【事例】
Aさんは22歳の大学生でしたが、SNSで「簡単 稼げる」「日給10万」などの検索ワードを使って仕事を探していたところ、特殊詐欺事件の首謀者から連絡を貰って個人情報を伝えてしまいました。
Aさんは話を聞くうちに、そのグループが特殊詐欺に関与していることを知って仕事をやめようと思いましたが家族に危害を加えられることを仄めかされたために、やめることができず特殊詐欺を実行してしまいました。
その事件については、被害者が未然に警察に通報していたことでお金を騙し取る前にAさんは臨場していた警察官に逮捕されました。
(プライバシー保護の観点から、事務所で扱った事件から一部事実を改編しています)
今回の記事では前回の記事に引き続き、闇バイトに応募したところ特殊詐欺に関与してしまい逮捕されてしまった方の事例を基に闇バイトに関与してしまった方に対する弁護活動について解説していきます。今回の記事では事例の件で弁護士がどのような弁護活動を行って、起訴後すぐの保釈許可や執行猶予付きの判決を獲得したかについて解説します。
このページの目次
1 保釈獲得に向けた弁護活動
起訴後すぐに保釈が許可されるかは逮捕された方のその後の人生において非常に重要です。保釈の請求は起訴された後すぐに行うことができますが、起訴後すぐに保釈の申し立てを行うためには起訴される前から準備を進めていく必要があります。
Aさんの事例では、実際に弁護士がAさんの家族と連絡を取って、自宅でしっかりとAさんを監督することなど監督体制がしっかりしていること、Aさんの大学の講義の取得状況からさらに身体拘束が長期化すれば退学が余儀なくされること、Aさんの持病の治療のために留置環境下では医療体制が十分でないことなどをまとめた上申書を作成しました。また被害者への謝罪や賠償の状況についても経過をまとめた書面を作成しました。
これらの書面を添付した保釈請求書を起訴当日に提出し、裁判官と弁護士が面談を行って交渉したことでAさんは起訴当日に保釈が許可されて、無事に大学に復帰すること、持病に対する治療を再開することが叶いました。
2 執行猶予付きの判決獲得に向けた弁護活動
今回の事例は幸いにもAさんが関わった事件が未遂に終わった本件の1件だけだったこともあり、ある程度執行猶予付きの判決が見込まれる事件ではありました。それでも担当弁護士はAさんが決して再犯をしないための更生環境を整えるために精力的に弁護活動を行いました。
具体的には前回の記事で述べたような、闇バイトの実態や関わらないための注意点を弁護士から詳しく説明し今後は楽にお金を稼ぎたいという気持ちからSNSや知り合いの紹介から仕事を探さないことを約束してもらいました。また、今回のような事態になった際にすぐに家族に相談できるように家族間でのコミュニケーションをより密に取ることをAさんやAさんの家族が約束し、保釈直後から実践をしていました。これは単なる裁判のための対策ではなく、裁判の後に二度と闇バイトに関わらずに更生していくためにという視点で担当弁護士が再犯防止策をアドバイスさせていただいた結果です。
裁判においては以上のような再犯防止策をAさんの家族やAさん自身に証言してもらい、担当弁護士も裁判官に対し弁論の場で主張を行いました。判決では家族の下で再犯防止策を測っていることも評価されて無事執行猶予付きの判決を獲得することができました。
この事例も含めあいち刑事事件総合法律事務所では闇バイトに応募してしまったなどの事情から特殊詐欺事件に関与した事例も多く取り扱った実績があり早期の保釈許可や執行猶予付きの判決、少年事件であれば保護観察の獲得により少年院送致を回避した実績も豊富です。
ご家族の方が闇バイトに関与しているかもしれないと気づかれた方、闇バイトに関与して逮捕されてしまった方はなるべく早くあいち刑事事件総合法律事務所の弁護士に無料相談や初回接見の語彙新井をしてください。経験豊富な弁護士が親身に対応させていただきます。
3 あいち刑事事件総合法律事務所では出張事業のご依頼を受け付けています
あいち刑事事件総合法律事務所はこれまで多くの刑事事件、少年事件を取り扱ってきました。今回の紹介したような「闇バイト」に募集してしまい刑事事件の当事者となった方の弁護活動の経験も豊富にあります。そこで中高生の方向けに、闇バイトに関わらないようにするためには本人やそのご家族がどのようなことに注意するべきか、闇バイトに関わってしまうとその後の人生がどのように変わってしまうのかなど、闇バイトに関わることを防止するための出張授業をご準備しています。もちろん出張授業の内容は闇バイトの件に限らず、ご希望の内容に沿ってご相談に乗らせていただきます。
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