【事例紹介】大麻所持の少年事件で、少年に対する働きかけが奏功し不処分を獲得した事例②

【事例】
17歳のAさんは、同級生の友人と一緒に大麻を使用していました。
ある日、その友人と一緒に遊んでいた際に警察官から職務質問を受けて、Aさんは、友人と一緒に大麻を所持していることが発覚して逮捕されてしまいました。
その後Aさんはあいち刑事事件総合法律事務所に弁護を依頼し、最終的には家庭裁判所の少年審判で「不処分」の判断を得る事ができました。
(プライバシー保護のため事案を簡略化しています)

今回の記事では前回の記事に引き続いて、Aさんのケースで実際に行った少年審判での弁護活動や働きかけの内容について解説します。

Aさんに対する弁護活動

事例において有利な判断を少年審判でしてもらうためには、今回の薬物仲間との絶縁が重要なテーマになります。少年審判での処分の決定には再犯のおそれが重要な判断要素の一つだからです。

大麻の場合、眠りやすくなるからという理由から一人で使う人もいます。しかしAさんの場合、友人との付き合いで大麻を使用していました。
そのため、友人との絶縁ができれば、わざわざ大麻を使う理由もなくなります。
そこで、Aさんには、今回の事件の友人との絶縁を約束してもらうことにしました。

もっとも、未成年者である少年にとって友人というのは、大人が思うより大切です。大人から見れば、「こんな子との付き合いはやめなさい。」と思う人でも、少年の場合、判断が未熟なため大切な友人と思ってしまうことが往々にあります。
そのため、Aさんには、自分にとって何が大切か優先順位を考えてもらいました。
Aさんの場合、留学に行きたいという思いがとても強かったので、
「留学と友人、どちらが大事か。その友人と関係を続けたら留学に行けなくなるのではないか。」
とAさん自身によく考えてもらいました。
その結果、Aさんは、友人と絶縁することを自分で考えた上で納得してくれ、友人との絶縁することを少年審判でも約束してくれました。
また弁護士としても、少年審判において、Aさんは交友関係の断絶を約束するなど留学して更生する可能性が十分あり、処分を下して留学に支障を生じさせるようなことをすべきでないから不処分とするべきだと訴えました。

審判の結果

最終的に、少年審判では不処分を獲得して、Aさんは無事留学に行くことができました。
友人との関係についても自分で考えて決めたことだからと、弁護士やご家族の前で改めて交友関係の断絶についても約束してくれました。
少年事件は、少年本人の頭でよく考えてもらうことが大切です。大人がああだこうだ言い聞かせるだけでなく、いろいろな工夫をしながら、更生のための思考を促すことが大切です。
少年事件での弁護活動に興味がある方は、こちらの別の少年事件における弁護活動の記事も参考にしてください。

少年事件終了後の更生支援について

Aさんのように友人からの誘いで大麻を使用していたケースでは不処分獲得後のサポートも真の更生に向けて重要になります。
自分では大麻をやめられたと考えていても、大麻を使用する友人との交友関係が再び構築されてしまえば、大麻を誘われ、大麻の強い依存性から大麻使用を再開してしまうおそれもあります。
あいち刑事事件総合法律事務所ではAさんのようなケースで、弁護士が定期的に面談を行い交友関係に問題がないか確認をしたり、大麻の依存性や本人は周囲への影響について課題を通じて理解してもらったりする顧問契約をご用意しています。審判後のサポートも希望される方は是非お気軽にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士は、少しでも多くの少年の未来を明るくする助けになればと思いながら、日々精進しておりますので、興味をお持ちの方はぜひご相談ください。

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