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執行猶予の制度と執行猶予の取消しについて刑事事件少年事件に精通した弁護士が解説します②
【事例】
Aさんは、大阪府岸和田市に住む30代の女性です。
Aさんは、20代の頃から仕事でストレスを感じると万引きを繰り返してしまっており、何度か警察に捕まって罰金刑を受けたこともありました。
それにもかかわらず、Aさんは万引きを繰り返してしまい、今回、大阪地方裁判所岸和田支部で刑事裁判を受け、執行猶予付きの判決を言い渡されることになってしまいました。
裁判官から判決を言い渡される際にも、次に犯罪をしたら長期間刑務所に行くことになる可能性が高いという趣旨の話をされています。
その一方で、インターネットで調べると、再度の執行猶予という制度があることも知りました。
Aさんは、二度と犯罪はしないと思っていますので、執行猶予が取り消されるかもしれないという心配はする必要がないと思っています。
ただ、どのような場合に執行猶予の判決が取り消されるのかは気になってしまいました。
その一方で、Aさんの両親は、Aさんが現に繰り返してきていますから、このままではまた繰り返してしまうのではないかと心配しています。
そこで、万が一にも執行猶予が取り消されるようなことがないように、Aさんのためにできることはしておきたいと考えています。
Aさんと両親は、更生支援にも取り組んでいるということをインターネットで知り、あいち刑事事件総合法律事務所に相談に行くことにしました。
(事例はフィクションです)
1 はじめに
前回の記事では、Aさんや両親の疑問について解説していく前提として、そもそもAさんが言い渡されたような執行猶予とはなにか、執行猶予とできる条件は何かを解説してきました。
今回の記事では、執行猶予とできる条件について、その続きを解説していきます。
2 執行猶予とできる条件:対象者
前回の記事では、「三年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金の言渡しを受けたとき」と、拘禁刑については3年、罰金刑については50万円と、執行猶予とすることができる上限が定められていることを見てきました。
しかし、条件はこれだけではありません。
刑法25条1項によると、次のどちらかに当たる人でないと、執行猶予とはできないことになります。
①「前に拘禁刑以上の刑に処せられたことがない者」(1号)
②「前に拘禁刑以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から五年以内に拘禁刑以上の刑に処せられたことがない者」(2号)
①は、これまでに拘禁刑以上の刑、つまり死刑の判決や拘禁刑の判決(執行猶予とされた場合も含みます。)を受けたことがない人が対象だということです。
②は、例えば一度、実刑の判決を受けた人であっても、その実刑の期間が終わってから(仮釈放となった日からではありません。)、5年経過していれば、対象に含むことができるなどという意味です。
ここで問題となるのは、執行猶予の期間が満了した人はどうなるかという点です。
途中で執行猶予を取り消されることなく、執行猶予の期間である3年が満了すると、その効果として「刑の言渡しは、効力を失う」と定められています(刑法27条1項)。
この効果により、再び「前に拘禁刑以上の刑に処せられたことがない者」(1号)に該当することになりますから、仮にまた犯罪行為をしてしまっても、執行猶予となる可能性も出てくるのです。
次回の記事では、今回の続きや執行猶予の期間について解説していきます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事裁判での弁護活動や警察の捜査を受けている段階での弁護活動はもとより、刑事事件・少年事件に関わってきた経験を活かし、事件後の再犯防止に向けたサポートにも力を入れています。
具体的には、事件を起こしてしまった方の刑事手続きが終了した後、判決を受けた後についても顧問弁護士として事件を起こされた方の更生やご家族の不安に寄り添いながらサポートさせていただきます。
今後の再犯防止に不安のある方や実刑判決を受けてしまい仮釈放やその後の社会復帰に不安を抱えた方は是非一度相談してみてください。更生支援の豊富な経験を持つ弁護士が初回無料で相談対応をさせていただきます。
再犯防止に向けた弁護士のサポートにご興味のある方は、一度、あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
