えています。
しかし、Aさんの父は、保護観察中、執行猶予中という身で就職活動をすると、その就職活動の中で前科があることが会社に発覚し、そのまま世間にも知られてしまうのではないかということを心配し、再就職先を探すことに反対しています。

そこで、Aさんと両親は、今から再就職先を探していいものなのか、あいち刑事事件総合法律事務所に相談することにしました。
(事例はフィクションです。)

1 はじめに

前回の記事では、法務省のホームページ(https://www.moj.go.jp/hisho/seisakuhyouka/hisho04_00040.html)を参考にしつつ、公表されている統計の数値をもとに、職業を有しているかどうかという点と再犯率の関係についてみてきました。
今回は、前回の記事に引き続き、他にどのような事情が関連しているのかについてみていきましょう。

2 再犯率と帰る場所があるかどうかの関係

前回も解説したように、刑務所から仮釈放を許されて出所する際、保護観察に付されることになります(更生保護法48条3号)。
このように刑務所から出所して保護観察となった人のうち、適当な行き場がある人の再犯率と、適当な行き場がない人の再犯率を見てみましょう。
適当な行き場とは家族との同居先があることや、住み込みで働く就業先があることなどを指す場合とお考え下さい。

平成21年から25年の累計で、適当な行き場がない人たちのうち、3カ月もかからずに再犯に及ぶのはなんと22パーセントにのぼります。
また、6カ月もかからずに再犯に及ぶのは13.3パーセント、1年もかからずに再犯に及ぶのは18.1パーセントと続きます。
このように、出所後に適当な行き場のない人たちの53.4パーセントが、1年も経たずに再犯に及んでしまっているのです。

ちなみに、1年以上3年未満の期間中に再犯に及んでしまっているのは29.4パーセント、3年以上5年未満の期間中に再犯に及んでしまっているのは8.9パーセント、5年以上再犯に及んでいないのが8.3パーセントとなります。

それでは、なぜこのような状態になっているのかを考えると、真摯にサポートしてくれる方の存在というのが大きいのかもしれません。
Aさんの場合には、同居している家族がいるのは、再犯防止に向けて重要な要素といえるでしょう。

以上のとおり、帰る場所があるのかどうかというのも、仕事があるかどうかというのと同じように再犯防止という観点から非常に大事な要素だということがお分かりいただけるはずです。

次回の記事では、職業を有しているかどうかが再犯防止のために大切であることを前提に、そのような問題に対する対策について解説していきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件・少年事件に関わってきた経験を活かし、裁判後の再犯防止に向けたサポートにも力を入れています。
再犯防止に向けた弁護士のサポートにご興味のある方は、一度、あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
その他あいち刑事事件総合法律事務所では事例のように性犯罪をして逮捕された方に対して、より社会名での攻勢が可能になるために刑事処分の軽減を目指していく弁護活動にも力を入れています。性犯罪をされてしまった方の弁護活動についてはこちらのページも参考にしてください。

京都市山科区の不同意わいせつ事件 再犯防止と職業の関係①~再犯防止のために再就職をした方がいいのか~

2024-04-11

【事例】
Aさんは、滋賀県高島市で両親と一緒に生活をしている26歳の男性です。
Aさんは大学を卒業後、京都市山科区にある会社に就職しました。
ある日、Aさんは会社近くの路上で、女性の臀部を触るという不同意わいせつ事件を何件も起こしてしまい、後日、警察に逮捕されてしまいました。
Aさんが不同意わいせつ事件で逮捕されたというニュースは、京都府内の新聞に記事が載ってしまい、ほどなく会社の知るところとなってしまいました。
警察署で拘束されているAさんのもとに会社の人がきて話し合った結果、Aさんは会社を退職することになりました。
その後、Aさんは刑事裁判を受けることになりましたが、裁判が進行している間に被害者の方との示談が成立したこともあり、Aさんは保護観察付の執行猶予判決を受けることができました。

Aさん家族はその後のAさんの生活について話合いをしましたが、意見が割れてしまいました。
Aさんと母は、一日も早く、再就職先を見つけて働いた方がいいと考えています。
しかし、Aさんの父は、保護観察中、執行猶予中という身で就職活動をすると、その就職活動の中で前科があることが会社に発覚し、そのまま世間にも知られてしまうのではないかということを心配し、再就職先を探すことに反対しています。

そこで、Aさんと両親は、今から再就職先を探していいものなのか、あいち刑事事件総合法律事務所に相談することにしました。
(事例はフィクションです。)

1 はじめに

今回の事例では、不同意わいせつ事件について保護観察付きの執行猶予を獲得した場合に、再就職をした方がいいものかどうかについてAさんの家族が悩んでいます。
そもそもAさんは不同意わいせつ事件を起こしてしまい逮捕されましたが、示談が成立しているなどの事情を考慮されて保護観察付執行猶予判決を得ることができました。不同意わいせつ事件の弁護活動に関してはこちらのページも参考にしてください。

そしてAさん家族のケースにおいて、“今の時点で”再就職先を探すべきかどうかを考える前提として、まずは再就職先があった方がよいかという点について解説していきます。
ポイントは、再犯率です。

2 再犯率と仕事の関係

Aさんの場合と異なり、有罪の判決を受けて刑務所に入ることになり、刑務所から出所してきた人たちの再犯率に関する統計が公表されています。
以下の内容は、法務省のホームページ(https://www.moj.go.jp/hisho/seisakuhyouka/hisho04_00040.html)を参考にしています。

刑務所から仮釈放を許されて出所する際、保護観察に付されることになります(更生保護法48条3号)。
このように刑務所から出所して保護観察となった人のうち、この保護観察中に仕事があった人と無職であった人の再犯率を見てみましょう。
平成21年から25年の累計で、仕事があった人の再犯率は7.6パーセントでした。
その一方で、無職であった人の再犯率は28.1パーセントにものぼり、仕事があった人の約4倍もあります。
注意してほしいのは、これは単なる再犯率ではなく、保護観察を受けてきてもなお、再犯をしている人の再犯率だということです。

それでは、なぜこのような状態になっているのでしょうか。
あくまで想像に過ぎませんが、これは次のような事情が考えられます。

まずはお金がないと考えられる点です。
仕事をしていないことからお金がなく、食べるのに困って盗みをはたらいてしまうというような場合が考えられます。

また、心の支えがないのではないかという点です。
犯罪をしてしまうかどうかという場面で、仕事をしていることによって、また犯罪をしたら職場の人に迷惑をかけるかもしれない、せっかく決まった仕事をまた失ってしまうかもしれないということが歯止めとしてはたらくかもしれません。
仕事がないと、そのような歯止めになる事情が減ってしまうということも考えられます。

以上のとおり、仕事があるのかどうかというのは、再犯防止という観点から非常に大事な要素だということがお分かりいただけるはずです。

次回の記事では、他にどのような要素が関係しているのかについて解説していきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件・少年事件に関わってきた経験を活かし、裁判後の再犯防止に向けたサポートにも力を入れています。
再犯防止に向けた弁護士のサポートにご興味のある方は、一度、あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

大津市の公然わいせつ事件 公認心理士とはどのような資格ですか?何の専門家ですか?

2024-02-08

【事例】
Aさんは、20代の男性で、大津市内のマンションに両親と一緒に暮らしています。
Aさんは、仕事のストレスから、自暴自棄な気持ちになってしまい、自宅近くの路上で陰部を露出して通行人の女性に見せつけるという公然わいせつ事件を複数回にわたって起こしてしまいました。
通行人の女性から相談を受けた警察が捜査に乗り出し、犯人としてAさんが浮上して取調べを受けるなどしました。
その結果、Aさんは大津簡易裁判所で略式裁判のうえで罰金の判決を受けました。
幸運なことに職場に事件が発覚することはありませんでした。
また、検察官や警察官からは、「次に同じような事件を起こしたら正式な裁判を受けてもらうことになる。」といった趣旨の話もされていました。
そのため、Aさんや両親は、もしもまた事件を起こしてしまった場合、今度こそ職場に発覚するのではないか、二度と事件を起こさないためにはどうすればいいのか心配になりました。
そこで、Aさんと両親は、二度と事件を起こさないためにどうしたらよいのかを相談するため、あいち刑事事件総合法律事務所に相談することにしました。
(事例はフィクションです。)

1 はじめに

以前の記事で、Aさんが“カウンセラー”の力を借りるという方法が考えられること、“カウンセラー”、つまり、心理学の専門家の種類について解説していきました。
今回は、そのうちの1つである公認心理師について見ていきましょう。

2 公認心理師とは

公認心理師は、公認心理師法で定めらえた国家資格です。
公認心理師とは、「保健医療、福祉、教育その他の分野において、心理学に関する専門的知識及び技術をもって、」次の行為を業とする者をいいます(公認心理師法2条柱書)。
①心理に関する支援を要する者の心理状態を観察し、その結果を分析すること(公認心理師法2条1号)
②心理に関する支援を要する者に対し、その心理に関する相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと(公認心理師法2条2号)
③心理に関する支援を要する者の関係者に対し、その相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと(公認心理師法2条3号)
④心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供を行うこと(公認心理師法2条4号)
公認心理士に関しましてはこちらの厚生労働省のHPも参考にしてください。

3 公認心理師になる方法

公認心理師になるためには、公認心理師試験に合格せねばなりません(公認心理師法4条)。
もっとも、この試験は誰でも受けられるわけではありません。
いくつかの例外的な方法もありますが、代表的なのは次の2つでしょう。
1つは、4年制大学で特定の科目を履修したうえで卒業し、かつ、大学院で特定の科目を履修したうえで修了する方法です(公認心理師法7条1号)。
もう1つは、4年制大学で特定の科目を履修したうえで卒業し、かつ、法律で定められた施設で2年以上の実務経験を積む方法です(公認心理師法7条2号)。

以前の記事で解説をした臨床心理士も、公認心理師と同じく、臨床心理士養成に関する指定大学院を修了するなどして受験資格を取得したうえで、資格試験に合格する必要があります。

国家資格と民間の資格という違いはありますが、公認心理師も臨床心理士も大学院での勉強やそれに相当するような経験を積んだうえで、資格試験にも合格しなければ取得できないという点で共通しています。
その分、これらの資格を持つ方は、カウンセリングをはじめとする心理の専門性が高い方だということがいえるでしょう。

様々な専門家から多角的にサポートを得ることは、再犯防止に向けても有効でしょう。
心理の角度からは、カウンセリングを担当する方の持っている資格の種類により、受けられるカウンセリングの専門性の高さが変わる可能性があります。どのような方に相談すればいいか分からずにお困りの方も、あいち刑事事件総合法律事務所では様々な専門家の方と連携してきた豊富な実績がありますので、まずは一度ご相談いただければと思います。

そして、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件・少年事件に関わってきた経験を活かし、再犯防止に向けたサポートにも力を入れています。
具体的には刑事事件事件終了後にも、担当した弁護士が継続的に更生に向けたアドバイスや課題の実施をさせていただく顧問契約をご用意しています。
心理の角度だけではなく、法律の角度からもサポートを受けるかどうかについてご興味のある方は、一度、あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

滋賀県大津市の公然わいせつ事件 臨床心理士とはどのような資格ですか?何の専門家ですか?

2024-01-18

【事例】
Aさんは、20代の男性で、大津市内のマンションに両親と一緒に暮らしています。
Aさんは、仕事のストレスから、自暴自棄な気持ちになってしまい、自宅近くの路上で陰部を露出して通行人の女性に見せつけるという公然わいせつ事件を複数回にわたって起こしてしまいました。
通行人の女性から相談を受けた警察が捜査に乗り出し、犯人としてAさんが浮上して取調べを受けるなどしました。
その結果、Aさんは大津簡易裁判所で略式裁判のうえで罰金の判決を受けました。
幸運なことに職場に事件が発覚することはありませんでした。
また、検察官や警察官からは、「次に同じような事件を起こしたら正式な裁判を受けてもらうことになる。」といった趣旨の話もされていました。
そのため、Aさんや両親は、もしもまた事件を起こしてしまった場合、今度こそ職場に発覚するのではないか、二度と事件を起こさないためにはどうすればいいのか心配になりました。
そこで、Aさんと両親は、二度と事件を起こさないためにどうしたらよいのかを相談するため、あいち刑事事件総合法律事務所に相談することにしました。
(事例はフィクションです。)

1 はじめに

前回の記事で、Aさんが“カウンセラー”の力を借りるという方法が考えられること、“カウンセラー”、つまり、心理学の専門家の種類について解説していきました。
今回は、そのうちの1つである臨床心理士について見ていきましょう。

2 臨床心理士の専門業務

以前の記事でも解説したように、臨床心理士は公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会が認定する民間の資格です。
その公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会は、「臨床心理士資格審査規程」というものを定めており、その中で、臨床心理士に求められる専門業務を定めています。
具体的には次のようなものです。

⑴ 臨床心理査定
様々な心理テストや観察面接を行い、その人ごとに独自性、個別性がある固有の特徴や問題の所在を明らかにしていく行為や、心の問題で悩む人々をどのような方法で援助するのが良いかを考える行為を意味します。

⑵ 臨床心理面接
その人ごとの特徴に応じて、精神分析、集団心理療法、行動療法、認知療法、家族療法など様々な臨床心理学的技法を用いながら、その人の心の支援に資する行為です。
いわゆるカウンセリングを意味します。

⑶ 臨床心理的地域援助
特定の個人を対象とするのではなく、地域や学校、職場などといったコミュニティを対象に、コミュニティ全体を考慮した心の情報整理や環境調整を行う活動や、心理的情報を提供したり低減したりする活動を意味します。

⑷ ⑴から⑶に関する調査・研究
専門資質の維持・発展のために、臨床心理的調査や研究活動をしたり、ある特定の問題や課題に特化した事例研究をしたりといった自己研鑽を意味します。

以上は公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会のホームページ(http://fjcbcp.or.jp/rinshou/gyoumu/)を参考にしています。

3 臨床心理士の職域

臨床心理士は医療、教育、福祉、産業、そして司法と様々な分野で活動をしています。

医療の分野としては、病院の精神科や心療内科、保健所、精神保健福祉センターなどで活動しています。
心の問題で不適応に陥っている人などへのサポートが行われます。

教育の分野としては、スクールカウンセラーなど学校内の相談室や教育センターなどが挙げられます。

福祉の分野では、児童相談所や女性相談センターなどで心理的側面からの援助がされます。

産業の分野としては、企業内の相談室やハローワークなどで活動しています。

司法の分野では、少年鑑別所での心理的側面に関するテストや調査、心理面接などが行われています。

このように臨床心理士の方は民間の資格といえど、様々な領域に対する専門的な知見を持つ必要があるため、とても信頼できる資格になります。
また活動についても多角的な視点から今後の更生に向けたアドバイスを受けることができるので、再犯防止にも重要な役割を果たしていただくことができます。
弊所でも依頼者様の特性に合わせて臨床心理士の方と協力しながら更生に向けた計画を立てたり、公判後の対応について検討をしたりした活動例がございます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件・少年事件に関わってきた経験を活かし、再犯防止に向けたサポートにも力を入れています。
様々な専門家から多角的にサポートを得ることは、再犯防止に向けても有効でしょう。
弁護士のサポートにご興味のある方は、一度、あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

滋賀県大津市の公然わいせつ事件 カウンセリング受ける場合には誰にお願いすればいいの?

2024-01-11

【事例】
Aさんは、20代の男性で、大津市内のマンションに両親と一緒に暮らしています。
Aさんは、仕事のストレスから、自暴自棄な気持ちになってしまい、自宅近くの路上で陰部を露出して通行人の女性に見せつけるという公然わいせつ事件を複数回にわたって起こしてしまいました。
通行人の女性から相談を受けた警察が捜査に乗り出し、犯人としてAさんが浮上して取調べを受けるなどしました。
その結果、Aさんは大津簡易裁判所で略式裁判のうえで罰金の判決を受けました。
幸運なことに職場に事件が発覚することはありませんでした。
また、検察官や警察官からは、「次に同じような事件を起こしたら正式な裁判を受けてもらうことになる。」といった趣旨の話もされていました(刑罰の種類に関する詳しい解説に関してはこちらも参考にしてください)。
そのため、Aさんや両親は、もしもまた事件を起こしてしまった場合、今度こそ職場に発覚するのではないか、二度と事件を起こさないためにはどうすればいいのか心配になりました。
そこで、Aさんと両親は、二度と事件を起こさないためにどうしたらよいのかを相談するため、あいち刑事事件総合法律事務所に相談することにしました。
(事例はフィクションです。)

1 はじめに

Aさんが公然わいせつ事件を起こした原因は、仕事のストレスから自暴自棄な気持ちになってしまったためだと言います。
今後Aさんが再犯せずに更生していくためには、ストレスに適切に対処することが重要になります。
このようなAさんの心の問題については、“カウンセラー”の手助けを受けるという方法が考えられます。
しかしながら、現代ではカウンセリングと一言で言っても様々な資格を持った方がカウンセリングの担当すなわち、‘‘カウンセラー‘‘をされています。
今回は、そのような“カウンセラー”、つまり、心理学の専門家の種類について解説していきます。

2 心理に関する資格の種類

心理に関する資格としては、
①公認心理師
②臨床心理士
③精神保健福祉士
④認定心理士
⑤産業カウンセラーなどその他の資格
が挙げられます。

この中で最も特異なのは①公認心理師です。
この公認心理師という資格は、日本で初めての心理に関する国家資格で、2017年に作られた認定心理士法という法律で作られた比較的新しい資格です。
この公認心理師については、別の記事で解説をします。

また、同じく③精神保健福祉士も精神保健福祉士法という法律に基づいて取得する国家資格です。
もっとも、精神保健福祉士は、「専門的知識及び技術をもって、精神科病院その他の医療施設において精神障害の医療を受け、又は精神障害者の社会復帰の促進を図ることを目的とする施設を利用している者の地域相談支援」「の利用に関する相談その他の社会復帰に関する相談に応じ、助言、指導、日常生活への適応のために必要な訓練その他の援助を行うこと」を業としてする者をいいます(精神保健福祉士法2条)。
そのため、精神科病院などから社会復帰する際のサポートに重点を置いている点で、他の資格とは方向性が違うものといえます。

その一方で、①臨床心理士、④認定心理士、⑤産業カウンセラーなどその他の資格は民間の資格になります。

3 臨床心理士

民間の資格とは言っても、臨床心理士の資格を取得するのは簡単ではありません。
臨床心理士の資格を取得するためには、公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会の資格試験に合格する必要があります。
しかし、この資格試験を受験するためにも条件があります。
例外もありますが、基本的には、臨床心理士養成に関する指定大学院を修了するか、専門職大学院を修了する必要があります。

また、資格を取得してからも、5年ごとに資格の更新をしなければなりません。

臨床心理士ができることについては、別の記事で解説します。

4 認定心理士

その一方で認定心理士とは、公益社団法人日本心理学会によって認定される資格ですが、心理学の専門家として仕事をするために必要な、最低限の標準的基礎学力と技能を修得しているという資格です(https://psych.or.jp/qualification/)。
同じ民間資格ではあるものの、臨床心理士のように指定大学院の修了が受験資格となっていたり、資格試験の合格が必要だったりする資格ではありません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件・少年事件に関わってきた経験を活かし、再犯防止に向けたサポートにも力を入れています。
刑事弁護のご依頼を受けた際に、お近くで頼れるカウンセリングの専門家や心療内科をご紹介させていただく場合もあります。
様々な専門家から多角的にサポートを得ることは、再犯防止に向けても有効でしょう。

あいち刑事事件総合法律事務所では事件終了後の再犯防止、更生支援にも力を入れています。
カウンセリングだけでは解決できない相談や、事件を担当した弁護士にだからこそ話せる相談などもあるかと思います。
その場合、あいち刑事事件総合法律事務所では事件終了後も顧問契約という形で真の更生に向けたサポートをさせていただけます。
弁護士による更生に向けたサポートにご興味のある方は、一度、あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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